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2010年03月13日

融合体~巣くうものシリーズ⑥

融合体


465 :本スレ208の128:2009/10/05(月) 22:53:59 ID:XpTpgJW.0
スレ208の128です。
誘導されたんで、ここに。

洒落コワ本スレで書いた女友達Bの件について、一応もう一度説明を書きます。
・「みえるひと」な女友達Aの言では、Bの身体を出入りしている何か
 普通の霊と違うものがいる(寄生虫?居候?みたいな状態らしい)。
・B本人は気づいてないが、霊的なものは大抵それを避けるから、Bは心霊体験できない。
・とりあえず当時のAが知る限り、ソレはBを守っていた。
・でもAが感じる気配では、とても善意の守護ではない。っていうか悪い感じらしい。
・強力な霊とBのナニかが戦うときにはB当人は爆睡するっぽい←Aの推測

……8月に物凄いことがあったんで、纏めました。
以下、フェイク込みなんで辻褄が怪しいところもありますが、どうぞ。

最初の井戸の話のときに書いた大学時代の仲間内の男子C、こいつから連絡があった。
Bが最近、時間が出来たのか懐かしくなったのか知らんが、
昔の友人にちょこちょこ連絡しててCも電話で話したそうだった。

……んで。
Bと話して昔の井戸の一件を思い出して、職場でネタにして喋ったそうです。
そしたら職場の女の子に呼び出され、その子の知人の男(20代後半、俺らと同年代)に
会ったと。そいつの用件を纏めると、
「ヤバいものに憑かれてる知人が居る、坊さんも神主も霊能者もダメだった、
そのBさんの力を借りたい。連絡を取って欲しい、詳しく教えて欲しい」
Cは井戸の一件しか知らない、つまりBの「ソレ」に守られた記憶しかないので、
気軽に受けあい、ついでに他にも良く知ってる奴が居ると俺とAを推薦したそうです。

俺とAは話し合って、二人つれだってCとその男(Hとします)に会った。
指輪の件、白い着物の件、B宅の件を一通り説明し、BについてるものはB当人にも
他の人間にも制御できず、また悪霊や呪いの類は「跳ね返す」だけで祓ってくれない、
周囲に被害が出るからやめておけと告げた。
どうやらHも「みえるひと」らしく、AがB(幼少時 with白い着物)の写真を見せたら、
即座にハッキリと表情が固まった。
「………凄いね、これ。この子マジ生きてるの?今も?こっちのナニ、山神様とか?
こんなんに狙われても大丈夫なワケ?これなら、本気でいけるかも」
Hは本気になったようで、俺らがやめろと言うのにはとりあわず、
しきりにBについてる「アレ」について尋ねてきました。
Aは躊躇いつつも、他の「みえるひと」の意見を聞いてみたかったようで、
さらにざっと説明をしていた。
みえない俺には良く判らん感覚的な言葉が多く、
「硬さは?こう、バキンていきそうな」
「そうじゃないし、寒いとかスレてる(?ずれてる?)とかもなくて。
ただこう、ぞわっとするだけで、そこにあるのに何で?みたいな変な印象の」
「え、本当に?じゃあザリザリ擦ってるみたいな感じはある?」
「それもないです。するんとして、侵食もしないしできないし」
こんな感じの意味不明なやり取りの末に、Hは
「……俺も全く見当がつかない」と首を捻っていました。
その後はもう一度、「本当に止めた方がいい」と俺とAから念押ししてお開きにしました。


466 :本スレ208の128:2009/10/05(月) 22:55:22 ID:XpTpgJW.0
……数日後の土曜日に、Aから電話が来ました。
BがこれからCと会うから来ないか、と言って来たそうです。
『出る』家があるから、良かったらAと俺にも声をかけて来いとCに言われて
Aに電話をよこしたと。
たまげて家を出、Aと合流してBに指定された待ち合わせ場所に行くと、
そこにはHが車で待っていました。
Hはニヤニヤしながら、
「悪いね。BとCは後から来るから、乗ってくれよ」
といい、車中で説明をしました。
……こいつ、Cに頼んでBに連絡とって約束したそうです。
「知り合いの家が“出る”から来ない?って行ったら2つ返事だった。いいご主人だね、
 『昔の友達と肝試し?いいよ、羽を伸ばして来い』って子供の面倒見てくれてるって。
あんまり時間ないから急がないと」

Hの目的地は、高級住宅街の塀に囲まれたでかい豪邸でしたが、車が止まった時には
俺の横のAは硬直して真っ青でした。
「悪いね。大丈夫だよ、俺ら部外者だし、出入りしても手ェ出さなければね」
Hに促されてしぶしぶ降りたAは、その豪邸を見上げて、引きつった顔でHを
みました。
「……本気で?」
「まあね。……ここんちの奥さんが、俺の母親の幼馴染。息子が完全に
イカれちゃってんだよ」
「何いってんの?その人が助かったって、周り中に散って広がるだけじゃ」
「俺も考えたし。……出られないところに押し込めてやりあってもらえばいいんだろ?
 勝敗つくまで、徹底的にさ」
2人が言い合ってる間にドアが開き、中から中年のおばさんが出てきて、
俺らを招き入れました。

……どうぞ、と通された部屋に居る男を見て、思わず硬直しました。
壁向いて立った横顔は白目むいて天井見上げて、唇の端が少しだけ上がって
ニヤついてるみたいで、どっか壊れたような形相でブツブツブツブツ何か呟き続けてて、
上手く言えないけど、その目つきが本気で怖い。
実はコレがウチに出る悪霊です、って言われたら信じたと思う。
俺もドン引きしたけど、Aはもう真っ青でした。
「……もとはどこに?」
Aが聞くと、Hは少し疲れたような余裕のない顔で笑って、
「そこが一番まずいんだよね。……解んないんだよ、気がついたら拾っちゃってて」
後で二人に聞いたら、そこんちの息子(Iとします)についてたのは、
何だか複数の人霊が怨念をツナギにして融合したようなものだそうでした。
様子から言って、長いこと生き物でなくモノに憑いていたと解る状態で、
本体と言うか依りしろと言うか、それがIに憑く前に居たものがあるはず。
それが除霊するときに手がかりと言うか土台になるらしいです。
なのに、どこで取り付かれたのか解らないために除霊の手がかりがなく、
霊能者に無理だと言われたそうでした。
Hの答えを聞いたAは、さらに怯えたような顔をしていました。
「……この人、大丈夫なの?何かヤっちゃったとかないの?」
「……あー。寸前まで行ったことはある、かな。今はとりあえず、ちょい前に
来てくれた人が体にヨケ(?)つけて抑えてるから」
そんな感じの怖い会話の途中で、外から車の音がしました。
CがBを乗せて来たのですが、案の定と言うか怖いことにと言うか、
Bは車中で既に熟睡していました。

HがCからBを引き取り、抱えて奥の部屋へ連れ込み、床に寝かせて毛布をかけました。
後からIをそこんちの奥さんが連れてきて、熟睡中のBと空ろな目のIを
残して、俺らは部屋を出ました。

……考えてみりゃ、眠ってる既婚女性とおかしな男を1つ部屋に入れたりして
とんでもない話です。
何故かその時は、Hの全く躊躇いのないテキパキした態度と
Bは何があっても無事、と言う考えが当然のこととして頭の中にあったため、
唯々諾々と従ってしまいました。

ドアを閉めると、Hがドアに背をつけて廊下に胡坐をかいて座りました。
Aが俺にしがみつき、奥さんが足早に廊下を戻って引っ込んで少しして。
部屋の中から、凄まじい破壊音が響き渡りました。
壁か柱がぶっ壊されてるんじゃないかってくらいの轟音に混ざって、
ガシャン、パリンとガラスか茶碗が割れるような音。
俺はギョッとしましたし、Hは揺れるドアに背中を押し付けて座り込んだまま
動きませんでした。
Cも、何かHから聞かされていたのか、落ち着かない様子ながら、あまり慌てた様子も
なく。


467 :本スレ208の128:2009/10/05(月) 22:56:17 ID:XpTpgJW.0
どれだけ時間が経ったのか、誰も動かずに待ち続けて、ようやく中の音が小さく
まばらになってきたとき。
直ぐ内側から誰かがゆすってるようにドアががたがたっと揺れ、
鋭い、あせりまくった切迫した男の声が聞こえました。
「おい、助けてくれ!!お願いだ、助けて!開けてくれ、早く!早く!!
ここを開けてくれえええっ!!」
Aが顔をあげてHに向き直り、
「ねえ、もういいんじゃない?開けて出してあげようよ」
ここで俺もはっとして、「おい、さっきの人(I)、正気に返ったんじゃないか?」と
言葉を添えましたが、Hはぎっと俺たちを睨みつけて「まだ」と言いました。

それからさらに時間が過ぎ、中から全く音がしなくなって、やっとHは
立ち上がりドアを開けました。
……中は、HがBを寝かせIを入れて出たときと全く変わりありませんでした。
壊れたものも動かされたものもなく、ただBが部屋の真ん中で大の字になって寝てるだけ。
あの破壊音を立てたと推測できるものの痕跡1つなく。
そして部屋の隅にうずくまって震えていたIに、Hが駆け寄りました。
「おい、I。俺、わかるか」
「あ……H?H!!」
 目が焦点を結ぶと、Iは取り乱した様子で、しかし初対面の時より遥かにまともな様子で
Hに掴みかかりました。
「H、化け物がいたんだ!本当だ、俺に化け物が、襲い掛かってきて俺を殺して」
「……ほいほい」
 幾らか安心した様子でHがポンポンとIの肩を叩いて宥めた。
その時、俺の横に居たAがふらりと傾いたのが視界に映った。
慌てて受け止めた俺に、Hが
「あ、ごめん。リビングに連れてったげて。ココは辛いでしょ」
と言った。Cと一緒にAを運んで廊下を戻りながら、やっと気がついた。

さっきHと喋ってたIの声。
破壊音が止む前に部屋の中から聞こえた声とは、全然違う声でした。


468 :本スレ208の128:2009/10/05(月) 22:57:17 ID:XpTpgJW.0
……その後、Aが目を覚まして動けるようになり、眠り込んでるBをA宅へ移した上で
B夫を呼び、AがBを引き渡しました。
変に疑われると嫌なので、俺もHもCも、男は全員席を外しました。
B夫は怪しむ様子もなく爆睡してる妻を引き取っていきました。

「あ、またですか?すみません。ひょっとしたら知ってるかもしれませんけど、
 睡眠障害とか言うんですかね。突然パタンと寝ちゃって目がさめないことがあって。
これの母親から、小さい頃はよくあったって聞きましたけど、
結婚してからは年に一回もないし、病院で検査しても異常ないし、
本人覚えてないけどガスだの何だの危ないものは必ず寝る前に止めてるし、
子供と居る間は起きないし、倒れるとかじゃないから問題ないんで
俺は気にしてないんです。
面倒をかけてすみません。連絡ありがとうございました」

A曰く。
「……ガスとか火とかは絶対に大丈夫だと思う。Bが止めなくても、
必ずアレが何とかするから。赤ちゃん居るとないってのは意外。
Bが子供できてから、危ない場所に行ったり危ないもの買ったり
しなくなってきたのかな」
H曰く。
「さすがに赤んぼ放置して熟睡は、Bさんの潜在意識が拒むんじゃね?
アレ、Bさんの意識とカンペキ無関係って訳じゃないと思うよ。
無意識の部分とかに食い込んでないと、寝かすのはないと思うし。
Bさんでなきゃいけない理由があるんだろーねー。
赤んぼ預けるとか家族が一緒とかでないとフルで戦えないなんて不便な状況、
ただの間借りならショバ替えしてるよ」

あのとき部屋の中から聞こえた声についても、「みえるひと」な2人に聞いてみた。
こちらは2人とも完全一致。
『融合してた人霊のウチの一体が、消滅の危機に瀕して自我を取り戻した』
だそーです。
あの部屋、事前にHが、使える伝もコネも知識も全部使って、頼めるだけの人に頼んで、
何重にも霊的に閉鎖してたんだとか。
で。
その檻の中で、Bについてるアレと、Iについてたモノとが。
互いに在るだけで互いを削りあう至近距離に置かれることになり、
形容し難い激烈なバトルが繰り広げられたようです。
結果は、またしても、Bのアレの勝ちでした。

……助けてくれ、開けてくれ、と叫んでいたのは。
逃げ場のない檻の中で、Bのアレと戦いながら2度目の死の恐怖を、
味わっていた誰かの霊だったと。

衝撃でした。
生身でない、声帯を持たないとは信じられないほど、声はリアルでした。
そしてAが倒れたのは、霊的に比喩的に「血染めの惨殺現場」を見たためでした。
その霊たちがどうなったのか、と言う質問には2人とも答えてくれなかったし
俺も考えたくありません。Bのアレはお払いだの浄霊だのしてくれる存在ではないと
既に知っているので。

話は概ねこれで終わりです。
Bは次の日の朝に目を覚まし、鼻歌と共に朝食と夫の弁当を作ったそうです。
Iは精神科へ通院しているそうですが、以前と違って会話ができて
治療効果がきちんと出ることにI母は大変喜んでたそうでした。
ついでにCは、Hから何を聞かされたか知りませんが、もうあまりBとは
連絡を取りたくないようなことを言っていました。

最後に、その「融合した複数の人霊」これが一番、この話の嫌なところですが。
「恐らく半世紀以上は前、だけど100年は経ってない」で、
「全員、両手の爪が剥がされてた」そうでした。
それ以上はAもHも説明してくれませんでしたし、
俺も聞きたくないと思っています。
どこでどんな目にあった誰だとしても、判れば気分悪くなるだけでしょうから。
以上です。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:10Comments(0)巣くうものシリーズ(怖い話)

2010年03月13日

指輪~巣くうものシリーズ⑤

指輪


588 スレ208の128 sage 2009/05/05(火) 22:23:28 ID:+2c9Ghac0
スレ208で、井戸の底のミニハウスと女友達Bに住み着いてるモノの
話を書いたものです。
まとめサイトに載せて貰った様なので、説明を省きます。

実は学生時代の話はもう一つあり、それについて最近わかったことがあって
話がまとまったんで、投下させて下さい。
こっちは井戸の一件同様、俺の直接体験が入って来ます。

Bの学生時代の元彼Eの話は前に書いた。
Eは俺らの遊び仲間じゃなかったんで、井戸の一件には絡んでない。
Bとは卒業直前あたりで就職のことで行き違って別れたと聞いてる。
ひょっとしたら今も、Bを出入りしてるものの存在は知らないかもしれない。

学生時代、Eから貰った指輪をBが仲間内で披露してたことがあった。
金銀組み合わせの指輪で、仲間内の女子の言では結構いいものらしかったが、
Aが凄い微妙な様子だった。
井戸の一件の後だったので、俺は後でこそっと「あの指輪なんかある?」と
Aに聞きました。
「……うん……まずいかも。でも、どうしよう。俺くん、お祓いできる人とか
 知らないよね?」
俺はAの他に「みえるひと」の本物は1人も知らなかったので、そう言うと、
Aは閉口した様子で。
Aは、自分がみえるひとだが、経験則で危ないものを避けてきただけで、
霊能者などの知り合いはいないらしいです。
「……それに、Bも貸してくれないよね……お祓いとかするところに
 B本人連れて行ったら、まずBのアレと揉めるかもしれないし……」
かと言って、指輪が霊的に危ないなどといったら、Bのことだから
それこそ面白がって肌身離さず持ち歩くのが、俺にも想像できた。
「……ま、Bはアレがいるから大丈夫なんじゃん?」
と俺は言ったが、Aは複雑な顔で「ん……ていうか……ちょっとね……」と
言い、それで会話は終わりました。


589 スレ208の128 sage 2009/05/05(火) 22:24:52 ID:+2c9Ghac0
次の日、大学内でAが事故って怪我した。
捨ててあった何かのガラスでサックリ切ったとかで大学の保健管理センターへ
運ばれたAは、その時一緒に居た同じ科の奴に、自分の荷物は最寄の講義室に
置いといてくれ、後で取りに行くから、と言ったらしい。
で、事故の後にそいつと俺が出くわして話した。
財布とか貴重品はさすがに放置じゃまずくないか?と言うことになり、
俺が預かっといてやるってことにした。

講義室に行くと、誰もいなくてAの鞄がぽんと椅子の上においてあった。
見覚えはあったが、他の奴のだったらまずいし、失礼して中を開けて、
何か氏名の解るものを確認しようとした。

そしたら。
財布の入ったポケットの中に、一緒に、小さなビニール袋に入った指輪が見えた。
前日、Bが皆に見せまくってたのとそっくりのが。
え、何で?これBの指輪か?どうしてAが?と思ったが、
単に同じもの買ったのかもしれないし、まあひょっとしたら、Aが思い切って
無断拝借してお祓いに持ち込むつもりだったのかもしれないとも考え、
とにかく財布の中の免許証を確認して、鞄を持って
部屋を出ようとしたら、後ろから「にゃー」って声がした。
振り向いたら、窓枠のとこに灰色っぽい猫がいた。
にゃあ、ってもう一度鳴いた猫がひょいっと窓から外へ下りてから少しして、
気がついた。


590 スレ208の128 sage 2009/05/05(火) 22:25:56 ID:+2c9Ghac0
……さっき居なかったよな?猫。それでここ、4階だよな?外に木の枝とかあったっけ?
慌てて鞄を置いて窓に駆け寄って見ると、窓の外には何もない。
木の枝が張り出してもいないし、建物の外側のどこにも猫はいないし、
勿論落ちて死んでたりもしない。
……4階位なら飛び降りて逃げられるモンなのか?と思いつつ戻ってAの鞄を手に持って、
仰天した。絶対さっきまでなかった派手な裂き傷が鞄についてた。
駄目押しにもう一度、足元で「にゃー」って声がするに至って、ようやく俺は、
Aがしきりに気にしてた例の指輪が俺の持ってる鞄の中にあるんだ、という事実に
気がついた。
「………」
ぞく、と背筋が寒くなったところへ、また「にゃー」さらにガリッて音が続いた。
見下ろすと、俺の靴ヒモが結び目のとこで何箇所か裂けてた。もちろん猫は居ない。
にゃー。にゃー。にゃー。
かなりの至近距離に聞こえるその声は、何だか段々と嫌な感じになってきてた。
冷や汗をかき始めた俺の周りをうろうろしてた鳴き声に、ぼそっと暗い感じの
人間の声が重なった。
『……なんか、死んじゃえ。死ねばいいのに』
エコーをかけたような変な声だった。
「……!」
硬直した俺は、咄嗟に大急ぎで携帯電話を出して、速攻で電話をかけた。
プルル、プルル、と呼び出し音が鳴る間も、足元で見えない猫が鳴いてた。
靴や鞄がカリカリ音を立てて、ちらっと見下ろすと床にも何だか、
傷が増えてきてるような気がした。
ガリッと衝撃があって足首に痛みが走ったのと同時くらいに、電話が繋がった。
『はーい、もしもしー?』
「Bか!?あのさ、俺だけど、えっとAのこと聞いた?」
有難いことに、Bは学内にいた。急いでAの怪我の件を説明し、
荷物を預かってくれと頼むと、Bは快諾した。
電話を切った俺は、Aの鞄を持ってダッシュしてBと待ち合わせた場所へ向かった。
エンドレスに足元から聞こえる猫の鳴き声に混ざって、ぽそ、ぽそ、と
『死んじゃえ』とか『死ねばいい』とか呟く女の声がし続けた。


591 スレ208の128 sage 2009/05/05(火) 22:27:08 ID:+2c9Ghac0
建物を出たあたりで、しゅっ、と足の間を通り抜けるような感触がして、
足がもつれて思いっきりこけて、止めてあった自転車に突っ込んだ。
「うわー俺君!?大丈夫?」
待ち合わせしてた自販機の所から、大声で言いながらBが駆け寄ってきた。
「俺君、手!それに足も血が出てんじゃん!」
Bが騒ぎながら俺に手を貸してくれ、荷物を持ってくれて、気がついたら
猫の声も変な女の声もしなくなってた。

ただ、後で確認したら、やっぱり足の傷は自転車の金具で切ったんじゃなく
爪で引っかかれた傷でした。

Aの怪我もそれほど酷くはなく、A鞄の中にあった指輪は、AがBから
借りたものでした。
同じようなのがどうしても欲しいから、お店で見せて「こう言うのが欲しい」と
言うのに見本にしたい、と言って借りたそうで。
ただ、俺が鞄をBに預けた話をすると、Aは「……あ、そう」と
言ったきりで、猫と女の声についても何も説明してくれなかった。


592 スレ208の128 sage 2009/05/05(火) 22:28:16 ID:+2c9Ghac0
……今になって俺がこの話を思い出したのは、最近AがB宅を訪問したときの
件があったからでした。
Bの部屋の話、白い衣装と神社の一件の話を聞き、
「Bの中にいるものは、Bを守るだけで、悪霊退治をするわけではない。
周囲の人がとばっちりを受けても祟られても、Bが無事なら何もしてくれない」
と言うことを知って急に気になったのが、この一件だった。
俺はこの後、Bと指輪の話をしたことがある。
Bはその時、Aから返却されたその指輪をはめてた。
「Aが同じようなの欲しがってたけど、見つからなかったんだよね。あれ、Eが
 親戚の子に選んで買ってきてもらったんだって」
で。
Eに指輪を選んでくれた、その女の子が、Eの在学中に亡くなってるんだ。
Eが葬儀に出たと言っていたのは、確か、この一件の少し後だった。
当時は、俺が女の声を聞いたときには生きてたわけだから無関係だと思ってた。
あの一件は、Bの手元に指輪が戻ってBには何も起こらなかった事で
片付いたつもりでいた。

でも、今考えてみるとどうしても気になって、先日、改めてAに聞いてみた。
Aは物凄く迷ってたが、やっぱり黙ってるのがしんどかったようで、
しつこく聞いたら最後には話してくれた。
クロだった。
「……その親戚の子、Eが好きだったんだと思うよ。どこで呪いの方法を
見つけたのか知らないけど、実際に猫を殺して本格的に呪いかけるくらい、
Bが憎かったんじゃないかな」
俺が聞いたのは、やっぱりその子の声らしかった。Eから指輪を貰う女に対して、
死んじゃえ、と呟いて猫を殺した時の声なんだろう、と俺は思った。


593 スレ208の128 sage 2009/05/05(火) 22:29:01 ID:+2c9Ghac0
そしてAが心配してたのは、Bが呪われることじゃなかった。
Bの中にいるものの性質をかなり正確に把握してたAは、動物を殺して形を整えて
行われた呪いの、「返り」を気にしてたんだった。
「……私も俺君も大怪我じゃなかったでしょ?呪い自体には、人を殺すような力は
無かったんだと思う。だけど」
Bにはアレが居たから。
Bをターゲットに真っ直ぐ飛ばされたものを、アレが真っ直ぐ打ち返したときに、
「加速がついちゃった」んだと、思う……

Aは、それ以外は何も言わなかった。
多分、当時のAは、指輪をどこか霊能者のところへ持ち込んで、
呪いを外してもらおうと考えてたんだと思う。
正直、Aと話してから、少し気持ちの整理がつかなくて、混乱してる。
俺がBを呼んでAの鞄を渡さなかったら、Eの親戚の子は死ななかったんだろうか。
BにAの鞄を預けたと言ったとき、Aが取り戻そうとしなかったのは、
もう間に合わないと思ったのか、怪我して怖くなったのか、俺は解らない。
いずれにせよ、もう何年も前の話だ。

Bは何も悪くないんだろう。普通に彼氏から貰った指輪を喜んでただけで。
少し大雑把だけどイイ子で、同じものを探すのに貸してと言ったAに
快く指輪を貸し出してくれるような奴だったわけで。
でも、俺が悪いんだとも思いたくない。
Aも俺も巻き込まれただけじゃないか、って気持ちが消えない。
同時に、猫を殺して呪いをかけた女の子は確かにゾッとするけど、
相手がBでなかったら、死人は出なかった話だったんだと思わずに居られない。
Aが複雑な顔で「何もできないんだよね」って繰り返す気持ちが初めてまともに
解った気がした。
吐き出させてもらってすまない。
以上です。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:06Comments(0)巣くうものシリーズ(怖い話)

2010年03月13日

印~巣くうものシリーズ④




686 前々スレ128 sage New! 2009/04/21(火) 00:09:11 ID:fITPiIyk0
スレ208で、井戸の底のミニハウスと女友達Bに住み着いてるモノの
話を書いたものです。
以下、前スレと同じく状況説明(再度、前スレのコピペで失礼)。

・「みえるひと」な女友達Aの言では、Bの身体を出入りしている何か
 普通の霊と違うものがいる(寄生虫?居候?みたいな状態らしい)。
・B本人は気づいてないが、霊的なものは大抵それを避けるから、Bは心霊体験できない。
・とりあえず当時のAが知る限り、ソレはBを守っていた。
・ でもAが感じる気配では、とても善意の守護ではない。っていうか悪い感じらしい。
・ 強力な霊とBのナニかが戦うときにはB当人は爆睡するっぽい←Aの推測

AがB宅を訪問した時のことを、もう1つ話してくれた。
そっちは上手くまとめ切れなかったのもあり、時間がかかってしまった。
こっちも後味悪い話なんで、俺としては誰かにブチまけてスッキリしたい。
すまないが、お付き合い願います。

Aが友人Fと共にB宅を訪問した際、踏み切りではねられた子供の話が出たことは
先に書いた通り。
その原因は知らぬが花で、Bは切なそうにため息をついたそうです。
「辛いよね、小さな子供の不幸って。親御さんは死ぬほど辛いだろうね。私だって、
 この子が大人にもならない内に先にいっちゃったりしたら、どうなるか解らない」
 だよね、とFと頷きあったBは、ふと思い出したように、
「小学生の頃に同級生に不幸があってね、その子のお母さん半狂乱でさ。
 お葬式に行ったんだけど、近寄ったら凄い目で睨まれて、
 お前が死ねばよかった、何でうちの子がって怒鳴られて怖かった。
 でも、今なら少し解る気がするなあ」
しんみり言ったBは、その時の思い出話をしてくれたそうです。
Bの10年以上前の思い出話 + 俺はAからの又聞き + 少しフェイクで
解りづらいけど、その話は以下の通り。


687 前々スレ128 sage New! 2009/04/21(火) 00:10:05 ID:fITPiIyk0
Bの父親は昔、何年かに一度は異動して引越す仕事をしていたそうです。
で、小学校の3年だか4年だかの頃に田舎に住んでた時期があって、
ベッドタウン化が始まったところ、みたいな町で、小学校には転校してきたヨソ者と、
地元の住人の両方が通ってたそうです。

あるとき、Bは同級生の女の子に、自宅へ招かれたと。
その家は地元の旧家で、他にもヨソ者・地元問わずに何人かの子が呼ばれてて、
単独で来た子もいれば親と来た子もいて、BはB母に送られて行ったそうです。
大きな立派な家で、地元の小さなローカルな行事の時期だとかで、
同級生の兄弟も友達を呼んでて、そこんちの親戚とかも来てて、
ちょっとしたお祭り状態だったとか。

酒や菓子や料理が出て、子供達は遊んで、大人は話をして、
日が暮れかけた頃にそこんちの父親が一同を集めたそうです。
で、お開きの前にすることがあるから、お姫さま?だか巫女さん?だかの役を
やってくれる子供を募る、と言うようなことを言ったらしい。
衣装も道具もあるので、ぜひ新しく越してきた(ヨソ者)の子の誰かに頼みたい。
これから仲良くしたいから、と。
綺麗なヒラヒラした白い服を見て、Bは「ハイハイ!」と真っ先に手を上げ、
「じゃあ君に」となったそうです。
そこの人に白い服を着せてもらい、お化粧してもらって白い布を被り、
おみこしみたいなものの上に載せてもらって大はしゃぎした記憶があると。
B母も「あら~!可愛いわよ、B」と喜んで写真を撮ったりしていたとか。

そこんちの父親、つまり当主の説明では、おみこしに乗って近所の社へ行き、
担いできた人たちがおみこしを置いて一度離れる。
そしたらお姫様はおみこしを降りて神社の中に入って
お供え物とお酒を置いてくればいい、社の中にいれば迎えに行く、と。
おみこしにBを乗せて何人かの男性が担ぎ、一行は山道を登っていったそうです。




689 前々スレ128 sage New! 2009/04/21(火) 00:11:08 ID:fITPiIyk0
「はしゃぎ過ぎたもんだからさ、行く途中で静かになったら凄い眠くなってね。
 うとうとして、気づいたらもう誰もいなかったから、慌てて神社の中に
 入ったんだけど、もう本気でメチャメチャ眠かったもんだから、
 とにかく適当にお供え物とお酒置いて、そこでダウンしちゃった。
 後でお母さんに聞いたら、おみこし担いでた人が迎えに来たら熟睡してて、
回収して負ぶって戻ってくれたんだって。
『迷惑かけて!!!』ってお母さん怒ってた。
 おまけに、家に帰ってから今度は体調崩して寝込んじゃってさー。
 3日くらい熱が引かなくて、『騒ぎまくった上にあんな所で寝るからよ!』って
 お母さんに叱られまくったよ」

Bが寝込んでる間、祭りの夜にいた地元の大人たちが、頻繁に見舞いに来ていたそうです。
特にその旧家の同級生母はちょいちょい来てくれ、身体の調子はどうか、
変な夢を見て魘されたりしないか、と色々とBに尋ねたそうです。
「お見舞いにって、お姫様の衣装、もって来てくれたの。
私が気に入ったみたいだから、部屋に飾っておいたらいいよって。他にも、
そこの神社のお守りとか、お祭りのときのお供え物とかくれてさ。迷惑かけたのに
怒ってなくて、優しかったんだよ、そのおばさん。だけどね」

Bがようやく熱が下がり、回復して学校へ行ってみると。
その、招いてくれた旧家の子が、B回復の前日に、亡くなっていたそうです。
B母とBが連れ立って葬儀に行ったら、Bたちを見た同級生母が
凄まじい勢いで喚き始めたと。
『何であんたが生きてるんだ』『どうしてうちの子が連れてかれるんだ』
『××に行くのはあんたのはずだ、印はどうした』
などなど正気でない調子で喚かれ、B母が例の白い衣装を返そうとすると
同級生母はさらに激昂して、うそだ、こんなのはうそだと喚きまくり、
BとB母は焼香できずに帰ったそうです。
「あの時は怖くて泣いちゃったけど、後でお母さんが言ってたんだよね。
 『自分の子供が自分より先に死んだりしたら、誰だって悲しくておかしくなるのよ。
  Bに何かあったらお母さんだってそうなっちゃうよ。
Bが悪いんじゃないから気にしないでね』って。今は本当にそうだろうなって思う」


690 前々スレ128 sage New! 2009/04/21(火) 00:12:44 ID:fITPiIyk0
……で、Aが俺にしてくれた補足説明(含むAの推測)。
「……Bの好きな怪談って、車とかエレベーターとかばっかりだからかな。
何で気がつかないの?って正直思うけど。
……白い着物に白い被り物って、それ、お姫様でも巫女さんでもなくて、
花嫁さんなんじゃないの?」
言われて初めてゲッとなった俺も、相当鈍いと思います。

『輿』に乗って、神様の居る『社』に運ばれて、
酒とお供えと一緒に1人で残される
『白い着物に白い被り物』の娘っていったら、それはつまり。
「……専用の乗り物が実際にあるくらいの古いきちんとしたお祭りなら、普通、
大事な役を新参者の子供なんかに頼まないよね。同い年のそこの家の子がいるのに。
……その頃はBのアレも小さかったのかもしれないね。
熱出して寝込んじゃったってことは」

B一家は、しばらくして、また転勤のため町を出たそうです。
それまで例の同級生の家には徹底的に避けられ、またそこの家は(B母いわく
「不運なことに」)事故だか病気だかが相次いで、上の子(死んだ子の兄弟)が
入院したりしてたために忙しそうで声をかけられず、
例の白い衣装は返却できずじまいで、今もBが持っているそうです。
Bは、子供をなくした母親は辛いんだ、悲しいんだ、ということを感じて衝撃を
受け、今も片付けや引越しなど何かの折にその衣装を見るたびに切なくなるそうです。
「お見舞いで私がこの衣装もらっちゃってなかったら、あの子は助かったかなって
 思ったりして。何だか捨てられなくて、ずっと持ってる」


691 前々スレ128 sage New! 2009/04/21(火) 00:13:44 ID:fITPiIyk0
………もっともAの意見では、その古びた白い着物は、
「マーキング、だと思った。何となく、ぱっと見たとき」
だ、そうでした。
どっしりした絹地で、子供が着れば長く裾を引きずるだろうサイズの
その着物には、全体に、細かい精緻な何かの文字のような文様のようなものが
ミッシリ織り込まれていたそうです。
そして、ほんのかすかに残るたきしめた香のような香りと共に、
妙に「生ぐさい」(とAは表現してました)気配と言うか、
あっちの世界のもののにおいがした、と。

Aの言では、同級生家は、Bが生還した上に中々「連れて行かれない」ので、
駄目押しに花嫁の印の婚礼衣裳をB家に持ち込んだのではないか、
と(完全に推測だけど、と言っていました)。
けれども社の主は、何か(多分、Bのアレ)に阻まれて結局はBを連れて行けず、
そして社の主が暴れた結末がそれだったのではないか……と。
……もしそうだとしたら、と考えて、非常に不快な気分になりました。
Bたち新参者の子を家へ誘った同級生家の子達は、どこまで知っていたのか。
そしてまた、思惑が外れて自分の子が連れて行かれてしまった母親が、
どんな気分だったのか。
とにかく後味の悪い話だと思います。



693 前々スレ128 sage New! 2009/04/21(火) 00:15:19 ID:fITPiIyk0
なお、B母は祭りの夜に撮影した写真を持っているそうな。
「私も持ってるよ、見る?」とBが見せてくれた写真は何枚かあり、
AはBに頼んで一枚借りてきたそうで、ご丁寧に俺に見せてくれましたorz
……白い着物の幼いBに、巻きつくような何本かの黒い線が写ってる写真を。
「ピンボケの木の枝が映り込んじゃって、心霊写真みたいでしょ」
とBは言ったそうですが、木の枝よりは黒いでかい手がBを掴んでるように見えました。
ついでに、Bの姿の輪郭の外まわりがグレーっぽくぼんやりして見えるのは、
「白い着物を着てるから」(B談)と言うよりは、あの井戸のミニハウスの一件で
見たモノの掴み所のない姿に似ているような……。

……B母は、数年前、友人にさそわれ、ちょっとしたおふざけで、
霊能者にその写真を見せたことがあるそうです。霊能者は、
「この少女は、強い強い山の霊に魅入られています。気の毒ですが、
次の誕生日を迎えることはないでしょう」
と言い切ったとか。
「今は大学生ですよーって言うのが気の毒で、はあそーですかって帰ってきちゃった」
とB母から聞いて、2人で吹き出しちゃった、とBは言ってたそうです。

憶測ばかりのハッキリしない話でなんだが、以上です。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:05Comments(0)巣くうものシリーズ(怖い話)

2010年03月13日

原発並み~巣くうものシリーズ③

原発並み


226 前スレ128 2009/03/25(水) 01:54:17 ID:0Ytq6ABA0
スレ208で、井戸の底のミニハウスと学生時代の女友達Bに住み着いてるモノの
話を書いたものです。

・「みえるひと」な女友達Aの言では、Bの身体を出入りしている何か
 普通の霊と違うものがいる(寄生虫?居候?みたいな状態らしい)。
・B本人は気づいてないが、霊的なものは大抵それを避けるから、Bは心霊体験できない。
・とりあえず当時のAが知る限り、ソレはBを守っていた。
・でもAが感じる気配では、とても善意の守護ではない。っていうか悪い感じらしい。
・強力な霊とBのナニかが戦うときにはB当人は爆睡するっぽい←Aの推測

ここまでは前のスレで書きました。
それを前提として、当時、女友達Bの元彼氏(Eとします)に聞いた小話を思い出して投下。

Eは一度、Bを実家に連れて行ったそうです。
そしたら、今までの歴代彼女には親切で礼儀正しかったE姉が、
Bに対しては非常に失礼だったそうな。
無茶な因縁をつけて頭からお茶をかけたり、口汚く罵ったり、
失礼というよりイジメのレベル。
とにかく酷くイライラした感じで、ついにEは姉を台所へ呼び、
Bを部屋へ残して、E母とEとで責めたんだそうだ。
そしたらE姉の言い分が、
「裏のお墓の仏様が、みんなして狂ったように暴れて怖がってる!
あんな女が家の中に居るだけで私だって嫌だ!!」
と、こうだったそうだ。
EもE母も呆れて相手にせず、あまりにE姉が言い張るので近い内に心療内科へ
連れて行こうかと考えつつEは話を切り上げてBのところへ戻った。
そしたら、なんと、Bは座布団枕に寝てたんだと。
幾ら起こしても起きないBにもE母は呆れ返り、
しかもE姉は追い出せ追い出せとうるさいので、とりあえずEに告げてBを連れ出させ、帰らせた。


227 前スレ128 2009/03/25(水) 01:55:00 ID:0Ytq6ABA0
ここまでなら単なる女同士のイビリなんだが、その後があった。
……E姉が言った通り、E家の裏には広めの墓地(その向こうに寺も)があり、
EがBを車に乗せて走り去った次の日、その墓地で大騒ぎがあったそうだ。
一夜にして倒れた墓石、数十個。
真っ二つになったのやらヒビが入ったのやら、削り取られたように表面の文字が消されて
たものまであり、幾つもの墓石が偉いことになっていたとか。
その後、Eが実家付近の噂をE母から聞いたところでは、
何でも幾つかの家が何度墓を直しても倒れる。一軒の家が霊能者を頼んだところ、
「ダメですね。何度お墓を直しても、もうご先祖様を呼び戻して安らかに眠らせることは
出来ません。……お気の毒ですが、今後の埋葬には別の場所を探された方が良いかも
しれません」
と言われたとか。

……Bの「ソレ」と墓地の仏様がモメたんだろうか。
ってか、E姉はみえるひとだったのか。
「ソレ」ともめていなくなっちゃった仏様はどこにいったんだろう?と
その話を聞いた後でAに尋ねてみたら、
「考えたくないから。てか、凄い気の毒だよね。マイホームで寛いでたら
 お隣に原発が移動してきたみたいな状態だったと思うよ、その人たちにしたら」
……確かに考えたくない事態だな、と思いました。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:04Comments(0)巣くうものシリーズ(怖い話)

2010年03月13日

呪いの部屋~巣くうものシリーズ②

呪いの部屋


89 前々スレ128 2009/04/08(水) 23:46:50 ID:nAJ5XbKe0
スレ208で、井戸の底のミニハウスと学生時代の女友達Bに住み着いてるモノの
話を書いたものです。
また続きの話が、しかも今度は新しく舞い込んで来ました。
以下、前スレと同じく状況説明(前スレのコピペで失礼)。

・「みえるひと」な女友達Aの言では、Bの身体を出入りしている何か
 普通の霊と違うものがいる(寄生虫?居候?みたいな状態らしい)。
・B本人は気づいてないが、霊的なものは大抵それを避けるから、Bは心霊体験できない。
・とりあえず当時のAが知る限り、ソレはBを守っていた。
・ でもAが感じる気配では、とても善意の守護ではない。っていうか悪い感じらしい。
・ 強力な霊とBのナニかが戦うときにはB当人は爆睡するっぽい←Aの推測

何でも、Aが、もう1人学生時代の友人(Fとします)に誘われて、
二人でB宅を訪問してきたそうです。
「何か」が今もいるのか、そして何よりBの子供は普通なのかどうかが知りたかったと。
最も帰ってきた後の話を聞くと、
「……行くんじゃなかった……」と言ってましたが。

Aによると、Bは郊外のやや長閑なところに住んでいて、喜んで迎えてくれたそうです。
休日だったので、B夫と子供も居て挨拶したと言っていました。

そして結論から言って、やっぱり「何か」はBの中に居たそうです。
……しかも、A曰く「育ってた」と。
大きくなってたと言うか強くなってたと言うか、ハッキリしてきてたと言うか。
「やっぱり形とか顔とか、そういう輪郭は見えないんだけどね。
霧だとしたら『濃くなってた』、人影だとしたら『立体的になってた』って感じで。
気配も強くなってて、撒き散らす匂いっていうか放射能みたいなものが増えてた感じで、
正直ぞっとした」


90 前々スレ128 2009/04/08(水) 23:47:30 ID:nAJ5XbKe0
また、AとFが最寄り駅に降りたときから、街そのものが酷く嫌な感じが漂ってたそうです。
「みえるひと」でないFさえも落ち着かない様子で、
「……何だか変わった感じするとこだね。子供が多いわりに静かだからかな?
少し早いけど、お店入るよりBの家いかない?」
と言うほどだったと。
Aは、Bの家に向かう間の短い道すがらに、霊的に酷く悪い状態のものを驚くほど大量に
見たそうです。
酷い死に方をして浮かばれないんだ、と一目で判るのとか、性質の良くない動物霊とかが
もうウヨウヨしていたと。
正味の霊だけじゃなく怨念じみた空気の塊?みたいなものとか、物凄く古そうな嫌な気配とか、
得体の知れないモノが寄って来たりして、本気で怖かったそうです。

「街が邪念にまみれてるみたいで怖かった。1人だったら引き返してたと思う。でもFに
 霊の話とかして変だと思われたくなかったし、もう後ろに憑いてきちゃってるのも
居たみたいだったから。Bの家に行けば何とかなる、と思って、そのまま行った」

それで急いでB宅に着くと、その中には相変わらず何も近寄れないらしく、
B宅内はBの背負ってる『何か』の気配が充満してる他は綺麗なもので、
むしろホッとしたそうです。

「B夫もBの赤ちゃんも普通だったよ。ただ、そっち系について物凄く感受性がない人だった。
 元からいいものも悪いものも全然感じなくて、だからどっちの影響も受けなくて、
一生『こっち』の現実の世界だけと関わって生きる人が、たまに居るんだよね。
Bと一緒に暮らすなら、そうでないとダメだと思う。B夫も赤ちゃんも、守護霊が
見えなかったから。守護霊もあの家に居られなくて、いなくなったんじゃないのかな」

……守護霊いないって、大丈夫なんだろうか。
2人がBと居ないときは守護霊が戻って来てるのか、とAに訊いてみましたが、
そこは解らんとのことでした。


91 前々スレ128 2009/04/08(水) 23:48:24 ID:nAJ5XbKe0
何はともあれ、久しぶりに会ったんで互いに近況報告したら、
Bの趣味、と言うか怪談好きも健在だったそうです。

そこそこ新しく、立地も良く広々として立派な部屋だったので
Fが誉めると、何とB宅は、札付きの瑕疵物件だったらしく……
結構な頻度で住人が変わるせいで、大して古くもないのにB一家は10何番目かの
住人だそうでした。中で事故や自殺が複数あり、他にも不幸があって出て行った住人が
いたりして評判の部屋になってしまっていたため、家賃は破格の安値だったとか。

「不動産屋さんも案内してくれたけどあんまり勧めて来なかったしね~。
 近所の人も知ってて、『本当に大丈夫?あのね、何かあったら
 無理に我慢しないで引越した方がいいよ。こんな話して悪いんだけど、その部屋、
色んなことがありすぎるから……気をつけてね』って心配されちゃったよ。
でも、この人(B夫)そういうの全然気にしないし、私はむしろ幽霊いるなら
 見てみたいし~」

のほほんと笑いながらBは言ったそうでした。

「でも結局、そういうのって話ばっかだよね。うち、もう半年住んでるけど、
 全然なにもないよ。近所でも事故とか結構あるし、踏み切りではねられちゃった
子供もいたし、気をつけなきゃ危ないのは同じなんだよね。偶然この部屋の
人に集中したから、呪いの部屋にされちゃったんだろうね」

……Fは「そうだよね」と頷いたそうですが、Aは顔が引きつるのをこらえるのが
やっとだった、と言っていました。


92 前々スレ128 2009/04/08(水) 23:50:14 ID:nAJ5XbKe0
A曰く。
おそらくその部屋は、本物の『呪いの部屋』だったんだと言う事でした。
何かのきっかけで悪いものの溜まり場になってしまう場所、というのが
あるんだそうです。
霊的な位置関係とか、近くに沼や海があるとか、その方向とか色々な
ことのせいで、悪いものを吸い寄せて溜め込んでしまうポイントが
できてしまうことがある、と。
「それが建物の中で気密性の高い部屋だったりすると、よけいに溜まったものが
 出てかなくなるの。そこに悪いものが溜まるから他の場所が綺麗でいられる、
ってこともあるから。……そこにBが住み始めたんだよね、いきなり」
それは、つまり。
Aの表現したところでは、

「町中のゴキブリとかムカデとかスズメバチとかを全部集め続けてきた害虫で一杯の
小屋の真ん中で、不意に特大のバルサンをたきまくったようなもの」

だそうでした。そしてAは、こうも言っていました。
「Bのことが嫌いなんじゃないけど、2度とBの家にもあの辺りにも行かないと思う。
 ……もっと散らばったりして落ち着いた状態になるまで、何年もかかりそうな
 様子だった」

Aの言では、B夫とBの子供は大丈夫だろうということでした。
一緒に暮らしている限り、Bの「何か」の気配が色濃く染み付き続けるから、
大概のものは避けていくし、そもそも霊的なものに害を受け難い性質だから、と。
現に、帰りにB夫が外出のついでに駅まで送ってくれた時には、道にたむろしてる悪いものは
むしろ避けていたそうで。

……問題は、おそらく付近に住んでいる人だろう、と……
何か、後味の悪い話になってしまいました。



164 前々スレ128 sage 2009/04/10(金) 22:10:05 ID:/HAb2av10
読んでくれた人、どうも。
後味悪くてすまん。

俺も何かスッキリしなくて、吐き出したかったんだ。
多分、Aもそうだと思う。
Aは「みえるひと」だけど、だからって漫画に出てくる
スーパー霊能者みたいなことはできないんだと言ってました。
絶対に勝てない、何もできないと解ってるものには関わらないようにしてる、
いちいち手を出してたら今まで生きのびてない、ともらしたのを
聞いた記憶があります。

ただ、何も見えないのに危険は自動的に防がれるBは羨ましくないか、と
重ねて尋ねた時には、重そうにハッキリと首を横に振ってました。

「絶対に、思わない。あんなモノに身体の中に住みつかれて自分で気づいてない、
 なんて死んでも嫌。上手く説明できないけど、結果として助けて貰ったことが
 あっても、アレは感覚が受け付けない」

とのことです。


165 前々スレ128 sage 2009/04/10(金) 22:11:30 ID:/HAb2av10
普通の霊と何が違うのか、との質問に対する答えは、
「情念がない」でした。

「違和感については説明し難いけど、解りやすく言うとね。
 霊ってある意味で心が剥き出しで存在してるようなものだから、
 人でも動物でも、必ず何か色、っていうか想いが見えるんだよ。
 『生きたい』とか『苦しい』とか、シンプルなのでも。
 その情念に基づいて、こっちの世界で祟ったり守ったりするんだから。
 でもBのアレは、それが見えない。何か意思があって能動的に動いてる
 のは解るんだけど、その源になる想いが一貫して全く無い。
 Bの中から出てくる時も、Bの中に戻ってく時も、井戸から出てきたモノと
 ぶつかってた時でさえ、全くなかった。
 霊的なものとしては、絶対にありえないことなんだよ」

……本当に何なんだろうか?

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:03Comments(0)巣くうものシリーズ(怖い話)

2010年03月13日

巣くうもの~その①

巣くうもの


128 1/5 sage 2009/02/28(土) 22:08:06 ID:+BuEMFrL0
洒落コワはここでいいのか?
何年か前にあった怖い話を投下する。

そん時は俺は地方大学の学生で、同じ科の連中とグループでよく遊んでた。
たまに混ざる奴もいて、男4~6人で女4人。
一人暮らしの奴の部屋で集まって飲んでると、よく怪談したがる女の子がいた。
決まって嫌な顔する子も居て、Aとする。
こっちの子が俺とかなり仲良かった。

怪談好きな方をBとするが、Bも別に電波とかじゃなくて、
怪談も体験談はなくて、それこそこのスレで面白い話を仕込んできてんじゃないか、
みたいな怖い話をする子で、本当は幽霊とか信じてなさそうだった。

むしろAの方が「見えるんだ」と言ってて、AはいつもBを避けてる感じだった。
2人で遊ぶとかは絶対ないし、グループでも距離を開けたがってる雰囲気で、
俺とあと一人、Aの「見える」を聞いて信じてる奴(Cとする)は、
本当に霊感があったら遊びで怪談するなんて嫌なのかもしれない、と思ってた。



129 2/5 sage 2009/02/28(土) 22:09:37 ID:+BuEMFrL0
ある日、Bと仲のいい男の一人が、恐怖スポットの話を仕入れてきてた。
車で30分くらいで行ける場所にあるそうで、Bも他の連中も面白がって、
その場で肝だめしツアー決定。

来てない他の連中も呼び出そうってことになって、俺はAに電話した。
俺自身は行く気だったけどAは来ないだろうな、と思い、
「これから~~の辺りに行くってことになったんだ。ただ、肝試しだし他にも来ない奴いると思うし」
と言った。そしたら、Aは遮るように
「それって、何か大きな空き家のこと?その辺りで肝試しって」
「あ、そう。その家の裏に何かあるらしいから」
「………よした方が良くない?ってか、やめなよ。誰かの家で飲んで怪談したらいいじゃん、わざわざ行かなくても」
よりによってAに怪談話を進められて少し驚いたが、仲間たちは既にノリノリで準備中。
「いや……みんな行く気だし。Aは気が進まないなら、今回は外していいと思うけど」
するとAは少し黙って、
「………Bは行くの?」
「行くよ。一番、やる気満々だし」
「……そうなんだ……じゃ、私も行くから、ちょっと待ってて」
たまげたことに、Aは本当に来てBと一緒に車に乗った。
結局これない奴も居て、総勢6人で、一台(ワゴン)に乗って出発した。

Bは少しKYなとこがあって、Aに距離置かれてるのもあんまり解ってないっぽく、
車中で初めは面白そうにお喋りし続けてたが、すぐに欠伸をし始めた。
「バイトとかで疲れてんのかなー。眠い~」
 眠そうに呟くBに、Aが
「寝てなよ。着いたら起こしたげる」
「ありがと。ごめん、少しだけ寝る」
Bは運転してる奴に断ってうとうとし始め、Aは黙って窓の外を見てた。


130 3/5 sage 2009/02/28(土) 22:12:26 ID:+BuEMFrL0
で。着いたときもBは起きなくて、もはや完全に熟睡。てか爆睡。
「寝かしとく?」って俺らが顔を見合わせたら、Aが
「連れてくね。後で怒るよ、置いてったら」
ってBを担ぎ起こして、強引に車から出したんだよ。
仕方ないからCが背負ってやったんだけど、AはBの手を掴んでて、
他の車の奴らが降りてきたら、一番先頭に立って歩いてった。

そこにあった古い家は、普通に不気味な空き家で、皆は結構もりあがって、
「うわー」とか言ってた。Bは起きないまま。AはBの手を掴んだまま。
いよいよ本番で、家の後ろに回ったら、何かぽつんと古井戸みたいなもんがあった。
近寄ってのぞいて見ると、乾いた井戸の中に、ちっちゃな和式の人形の家みたいなもんが見えた。
「何だー?」って一人が身を乗り出したのと、Aが
「さがってっ!」て叫んだのが同時だった。
覗いた奴がびびって身体ひっこめた、そのすぐ後に、
「カシャ……」だか「ズシャ……」だか、何か金属っぽいような小さな音がした。
「下がって!下がって!こっち来てっ!」
Aが喚き出すまでもなく、もう何か、すごい嫌な感じが一杯だった。
カシャカシャ、ガシャズシャ、て変なジャリジャリした音が、
しかもどんどん増えながら来るんだよ。
その訳解らん井戸の中から、
こ っ ち に む か っ て 。

もう逃げたいのに身体が動かなくて、横見たらやっぱり仲間がへたってるし、
音は近づいてきて、姿は見えないけど絶対に何か居たと思う。
「俺君、もっとこっち来て!!!!」
Aが怒鳴りながら俺の手を掴んで、何かを掴ませた。
俺が掴んだのを見たAは、今度は少し横でヘタってる奴を必死で引っ張って、
また何かをつかませてる。
てか。よく見たら、俺が掴んでるのはBの右足。さっきの奴が掴んだのはBの左手。
Bの右手はAが掴んでる。Cは相変わらずBをおぶってる。AはBから手を離さずに
必死に他の仲間を引っ張り寄せてた。


131 4/5 sage 2009/02/28(土) 22:15:58 ID:+BuEMFrL0
その後のことは、色々とよく解らなかった。
ただハッキリ覚えてるのは、気がついたら、目の前に何かがいたこと。
白いんだかグレーなんだか透明なんだか、煙なんだか人影なんだか、何か良く解らない「何か」が俺らの前に居た。
ちょうどその辺りから、ガシャガシャガシャガシャガシャ、ズシャズシャズシャズシャズシャ、みたいな金属音が耳一杯に響いてきてた。
いや、こう書くとその煙みたいなもんが金属音立ててたみたいだけど、そうじゃなかった。
俺らは「煙か人影みたいなもん」の背中を見てて、それが「見えない金属音の奴」とぶつかり合って止めてるんだって、そういう光景だった。

「俺君、C君、動ける?逃げよ!!速く逃げようよ!」
Aが叫んで、俺らは必死で身体を動かして車へ向かって、何とか乗り込んで逃げ出した。
Cがハンドルを握る車の中で俺が振り返ったとき、もう何も見えなかったけど、金属音だけは結構長いこと耳に残ってた。

その後。結局帰り着くまで熟睡こいてたBに「何も出なかったから起こさなかった」と
説明して帰らせた後、皆で震えながら明け方まで飲んだ。

数日後にAを捕まえて経緯を聞いたら、げんなりした顔でいろいろ教えてくれた。
あの古井戸がマジで危ない本物だったのは予想通り。
「家の正面に居る分には大丈夫だけど、裏に回って井戸まで見たらダメ」
だそうだった。
問題は俺らを助けてくれた妙な影なんだけど、Aは凄い嫌な顔で、
「あれはBの……何ていうか、ついてるものなの」と言った。
AがBを避けてたのは、嫌いだからじゃないそうだった。
ただ、Bに纏わりついてるものがいて、それが凄く強くて薄気味悪いものだったんだと。
で、初めはBに取りついてる霊か、と考えたがどうしても違和感があって。
ある日、Bから出てくる『それ』を見て、不意に気づいたんだそうだ。
『それ』は『Bの中』にいるんだと。
「……Bがあれのいる世界に繋がってて出入り口になってるのか、それともB自体があれの棲む場所なのか、どっちかだと思う」
Aもよくは解らないようで、とにかくそれはBから出てきてまた戻っていくんだと言っていた。他の霊的なものは全部Bを避けるそうで、多分あれのせいで近寄れないんだとも。


132 5/5 sage 2009/02/28(土) 22:18:40 ID:+BuEMFrL0
「あれは私たちを守ったんじゃないし、Bのことも大事だとかじゃないと思う。ただ、ドアとか家が壊れたら困るでしょ。だから」
何とかした方がいいのか、と思っても、Bは本気では霊を信じていないようだったし、普通の霊じゃないから払えるとも思えなかった。
だから放っておいたけど、自分は近寄りたくなかったんだ、とAは言った。
ただ、『それ』がBを深刻な危険から守っているのは知っていた。
そして、あの日俺らが本当に危ない場所に行くと感じて、止められないならBの中に居る『それ』に守ってもらうしかない、と考えてついてきたのだという。
「あれが守るのはBだけだからね。少しでも離れたら、井戸から来てた方に憑かれて人生終わってたよ。俺君も、他の皆も」
言われて背筋が寒くなったのを紛らそうとして、
「……でも、何だろうな?Bについてるのって。結構よくないか?結局守ってくれるんなら」
そう言ったら、Aは羨むような蔑むような複雑な眼を向けてきた。
「あのね俺君。お腹に住みついた寄生虫が孵化するまでは守ってくれるって言ったら、
それって嬉しい?」
「……」
……何となく、言いたいことが解った。
Bに巣くってるモノは、とにかく自分だけの都合でBの中に居座ったり顔を出したり
するわけで、ひょっとしたらBから何かを奪ってるのかもしれないわけで。
いつか自分の都合でBをぶち破って出て行ったりするかもしれないわけで、
その時には周りにも影響するかもしれないわけで、しかもBは本気で何ひとつ全く気づいていないわけで。
「放っとくしかないんだよね」
そう言ってAはため息をついた。
「井戸から出てきた方も、凄かった。神様が最悪の状態になったみたいな感じだった。
並みの霊能者とかじゃ負けちゃうだろうって思うくらいの奴だった。
あんなのと渡り合える、Bの『あれ』も、どうせ何やってもどうもできない」


133 6/5 sage 2009/02/28(土) 22:19:22 ID:+BuEMFrL0
収まりきらなかったorz

それから時間が経って、俺もAもBも社会人。
ふと思い出したんで、投下しました。
ちなみに、理由はBから連絡あったから。
結婚した上に子供も生まれて元気にやってるそうです。
Aに電話してそう言ったら、
「Bが寿命になるまで、あれが大人しくしててくれたら、それが一番いいよね」
と言ってたところからして、Aは、Bが今もあれを背負ってると確信してるようです。

普通の霊と違う、そして人間の『中』に居る『何か』って、
何なんでしょうね?いや、井戸の底のミニハウスから来た金属音も気になりますが。
どっちでもいいんで、誰か心当たりでもあったら、教えて下さい。
長文すみません。以上です。



571 128 sage 2009/03/09(月) 21:21:31 ID:kbdf71FY0
上で井戸の底のミニハウスと、知り合いの中に住んでるモノの話を
書いた者です。
タイミングの悪いときに書いたようで、残念でした。
おまけに、その後アクセス規制に巻き込まれたorz
オカ板に何か知ってる人でもいないかな、と考えたのですが。

余談ですが、Bは怪談と共に時々、
「本当の霊体験がしてみたい!一度もないんだよね」
と言っていました。
上の話の前後にも肝試しやらコックリさん系の遊びやらを試してみていた
ようですが、全敗らしかったです。

後にAが言ったところでは、
「無理だと思うよ。アレはB本人には見えないようになってるみたいだし、
 他の霊は、霊感のあるなし以前に、全く何もBに近づかないから。
 井戸のあの音はちょっと並じゃなかったから、近づこうとしたんだろうけど。
 だからBのアレも、Bを眠らせて全力でやったんじゃないのかな。これは想像だけど」
そう言えば、あの夜はAがあんだけ叫んだのにBは眼を覚ます気配もなかったな、
と思いました。

なお俺は、それより前にBが雑談で、
「家で一人でコックリさん(みたいな何か心霊系の遊び)したけど、反応ないし、眠くなってそのまま昼寝しちゃった。あーゆーのって中々、成功しないね」
と言うのを聞いた記憶があります。
……いや、成功してたんだったりして……というか、だとしたら、
その時は何が来てたんだか……
  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:01Comments(0)巣くうものシリーズ(怖い話)

2010年03月11日

泣ける話 25 萌えた父親のエピソード

No.482 うっかり萌えた父親のエピソード 4 より


246 :おさかなくわえた名無しさん :2006/06/11(日) 14:15:05 ID:cV+9y1NB

久々実家に帰って、母とテレビを見ながら
「倖田來未のDVD欲しいんだよね~」
なんて何気なく会話してたりした。

そんな会話してたのなんか忘れてた 数日後…
自分で録画したであろう、倖田來未のDVD(PVとかではなく金スマやタモステ) が父から届いた。

ほしいって聞いたので送ります。父さん

西郷高盛みたいな父が倖田來未を録画する姿を想像して萌えた。

そしてちょっと泣いた。



145 :おさかなくわえた名無しさん :2006/05/23(火) 04:26:38 ID:2vthEk7W

高校で停学処分の前に学校に呼び出しを受けた時、普段車でしか移動しない父が電車で行くと言った
私がいつもどういう道のりを通っているか知りたかったらしい
無口で厳格な父が切符を買うのにあたふたしたり改札で戸惑ったり満員電車で慌てている姿を見て、なんだか切ないというか愛しくなった
と同時に申し訳ない気持ちでいっぱいだった
今でもその時の父の姿思い出すと切なくて泣けてくる

147 :おさかなくわえた名無しさん :2006/05/23(火) 06:13:39 ID:TcJREWMz
この前父さんとバッティングセンターに行った。
病院の帰りに、私の気を晴らそうとしてくれたんだろう。

やってみたら意外にハマっちゃって、80キロまでの球ならたまにしょぼしょぼ当たった。
で、父は120キロに挑戦。
そりゃもう凄くて全部「カキーーーン」と飛んでいく。
で、「すごい!!パパすごいっ!!」と褒めたら
普段厳格な父は「いや、まだまだだよ。」なんて言いながら(ノ´∀`*)←こんな顔してたww

彼氏が出来てから半年振りにまともに喋ったよ、パパン大好きだよ。

ちなみにうちは三人娘に、一人息子だが息子には厳しく、姉と妹には優しく、私は猫っ可愛がりw
「短気で頑固なとこが俺に一番性格似てっからな……あいつ(私)もいいとこあんだよ。」と母親にしょっちゅうこぼしているらしい。

ごめんねパパン、たまには実家帰るよ。



214 :おさかなくわえた名無しさん :2006/06/05(月) 05:58:57 ID:PVEvk6jI

自分の話じゃなくて恐縮なんですが、友達のパパンに萌えた。
「旅に出る」と一言いって急にいなくなったらしい友達の父。
そんなことは初めてだったらしくみんなたいそう心配したそう。

しかし、3日後くらいから葉書が毎日届いた。
「7月23日。父は釧路の港に降り立ち候。薄く煙った霧にかすむ海。」
みたいな堅苦しい感じの文章なんだけど、自分でかいたイラスト入り。
しかも毎日、何を食べた。どこに泊まった。温泉に入った、等事細か。
友達もその絵入り葉書を大事にアルバムに保管してて、見せてくれた。
なんか、ぐっときました。



272 :おさかなくわえた名無しさん :2006/06/12(月) 14:02:29 ID:v6h5YCwY

元々,食の細い父ちゃん。
よくそれだけで,あんな肉体労働できるね?って不思議なくらい。
この間も母ちゃんが「豆腐と枝豆くらいしか食べない」といっていたので,実家に帰った時にハンバーグを作った。
あまり良い出来ではなかったけど,よく食べておかわりまでした。

「美味いから久々によく食べれたよ」と苦しそうにいう父ちゃん。
泣かせるつもりだったのに,泣かせないでくれよ。



357 :おさかなくわえた名無しさん :2006/06/19(月) 16:11:23 ID:b5t0U7jI

書斎に飾ってある絵画の額裏に
私が小さい頃描いた父の似顔絵が貼ってある事を、最近私は知った。

定年退職祝いのプレゼントをにこりともせずに受け取る無愛想な父だが、
時々その絵を見ては、ニヤニヤしているのだと母が教えてくれた。

「ばは だすき」と書かれたその絵に覚えはないけれど、
にこやかに微笑むその顔は知っている。



537 :おさかなくわえた名無しさん :2006/07/11(火) 12:48:01 ID:CzReXlWI

最近気づいた。

子供のころ工作で父ちゃんと願いの叶う箱ってのを自分で作った。
その箱に「500円ほしい」とか「お好み焼き食べてみたい」とか紙に書いて入れておくと
数日中に思わぬお小遣いがもらえたり、お好み焼き屋に連れて行ってもらえていた。
スゲー神様いるんだー!って喜んでたけど
神様は父ちゃんだったんだな・・・。

願いの叶う箱は近所の友達にあげちゃった。
「すごいよ!願い事が叶っちゃうんだから!」とか言って。
もったいないことしたわ。



744 :おさかなくわえた名無しさん :2006/08/06(日) 17:08:04 ID:qm43kBIC

光学式のマウスを買った父。
ブックカバーをマウスパットにしていたので、子犬の寝顔のマウスパットをプレゼントしました。
で、こないだ実家行ったら相変わらずブックカバーを使っているので、母親に事情を聞いたら
「だってマウス上に置いたら見えなくなっちゃうでしょ?」
と言って使わなかったらしいのです。
マウスパットは、窓辺に写真のように飾られていました。



811 :おさかなくわえた名無しさん :2006/08/10(木) 23:37:59 ID:GY0PjiOT

私が小学校5年の父の日。父に買い物に誘われた。
普段から父とは仲良しだったので、喜んでついていった。行き先は御徒町。

どこに行くでもなくプラプラと歩いていたら露店でバッグ類を売っていた。
覗いてみると旅行用の大きな、でも薄っぺらい、お人形がたくさん描いてあるバッグがあり、手にとって見た。

「買うか?」
「いいの?でも今日は娘の日じゃなくて父の日だよ?」
「父の日だから子供に買ってあげるんだよ」

この会話をはっきりと覚えてる。
いいのかなーと思いながら、ニコニコ顔の父に買ってもらいました。

自分が親になった今、父の気持ちが分かります。
娘の笑顔が嬉しかったんだろうなぁ。
流行遅れでボロボロのバッグは、未だに捨てられません。
いや、一生とっとくんだろうな私。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:59Comments(0)泣ける話

2010年03月11日

泣ける話 24 二度と会えない友達

.483 二度と会えない友達 より


32 :大人になった名無しさん :03/10/26 03:08

小学校の時ラオスの難民の子達が何人か編入され、そのうちの二人と友達になった。
卒業し、中学生になった時、2人とは離れ離れに。
一人は学力が追いつくまで他の小学校に再編入。
もう一人は在学中に白血病で亡くなった。
枯葉剤というものの恐ろしさを知ったのはその時だった。
薬の副作用で髪の毛が抜け落ち、学校生活の半分を保健室で過ごしながらも一生懸命日本語を勉強していた彼女。
2年ほどの短い付き合いだったけど未だに忘れられない。



197 :大人になった名無しさん :04/06/03 21:50

5年前、仕事で一年間インドネシアのアチェに派遣された。
そこで18歳の青年と仲良くなり、同僚達と一緒に彼が働いてる店によく飯を食べにいった。

彼は母親と6歳年下の妹の3人暮らしで、父親は7年前に国軍との戦闘で戦死してしまったらしい。
夢はでっかい店を建てて母と妹に裕福な生活をさせてやる事だとよく言っていた。

派遣されて11ヶ月が過ぎた頃、我々のキャンプに彼がやってきた。
仕事が終わって帰ったら母と妹がいなくなっていたらしい。
俺は同僚達と共に周辺地域を朝まで捜索したが結局見つからなかった。

彼のもとに母と妹は二度と帰ってはこなかった。
俺と同僚達は一年が経ったので帰還した。
非常に後味が悪い仕事だった。

2年後、我々の依頼人であった人物からメールが届いた。
母と妹を失った青年は、我々が帰還してすぐGAMに入ったらしい。
そして、その青年は父親と同じ運命を辿ってしまった。



289 :1/4 :04/10/07 15:58:56

小6の春から3年間同じ塾に通って高校受験を一緒に乗り越えた奴らは男女も越えて、友達というよりは仲間・・
「戦友」という言葉がしっくり来る。

あいつらと出会ってもう10年になるのかな。
私が鬱病で毎日死にたくて苦しんでいた時、一人が
「あんたがたとえ鬱病でも人殺しても借金まみれになっても、味方だから」
って言ってくれたりした。

高校受験で、成功した奴も失敗した奴もいたけど、
もう二度と会えないのは、失敗して大学の付属に行った中の一人の男の子、T君。
第一志望に彼より成績がちょっと悪かったような奴が受かったりもしたのに
笑顔で「おめでとう!良かったな!」って言っていた。
高校に入っても、お互いの文化祭に行ったり、集まって遊んだりして月日は過ぎた。

高3の冬、12月の寒い日だった。
私は受験を控えて、学校が終わった後ミスドで勉強してた。
そこに、仲間のひとりの女の子Aから電話。
「お、ひさしぶり~^^ 元気~?」
能天気な私の言葉に、返ってきたのはそれを打ち砕く一言だった。

「さっきね、T君が亡くなったらしいんだ」

「・・は?う、嘘でしょ?なんで!?」
想像だにしていなかった私は、ドッキリでひっかけようとしてるのかとさえ思った。

「私もT君がずっと入院してたの昨日知って、
 明日お見舞い行こうって約束したばっかりなんだよ・・まさか今日死んじゃうなんて・・」

「は!?入院なんてきいてないよ!?」

「みんなは受験があるからって、私たちに心配かけないように秘密にしてたらしいんだ。
 入院してるって、昨日T君の学校の人からきいて知ったんだよ。 ・・本当に信じられないよ」

「嘘でしょ・・・」

信じられなかった。
私と同じ年の、18歳の、仲間が、T君が、病気で、死んだ?
頭が真っ白になって、お店の中の雑音も遠くに聴こえた。
もちろん勉強どころじゃなくなって、仲間内に電話をかけまくった。
連絡をとりあって、みんなでお通夜に一緒に行くことにした。


お通夜の日。
色々な制服で集まった。
高校の制服姿の参列客が列を作っていた。
T君は、遺影の中でいつも通り笑っていた。
お焼香の順番が回ってきて、T君そっくりな弟を見たとき涙が溢れた。
泣いている私に向かって、お母さんが深く頭を下げてくれた。

みんな、若い友達が死ぬということに現実感がなかった。
私たちはケンタッキーに行って、学校のことや受験のことを喋ってバカなことをやって、いつも通り笑い合うことしかできなかった。

通夜帰りに笑うなんて不謹慎かもしれない。
でも、どうしても、誰も、T君のことに触れられなかった。
信じたくなかった。
もう会えないなんて、もう話ができないなんて。

お見舞いにすら行けなかった悔しさが胸に渦巻いた。
喋ったら、その瞬間に本当のことになってしまいそうで。
笑っていないと、悲しみが堰を切ってしまって耐え切れないだろうことがみんなわかっていたから。

帰り際、一人の男の子がポツリと言った言葉は今でも忘れない。
「もうこの先50年は、この中の誰も死ぬな。約束だからな。」


T君が亡くなって、もうすぐ4年。
いつもの仲間と飲みながら、ようやくT君の名前が出せるようになってきた。
香典返しに同封されていたテレホンカードは、
今でも未使用のまま財布の中に入れて持ち歩いています。






627 :大人になった名無しさん :2006/03/32(土) 10:04:40

別れの季節から、出会いの季節へ。
どうか、あの人に会えるように。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:53Comments(0)泣ける話

2010年03月11日

泣ける話 23 思い出の一本

No.487 思い出の一本 (   )y-o O O より


710 :名無しは20歳になってから :04/03/09 23:01

大好きな叔父さんがいた。
柔道をやってた叔父さんはガッチリしてて、酒も強かった。
少し酒臭かったけど叔父さんの膝の上が好きだった。
ずっと兄が欲しかった親父も「兄貴」と親しんでいた。
叔父さんは俺の誕生日にいつも欲しい物をくれた。
遠慮がちの子供だった俺は親にも欲しい物を言ってなかったのに、
どういうわけか俺の欲しかった物をピタリと当てて買ってきてくれていた。
小学校最後の誕生日に叔父さんが家に来た。
「はい。誕生日おめでとう。」と渡されたのは安いトランプだった。
全然嬉しくなかったのに俺は一生懸命笑顔を作って「ありがとう」と言った。
残念がってるのにそれを隠そうとする俺を見た叔父さんは「男だな、お前は。」とニコっと笑って、
後ろに隠していた当時並んでも手に入らなかったスーパーファミコンとソフト3本を手渡してくれた。
そんな意地悪をする叔父さんが憎かったけど大好きだった。
叔父さんが次の日、突然失踪した。
原因は当時わからなかったけど今思えば納得がいく。
金があればすぐブランド物に手を出す叔母さん、そんな娘を何よりも愛する祖父。
比較的高学歴高収入のウチの家系で高卒の一般サラリーマンの叔父さんをよく思っていたのは俺と俺の両親だけだった。

いつの間にか叔父さんの失踪も記憶から薄まってきた10年が過ぎたつい先日、
大学から帰った俺が部屋に着いて煙草に火をつけて間もなく、母親が俺の部屋のドアをノックした。
「○○叔父さんね、死んだって」
ウチの家系からは誰も葬式に出なかったらしい。
俺の両親も妻や祖父に止められてどうしても出させてもらえなかったらしい。
(そもそも叔父さん側の肉親がウチの家系を憎んでいたため簡単には出れるとは思っていないが。)
俺は悲しみと悔しさで涙をこらえるのが精一杯だった。
母が俺の部屋を出るときに言った。
「あんたは覚えてないかもしれないけどね。あんたが吸ってるその煙草、叔父さんも吸ってたのよ。」
せめて煙草の火を消すまで泣くまいと思ったが、ドアが閉まってすぐに声をあげて泣いた。

火を付けただけでほとんど吸わずにフィルターまで灰にした思い出の一本。



218 :名無しは20歳になってから :03/04/08 01:15

 吸い出してから田舎に遊びに行った時、いつも帰る寸前は、軒先で吸っていました。
それを見ていた家の叔母ちゃんが、「そこで吸うと美味しいかろ、爺さんも、父さんも、
そこで、吸ってから、家を出ていったんよ」と聞いて(爺さん、父さんと一緒に吸ったことがない)
それから、弟と二人、少しでも、親父達と共通の思い出の時間がほしいと、火をつけて
吸わずに、ずっと、そこから見える風景を眺めるようになりました。



522 :名無しは20歳になってから :03/10/19 21:14

大学に入って彼氏が出来た。
私の事が好きだと言って、この人なら好きになれそうだと、押されて付き合った。
話しの流れで私が煙草を吸ってることを知った彼は、「もう吸わないで」と言った。
私はその時「付き合ってるからって指図されたくない。
○○(彼氏)の前では吸ったりしないし、関係ない。なんでそんな事言うの」
とちょっと不機嫌になった。
でも彼は、好きな人の身体を心配するのは当然だよ、吸ってほしくないと言った。
いまいちピンと来なかったけど、一生懸命そう言う彼を見て、もう吸わないと言った。
彼も以前は煙草を吸っていた人で、ヘビースモーカーの友達とバイトしていたときには
ガマン出来ずに喫煙してた時があった。
その時私は「人に吸うなっていうんだから○○も吸っちゃだめだよ」と怒った。
また彼は煙草をすわなくなった。二人で煙草はだめだよと言い合った。
今思えばそれもちょっとした束縛だったのかな。

私は彼を本当に好きになって、好きな人と一緒にいる喜びとか、愛しさを知った。
でも、私の気持ちが彼への思いでいっぱいの時に、彼の気持ちはゆっくりと冷めていった。
彼の変化に戸惑って、何度も電話したりメールを送った。
この先どうなるんだろうと思って眠れない夜を過ごした。食事も食べられなくなって、4キロ痩せた。
結局そんな毎日に疲れて、私は彼に「別れよう」とメールを打った。
彼は引きとめもせず、あっさりと私達の関係は終わった。
煙草を買って火をつけて、一緒に撮ったプリクラと写真と、二人で行った場所のチケットを破って捨てた。

毎晩毎晩泣いて、彼の夢を見て、朝起きて途方にくれる。
いつかまた、私を愛してくれる人が現れたら禁煙しようって思います…。



876 :前編 :04/05/21 08:22

では俺も一服。
数年前、姉が死んだ。白血病。煙草が嫌いで、酒は二十歳で止めていた。
2年近くも無菌室に入っていて、白い肌が自慢だったのに、死んだときは真黒になってた。
自分自身、「いつ死んでも動じない」ってつもりでいたし、通夜の夜はそうしていた。

お葬式が済むと焼き場に行った。みんなが泣く。こいつら馬鹿じゃないかと思った。
一旦家に帰り、時間を潰して、焼きあがったころにもう一度焼き場に行く。
骨だけになっていた。それを壷に入れて、箸で潰して、ぐしゃぐしゃにして蓋をする。
身長160センチの姉が高さ40センチに満たない壷に収まった。



877 :後編 :04/05/21 08:30

急に泣きたくなった。隠したくて、胸元探りながら親戚の兄ちゃんに訊いた。
「煙草吸っていいですかね?」
声が初めて震えた。兄ちゃんは困った顔で「駄目だろ」と言った。
それから自分でも止められないくらい泣いて、父親にしがみついて泣いた。

帰って、誰にも見られない部屋で吸った。
フィルターが手についた涙でふやけるくらい泣きながら。
ふやふやになった煙草の味と形。忘れられない一本です。



319 :名無しは20歳になってから :03/06/22 20:51

そいつは何も取り柄の無い…むしろ、ダメな部分しか無い奴だった。
学生時代はイヂメしか思い出が無く、小企業に入っても
仕事の失敗ばかりを繰り返しては上司にしかられる毎日。
もちろん、彼女もいなければ20になっても童貞のまま。
人生が嫌になって、とうとう首をくくる時が来た。
死んだほうが生きているよりもいいだろう、まさしく死んだほうがマシ ってやつだ。
でも、いざロープを目の前にすると恐怖でなかなか先に進めない。
死ぬ勇気すらも無い、完全な落ちこぼれ 社会のゴミ。
そんな彼は、21という若さで会社をクビになった。
死ぬ勇気も不良やホームレスになる勇気も無い。
まさしく生き地獄だった。

実家に帰り、嫌で仕方の無かった親の家業を継ぐことになった。
親はしがない町のおもちゃ屋だった。
近くの小学校の全校生徒合わせて10人もいないガキが客。
おもちゃが売れるわけも無かった。
そんなある日、親父が42という若さでこの世を去った、死因は単なる風邪だった。
そして、とうとう店をたたむことになった。
おもちゃは捨てるのはもったいないので、売ることにした。
そして、人生の転機は訪れた…

古いおもちゃのほとんどに莫大なプレミア価格がついているものが山ほどあったのだ。
そして、その日初めて 親父と同じマイセンに火をつけた。

今、その彼はマンションを買い、生活費も楽に稼いでいる
嫁も子供も出来て幸せな生活が手に入った…
親父の吸っていたマイセンをくわえて毎日親父の遺影に手を合わせて
心から感謝の言葉を並べる。
線香と1本のマイセンを立てて…

今日も俺は親父への感謝を忘れない。



335 :名無しは20歳になってから :03/07/23 23:35

高3の秋、大好きだったおじいちゃんが亡くなりました。

母方の祖父で、私は(今もですが)父と仲が悪く、あまり好きじゃなかったので
父に怒られたり殴られたりした時はいつもおじいちゃんの家に逃げていました。

高校生になってもボロボロ泣いて飛び込んでくる私におじいちゃんは何も聞かずに、
たくさん用意してあるお菓子を目の前に出しては
「そんなに泣かないでいいから、これ食べてお茶でも飲め」
と、慰めてくれました。

仕事熱心であんなに元気だったおじいちゃんも、4年前に膵臓癌で亡くなりました。
最近おばあちゃんと2人で、おじいちゃんの使っていた農作業用具の物置を掃除していたら、
見覚えのあるタバコ入れが落ちていました。
病気になってから家族に喫煙をとめられていたにもかかわらず、きっと物置に隠れて
こっそり吸っていたんじゃないかと思います。

小さい頃からいつも見ていた青いタバコ入れが物置にポツンと落ちているのを見て、
私は涙が止まりませんでした。
たまに大声で怒鳴っても、私にはいつも優しかった。
昏睡状態に入る何日か前、私に笑いかけながら言おうとした言葉は何だったのか、
聞きたいことも話したいこともまだまだいっぱいありました。

4年経った今でも、ぶどう畑に行けば、青いタバコ入れを胸ポケットに入れたおじいちゃんが
黙々と働いているんじゃないかと思ったりもします。

タバコ入れはお仏壇の引き出しにしまってあります。
いつか私が結婚して家を出ることになったら、持って行きたいと思ってます。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:51Comments(0)泣ける話

2010年03月11日

泣ける話 22 泣ける思い出

No.488 泣ける思い出話しようぜ より

134 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/02(火) 02:55:19 ID:aMjldn2b

中学の頃、学校でいじめにあっていた、教室に入れなくていつも保険室に通っていた。

いじめの事は家族にも言っていない、ただ私のワガママで保険室に通っているだけ、と教師、両親は思っていた。

いじめは段々とエスカレートし、また陰湿だった…
でも回りに心配かけたく無くて、いつも無理して笑っていた。

辛くて孤独でどうしようも無くて、死んでしまおうと決心した日、高校生の兄が修学旅行から帰って来て私にお土産をくれた。

どこかのドライブインに売っているような、キーホルダーのオルゴール、長崎に行って来たハズなのに…

幼い頃から、兄と常に一緒にいたが、兄にはいつもイジメられた記憶しか無い。
だから、長崎のお土産を私にだけはくれなかった、そう思った瞬間、学校でのイジメと重なり、私はそのお土産を『こんなのいらない!!』と投げつけてしまった…

すると、その衝撃でオルゴールがなった、題名は知らないけど
『涙など見せない強気なアナタをこんなに悲しませてるのは誰なの?』
って言う歌詞の曲が…

兄は、何も言わずにそのお土産を拾おうとしゃがんだ、兄は泣いていた。
初めて兄が泣いているのを見て、呆然としていると、兄がポソリと言った

『お前をイジメて良いのは、兄貴の俺だけだ、それ以外のヤツがお前をイジメるのは許せない、俺は知ってるから、お前が家で我慢して笑ってる事。
 小さい頃からいつも俺の前で泣いてたんだから、我慢なんかしなくて良いんだぞ。
 俺は、イジメてばかりの兄貴だけど、他人に妹をイジメられて黙っていられる兄貴じゃないからな。』



138 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/02(火) 04:19:47 ID:aMjldn2b

その言葉を聞いて、私は号泣、学校のイジメの事を全て吐き出しました、泣きすぎて喘息で咳き込みながら、全部…

兄は横に座って聞いてくれていました。
全部話し終わると、『よく頑張った』と一言言って頭をポンポンと撫で、
『今日は寝ろ、明日は学校行かなくて良い』 と言って部屋から出て行きました。
暫く一階で母親と兄が会話している声が聞こえてきました。

翌日から暫く学校を休み、再び登校すると、イジメはかなりされなくなっていました。
教師に聞くと、兄が中学の教員室に乗り込みぶちギレて行った様でした。
高校の生徒会長が乗り込んで来た為、教師も慌ててイジメに関して動き、結果私を含め多人数がイジメの被害にあっていた事も判明しました。

その何年か後、私は旦那と知り合い、結婚式を挙げた時、兄貴は
『小さい頃から、俺は妹をイジメて泣かして来た、
 でも、お前をイジメるヤツは俺は許さない、
 どうかこれからは、俺の変わりに守ってやってくれ。』と…


兄ちゃん、今日は兄ちゃんの結婚式だよ、お返しに今日は私が兄ちゃんを泣かすから。



139 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/02(火) 11:34:21 ID:XpSTD73+

涙など見せない強気なアナタを~

『元気をだして/竹内まりや』




100 :おさかなくわえた名無しさん :2007/09/09(日) 07:37:01 ID:bAHHBoA+

昨日娘の一歳の誕生日でした。

朝、誕生日の支度をしていると母が一つの古い包みを持って来ました。
包装紙は黄色く変色し、リボンもクシャクシャなソレを母は私に渡すと、『お父さんからだよ』と一言言って、奥の部屋へ行ってしまいました。


お父さんからって…お父さんはもう12年前に亡くなったじゃないか…と思いながら包装を解くと、木彫りのオルゴールが出て来ました。
蓋を開けると、メッセージカードが入っており、ソレには


『お爺ちゃんの孫へ、 あなたのママが生まれた日、このオルゴールを見つけました、いつかはあなたのママもお爺ちゃんの様に親になる日の為に、このオルゴールを送ります。 パパになったばかりのお爺ちゃんより。』


生きてる時、随分気の早い性格な人だったと覚えていたケド…
こんなに気が早いなんて、亡くなる前に母にこの包みを渡して『孫が出来て、一歳の誕生日に渡してくれ。』と頼んだらしい。

ありがとう、お父さん。



236 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/26(金) 22:11:09 ID:vBWJM1zv

交通事故に遭って左半身に少し麻痺が残り、
日常生活困るほどではないけど、歩くとおかしいのがばれる。

付き合い始めの頃、それを気にして一歩下がるように歩いてた私に気付いて
手をつないで一緒に並んで歩いてくれた。
家に帰ってから訳を聞かれて「○君に恥ずかしい思いをさせたくなかったから」
って言ったら「どうしてそんな考え方をするんだ」と怒られたので

「大好きだった○君と付き合えてるだけで幸せだから。
 私と付き合うことで○君に少しでも嫌な思いをさせたくないから」
と言ったら泣きながら私の両手を持って目の中を覗き込むようにして諭してくれた。

「俺はお前と付き合ってあげてるわけじゃない。
 俺がお前を好きで一緒にいたい、付き合いたいと思ったから付き合ってるんだ。
 お前の体のことなんか、ずっと前から知ってたけど、
 一緒に歩いて恥ずかしいなんて一回だって思った事はないよ。
 お前がそんな風に考えてるのが俺は悲しい。
 俺に気を使わないで。自分の事を恥じないで。
 もっと自信をもって胸を張ってほしい。
 ずっと並んで歩こうよ。お前は俺の自慢の彼女なんだから」

私のことをここまで思ってくれる人には絶対会えないと思う。
すごく嬉しくて、涙が止まらなかった。
今は、どこに行くときも並んで歩いています。



140 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/02(火) 12:10:14 ID:aMjldn2b

今着付けが終わって覗いたら、曲の題名が!!


ちょっと行って探して買って来ます!!

ありがとうございます!上の方!!







141 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/02(火) 12:24:04 ID:XpSTD73+

>>140
急げ妹!曲をBGMに兄を泣かせてやれ!








143 :おさかなくわえた名無しさん :2007/10/02(火) 21:52:42 ID:aMjldn2b

何とか走り回って CDを見つけて買い、式に間に合わせました。


途中転んで、着物はボロボロになりましたが…

良かった、本当に今日思い出の曲が判るなんて、式でこの曲と一緒に手紙を読みました、中学の頃の話しです。

オルゴールの事も話しました、私も兄ちゃんもボロボロ泣いて、お義姉さんも泣いていました。
いつか、思い出になったら、またここに書き込みさせて下さい。


曲名を教えて下さって本当に本当にありがとうございました。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:47Comments(0)泣ける話

2010年03月10日

コワイ話 業




916 本当にあった怖い名無し sage 2008/11/12(水) 10:24:20 ID:VFmdt4PO0
オレの曾爺ちゃんの話を書いてみようと思う。
と言っても曾爺ちゃんはオレが物心付く前に死んでしまったので爺ちゃんに聞いた話なのだけれど、
更にそれを思い出しながら書くので辻褄合わせとかで多少脚色もするし長文なので、色んな事をごかんべん。

オレの曾爺ちゃんは坊主だったらしい。
というか曾爺ちゃんの代まで坊主の家系だったそうだ。

そんでもって曾爺ちゃんは霊感(坊主だと法力か?)があったらしく、
除霊やら鎮魂やら何かと有名だったらしいが、
ありがたい崇高な霊力者とかって感じではなく、
変な能力は有るけれども普通の多少目端の利く人だったようだ。

そんな曾爺ちゃんには、人づてで何かとオカルトチックな依頼が来るらしく、
旅に出て家を空けることが多く、爺ちゃんも寂しい思いをしていたようで、
いつも曾爺ちゃんが旅から帰ってきたら土産話を要求するのだが、
曾爺ちゃんは大抵当たり障りのない話ばかりをしていたそうだ。

まぁ、怨念やらの絡みになると色恋沙汰や依頼者の恥部となる話になるのだから口は堅かったのだろう。





918 916 sage 2008/11/12(水) 10:28:40 ID:VFmdt4PO0


前置き長かったけど、数少ない旅の話の中から坊主を辞めた原因になった時の話。

そんな曾爺ちゃんに、ある日どっかの地方から羽織袴の名士っぽい人が訪ねてきた。

曾爺ちゃんは見た目で「祟られている」って判ったらしいが、
そんな事はおくびにも出さずに、応接間に通して何事かと聞いてみたらしい。

その人は、某県の何処其処で何々をしています誰々です~みたいな話を丁寧にはじめ、
話し口から名主っていうか纏め役みたいな家系って曾爺ちゃんは感じ、
その時曾爺ちゃんにお願いしたのは、不幸な死に方をした女性の供養って位だったそうだ。

曾爺ちゃんは、この人は隠し事が多いな~等と思いながら、多少身の危険を感じたらしい。

霊的な危険って言うより、殺しとかにこの人の家の者や知り合いが関わったのが原因じゃないかと感じたそうだ。

それだと、場合によっちゃ自分の身も危険だし。

取り敢えずその人には多少準備がかかるし疲れたでしょって言って2・3日家に泊めて、
その間にその地方の議員さんやら親分・警察署長あたりの名前を調べ、
知人に紹介して貰って実際に電話したりして繋ぎをつくったりしたそうだ。

なかなか世俗チックな曾爺ちゃんだと思う。



919 916 sage 2008/11/12(水) 10:29:39 ID:VFmdt4PO0
そんな対人の下準備の後は、今度はそれなりにも準備をして、
「じゃあ行きましょうか」って事でその人の案内で地方に向かったそうだ。

地方に着いたら「そう言えば●●先生はここに居られるそうだから挨拶したい」とか何とか言って、
先に手を回しておいた議員やら署長やら親分に挨拶に行き、
自分に変に手を出したら後々厄介ですよ~って臭わせておいてから、
その人の家に行くことにしたそうだ。

その人の家は街から外れて幾つか山を越えた山間の村で、
村に近づくにつれて嫌な感じが強くなってきたので、
「これは村ごと祟られているな、女一人を供養して済むのかね?」って思ったらしい。

村に入ると出会う人がどいつもこいつも祟りの影響を受けている。

流石に曾爺ちゃんも村ぐるみの事件っぽい臭いがしてきて嫌になってきたが、
こんな辺鄙な場所から逃げ出すのも大変だと思い、
一応その人の家で詳しい事情を聞いてみることにした。

その人の家は結構大きかったらしく屋敷って感じで、
曾爺ちゃんの村の纏め役っぽいって予想は当たっていたらしい。

庄屋の家系の当代ってところ。

屋敷は門に入る前から恨まれている感じが臭いまくっており、
かなり業の深いことをしてしまった家系だと思いながら家に入ったそうだ。



920 916 sage 2008/11/12(水) 10:30:54 ID:VFmdt4PO0
部屋に案内されて、改めて話を聞くと供養して欲しい女性は3名。

曾爺ちゃんは屋敷の人間がその3名の死因に関わっていると思ったので、
その辺は深くは聞かずに村に何か起こっているのか聞いてみた。

どうやら村では殺人が連続して起こっているらしい。

しかも、事件や犯人を警察に届けていなくて、
犯人は土蔵に閉じこめたり納屋に縛ってあったり、
死因も事故死・病死って事にして医者に見せずに土葬にするなどかなりヤバイ感じの処置をしていた。

現代なら(多分当時でも)死体遺棄&不法逮捕監禁で引っ張られるようなやり方をするからには、
村人を外に出したくない理由があると思えること。

曾爺ちゃんは突っ込み所が多すぎるのをグッと我慢(自分の身の為)して、
まずは犯人の一人会って見ることにした。

多分この屋敷にも居るのだろうが、
当代に案内されたのは屋敷から少し離れた農家の納屋だった。

納屋の中はジメっとして糞尿の臭いが酷く、
中には怯えた感じで縮こまっている女性が一人柱に縛られていて、
曾爺ちゃんは憑かれていたなって思ったらしい。

曾爺ちゃんはこの女性はもう危険じゃないことを教え、
暫く安静にしていたら今より良くは成るだろうって言いはしたが、
殺したのは多分旦那か子供だなと感じて可愛そうに思ったそうだ。

この人への祟りはもう終わっているが、多分完全に治ることは無いだろうって思えたらしい。


921 916 sage 2008/11/12(水) 10:31:55 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんは「供養はするが、あなた方は供養でどうにかなると思っているのかね?」って話したらしいが、
他に当たっても祟りがあってからは供養さえ怖がってしてくれないからお鉢が回ってきたらしく、
どうしても供養はして欲しいって事で曾爺ちゃんは供養することにした。

お墓の位置は村外れの山道を進んで行った山にあるらしく、
昔はそこに寺が有ったが、廃寺となった後はそのまま村の墓地として利用しているとのこと。
案内されてそこに近づくにつれて悪寒がしてくるし、
案内していた当代はどんどん顔色が悪くなってくる。

これは半端じゃないって思い、
とりあえず墓の方向に向かって経をあげて様子を見たが、
どうにもならない感じなのである程度の道筋を聞いて当代を帰したそうだ。

当代に活を入れて返した後、暫く進むと何かにすれ違った。

曾爺ちゃんには姿は見えなかったが、多分彼女らの誰かだろう。

その気配は当代を追うわけでもなく、また、自分を追う様にも感じなかったので、
気を落ち着けながら先へ進むことにした。

山の斜面を這うように進む山道を歩いていくと開けた場所があり、
斜面にそって卒塔婆や墓石が並んでいるのでここがその墓地だろうと感じて中に入っていくと、
多くの盛り土の墓の内にこの墓がそうと判るくらいの存在感がある墓が3つあったらしい。

曾爺ちゃんはそこで経をあげて供養を試みたが、
ずっと空気が重く、どっからか視線をずっと感じる。

「無理だな~業が深い」と思って屋敷まで引き上げたる事にした。


922 916 sage 2008/11/12(水) 10:32:56 ID:VFmdt4PO0
屋敷まで戻った曾爺ちゃんは、
当代に供養試みたがこのままでは祟りは収まらないことを言った。

そして、
「あなた方は業が深いので言えないことも多いと思う。
三人を死なせたのにも関わっているだろう。
しかし、祟りが無かったものが何故祟る様になったのか何でも話せる事があれば言いなさい」
と言ってみたそうだ。

当代も言い辛かっただろうが、話した内容はこうだった。


父にあたる先代は乱暴で狡猾な人物だったそうで、若い頃から問題ばかり起こしていたそうだ。

それでも先々代が存命の内はまだマシな方で、先々代が亡くなると素行に歯止めが効かなくなった。

多くの村人を巧妙に利害で巻き込みながら悪事を繰り返し、
村では誰も逆らうことが出来なくなってしまったそうだ。

祟っている3名の死にも先代は関わっているらしい。

それから先代は三年前に実の妹に殺害された。

多分これが最初の祟りじゃないかとのこと。

そして、祟りで死ぬ前にあの3名の女性と関わりのある男に罪を着せて殺している。

もちろん私刑だ。

それ以来、村では身内や血縁者を殺してしまう事件が時々起こるようになった。


923 916 sage 2008/11/12(水) 10:34:46 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんはこの話を聞いて、
その殺された男をまず供養しないとこの祟りは収まらないと思ったらしく墓の場所を訪ねた。

当代の答えは、「墓はない、埋めただけになっている」と話、
埋めた場所に次の日に行くことになった。

曾爺ちゃんは、その晩は屋敷には泊まらなかった。

明日の事を考えたらここで気力を消耗したくないって気持ちになったらしい。

次の日、当代と村の男数名に案内されてその男の埋まっている場所に出かけると、
そこは村はずれの藪の中だった。

ジメジメと腐った枯れ草が覆い被さり、
枯れ草の隙間から育ちが悪い感じの雑草が生えている高さの余りない盛り土があり、
近くには申し訳程度の供え物が朽ちていた。

曾爺ちゃんはちゃんと埋葬し直して供養しなといけないと当代に言って掘り返させた。

大して掘り返さないうちに死体は現れ、
出てきた死体はやはり普通の状態ではなく無惨に切り刻まれていて、
五体ばらばらどころか肉片がいくつも出てきたらしい。

ただ、不思議な事に三年前に死んだはずの死体は腐敗せずに湿り気を帯びていたそうで、
曾爺ちゃんは「呪物になっているな」と感じたそうだ。


924 916 sage 2008/11/12(水) 10:35:35 ID:VFmdt4PO0
この辺の詳しい理屈は爺ちゃんには判らないらしいが、
多分殺された男は3名の女性を弔っていた者で、
そのことで3名の霊的な干渉良くも悪くも受けていたが、
殺された後は本人の無念も重なって、
3名の祟りの呪物化したのではないかって感じの話をしていた。

とにかく、
曾爺ちゃんは男の遺体から頭髪の一部を切り取った後は全てカメに詰めて埋め直した後に経をあげて供養した。

供養といっても成仏させた訳ではないらしいが、
成仏させるわけにもいかなかったので、その地で安息できるように色々したようだ。

頭髪の一部を切り取ったのは、
業が深すぎる件なので、関わった自分への祟りも有ると思い、
この男を自分も供養しないと危ないと思ったかららしい。

曾爺ちゃんは当代にこんな注意をして別れたそうだ。

・あなたの直系は、子々孫々まで男の命日の供養を欠かさないこと。
・3名の墓を除いた墓地にある他の墓を村の近くに移すこと。
・墓を移したら誰も3名の墓に近づかないこと。
・祟りや3名の霊が現れることがあったら男の墓に供物を捧げ助命の願をかけること。


925 916 sage 2008/11/12(水) 10:37:12 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんは村にはあまり長居したくなかったそうで、
旅費位にしかならない報酬を貰った後は、
来たときと同じように地元の議員さんやら有力者に挨拶をすましてから一人で家に帰った。

そして、家族に男の髪が入った箱をみせてこの話をしたそうだ。

もし自分が祟りで倒れた場合に、この髪の供養を続けて貰わなければならないから。

この件で曾爺ちゃんが坊主を辞めなくてはならなかった理由は、
曾爺ちゃんがやった方法は呪い返しに近い方法であって、
それがお偉いさんにしれた時に世話になった上司?の立場をかなり悪くしてしまったからだそうだ。

何か歴史物ではお偉い坊さんが権力者に頼まれて呪ったりする話が有ったりするが、
下端の坊主が何かすると厳しいのかな?

まぁ大体こんな感じの話。文章が稚拙ですまない。






930 916 sage 2008/11/12(水) 11:52:13 ID:VFmdt4PO0

うちの家系には祟りのようなのは無いっぽいです。
髪の毛は結局話に出たカメに入れて埋めたらしい。
話に書いた当代がその男の人の墓を盛り土じゃなくて墓石やら置いて綺麗に作り直した時に、
当代の家系が供養をちゃんとやってるから、
それなら呪物化した物をあまり家に置くのは良くないって事で曾爺ちゃんが戻したらしい。
犬神とかの話からすると呪物を祀ってると地獄行きらしいですからね。




  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 11:17Comments(1)怖い話

2010年03月10日

コワイ話 早死一族

早死一族


864 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:52:45 ID:hGe58+Ro0
601 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 01:53:49]
これはまだちゃんと文章にしたことない話だから
思い出しながら書くけど、それでもよかったらつきあってくれ

ウチの爺さんのオヤジだか爺さんだか
つまり俺のひい爺さんだかひいひい爺さんだか、ちょっとはっきりしないんだけど
そのあたりの人が体験したっていう話を
自分が子供のころ、爺さんから聞いた話
もう爺さんも死んでて、事実関係とか調べようもないんだけど

603 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 01:56:11]
仮にそのひいひい爺さんをGさんとしておく

Gさんはある関西の地方都市の人で、今で言う市役所の戸籍係みたいな
そういう仕事をずっとしてたらしいのね
当時は市じゃなくて町だか村だかかもしれないし
県庁とかの役所なのかもしれないけど、俺には詳しいことはわからない

607 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 01:59:28]
ともかくGさんは戸籍係みたいな仕事で、仕事柄、町のいろんな人の名前を
目にすることができる立場だったらしい
で、当時まだ大正時代だかそんくらいで
昔の身分制度の名残りみたいなのが、名前にけっこう残ってたらしいのね
士族だったらこういう苗字が多いとか、下の名前もこういうのが多いとか
平民階級でも、やれこの苗字は農民出身だの、この苗字はたぶん染物屋だの
この苗字はたぶん金貸しの血筋だのって
まあはずれることもあるんだろうけど、なんとなく傾向みたいなのはあったみたい


865 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:53:48 ID:hGe58+Ro0
608 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:01:39]
で、まあ予想つくかもしれないけど
そういう名前の特徴がわりとはっきり出ちゃうのは、2ちゃん用語で言うとBの人
いわゆる被差別B落ね
当時もう平民扱いではあるんだけど、やっぱいろいろあったみたいで
苗字もそれとわかる変なの名乗らされてる場合も会ったみたい
もちろん自分がそういうのであることを隠すために、普通に田中とか佐藤とかって場合も
あるみたいだけど

609 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:04:19]
Gさんの町では、やっぱり関西だからなのか
一部それとわかる苗字の人たちってのが何種類かいたらしいのね
こう、仕事がそういうアレの人たちのやりそうな仕事で
その仕事に関係ありそうな苗字だったりしたみたい
つってもこの話を聞いたとき自分も子供だったから
詳しくどうっていうのは覚えてないんだけど
爺さんもそのへんぼかして話してた気がするし

612 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:08:12]
で、話もどすと
Gさんはあるとき、町に何軒か
ある珍しい苗字の一族がいることに気づいたのね
これがさ、苗字からすると士族とか商人とか農民っぽくない
強いて言えば神主とかそういう家系っぽい感じの名前
これは民俗学とかかじるとよく目にする話題だけど、昔コジキ坊主とか
お払い屋とか拝み屋とか、そういうのをやるBの人ってのは多かったらしい
江戸時代からそういう風習があるみたい
まあ土地持ってる農民とは違うから、土地を離れて流浪のお祓いの押し売りみたいな感じなのかな
で、Gさんが見つけた一族ってのも、いかにもそういう仕事やってそうな名前なわけね


867 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:54:51 ID:hGe58+Ro0
613 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:11:19]
ただもちろん、近代化された後の話だから
浮浪者ってわけじゃなくて、ちゃんと戸籍があるし住所もある
ただ、どうも不自然なことがふたつあるの
ひとつは住所
どうやら一族はみんな血が繋がってるらしい
(珍しい苗字だし、偶然同じ苗字ってことはなさそう)のに
住んでるところはえらく離れてる
離れてるって言うよりか、離してあるって感じに
町の中心的な大通りと、町の外との境目にあたるような住所に
ちらばってるのよ

615 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:13:33]
なんていうのかな、町の「入り口」みたいな場所があるじゃん
昔からあるでっかい道路とかが町を何箇所か貫いていくとして、
その道路と市街地が接点になるような場所っていうか
円と直径の交点みたいな
そういう場所が町に何箇所かあるんだけど、そこにそれぞれ住んでる
ちょうど「門番」って感じに住んでるのよ

619 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:18:33]
それでね、もう一つ不審なことっていうのは
この一族がとにかくみんな若いうちに死んでるのよ
今よりも死亡率ずっと高い時代なんだろうけど
それでも普通に考えてありえないくらいに、新生児の死亡が多い
10人とか産んで、全部2~3年で死んでるとかそんな感じ
単に貧乏で衛生事情が悪いとかそういうのかもしれないけど
町のどの部分に住んでるのも、一族みんなとにかく死ぬ
世帯主30歳くらいで、それも病死とか
そもそもこの死亡届けの多さで、「この苗字の人はよく死ぬなあ」って
Gさんが気づいたのが話の発端らしいんだけど


868 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:56:55 ID:hGe58+Ro0
621 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:20:27]
それでGさんは、最初、何か犯罪があるんじゃないかと思ったんだって
子供殺して食うとか、血を売るとか
そういうことを疑うこと自体、Bに対する偏見だったってことに
あとで気づかされるんだけど

623 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:22:17]
たださ、Gさんがいくら怪しいと考えても
誰に相談するべきかわからないじゃない
一応他人の戸籍とか住所の話だし
仕事中に勝手に調べて、怪しいと思いましたってのも
今よりもプライバシーとか気にしない時代とはいえ、ちょっとどうかと思って
誰にいうでもなく、何年かはそのまま放置してた

625 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:24:37]
でもね、同じ月に同じ家の家族が
立て続けに(何日かおきに)3人くらい死んだことがあって
さすがに怪しいと思ったんだって
で、じゃあとりあえずこの目で見てこようと。
その住所の家を見てきて、何かおかしなヤツが出入りしてるとか
そういう感じだったら、警察にいってみようと
そう考えて、休みの日にその家までいってみることにした

627 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:27:06]
それは夏の初めの、すごく暑い日で
自宅を出てすぐのときは、こんな暑い日にわざわざ行くんじゃなかった
何をやってるんだ俺は、と思いながらも、歩いていったんだって
車とか金持ちじゃないとなかなかもってないしね、地方公務員じゃ徒歩しかなかったんだろうと思う
ところがね、その該当する家のすぐ近くまで行くと
暑さも和らいできて、ああちょうどよかったって


869 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:57:29 ID:hGe58+Ro0
628 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:29:40]
と思ってたらそんな生易しいもんじゃないのね
その家のすぐ近くまでいったら、なぜかすっごい寒いの
暑いのに寒いのね
炎天下で、明らかに日のあたるところを歩いてて
肌は太陽の光を感じるんだけど、でも寒くてなぜか震えるんだって
「熱い風呂にいきなり入って、サブイボでるときあるやろ、あれやろうな」って
これはGさんじゃなくて爺さんの解説だから当てにならないけど

630 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:31:36]
それで、どの家がその住所の家なのかも
探すまでもなかったって
まあさっきも言ったように、大通りに面した町の一番ハズレだから
みりゃわかるんだろうけど、それ以上に調べるまでもないくらいに
「ここに近づいちゃいけない」って感じがするんだって
ここには何かよくないモノがいる、って感じ

631 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:36:13]
それでももう何かに取り付かれたように、その家の庭が見えるところまでいったんだって
家自体もオンボロの古い家だったんだけど、庭も雑草で荒れ放題なのね
ただ、貧乏って感じはするんだけど、何か犯罪が行われてるって感じではない
別に死臭とかするわけでもないのね
ただ、何かすごくイヤな感じがするし寒気がするのよ
おかしいな、こんなにいい天気なのになんで寒いんだろ、って思って
何気なく家の屋根の上をみたらね
小さい黒いサルみたいなのが視界の隅にいるのね
で、「あっ」と思ってそっちをみたらもういないの


870 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:58:48 ID:hGe58+Ro0
633 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:38:46]
それでGさんはなんとなく直感的にまず考えたわけ
この家は何かに憑かれてて、それであんなに死人が出るんだと

じゃあ他の場所にある同じ苗字の一族もみんな何かに憑かれてるのか?
一族まるごと呪われてるのか?と思ったわけよ
それはそれでおかしな話だし、何かフに落ちないわな
そこでそこまでの経緯を、信頼できる上司に相談することに決めたんだって

634 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:40:44]
それで上司に報告して、黒いサルみたいなのを見たことまで正直にいったのよ
そしたら上司が深刻な顔をして、「おまえそれ他に誰にもいうなよ」みたいなことを言うんだって
上司は何か知ってるのかって問いただしたんだけど、最初はシラをきろうとするんだって

636 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:45:57]
でも食い下がって、一体なんなのかってしつこく問いただしたら
上司は覚悟を決めて教えてくれたらしい
「それは○○(町の名前)のニエや」って

つまり、その一族は、町に邪悪な何かとか祟り神とかが入ってきたときに
わざととりつかせて、町を守るためのイケニエだってことらしいのね
だから町の入り口みたいなところに住まわせてあるんだって
室町だか江戸だか知らないけど、かなり昔から、この町はそういう役目を
被差別Bの人にさせてたらしいのね
ただ、その一族の人は、それをやらされてるとは知らないみたいなんだって
何か気づいてるのかもしれないけど、とにかく建前上は、別の理由でそこに住まわせていて
場合によっては本人たちも気づいてない
でも気づいてないけど、死人が出たり事故や病気になったりすることはほかの家よりもずっとおおいと



871 本当にあった怖い名無し sage 2006/05/19(金) 01:59:25 ID:hGe58+Ro0
640 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:50:07]
町によっては、Bに押し付けるとは限らなくて
何か悪いことをした家とか、お家騒動があった名家とか
町に後から来たよそ者とかに、そういう役目を押し付けて
ヤバイ場所に住まわせるってことをするんだって
もちろん本人には教えないで

641 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:52:29]
「今でもそんなんをやっとるところもあるやろから
引っ越しするときは気ィつけなあかんで」って
そういう教訓めいた話として、爺さんはこの話を結んだけど
一人暮らし始めるときとか、知らない街の不動産屋さんに
なぜか一軒を執拗に勧められるときは怪しんだほうがイイみたい
自分がニエを押し付けられてるかもしれないよ

645 名前:◆Tly.nEzXF2 [2006/05/17(水) 02:54:39]
以上
おつかれさまでした




  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 11:04Comments(0)怖い話

2010年03月09日

政治・表に出ないやばい話

表に出ないやばい話



262 コピペ隊(コピー&林家ペー) sage 2005/09/01(木) 09:59:08 ID:7YLjKm6z0
『中国・韓国・北朝鮮』
中国の歴史は繋がっていない
中国は漢民族と文化や言語の違う55もの少数民族からなる多民族国家
中国四千年の歴史は間違い、5、60年
中華思想、小中華思想の問題
日本人差別
軍国主義は中国
覇権主義中国
歴史を歪曲した反日教育
中国・韓国・北朝鮮による虐殺の多さ(虐殺は日本人の国民性に合わない)
中国はブラックホール → 世界中の経済、労働、資源、技術を飲み込む
代わりに世界に撒き散らすもの → 不況、原油価格の高騰、環境破壊、平和への脅威
中国、韓国、北朝鮮にまともな話しは通じない
北朝鮮は莫大な負の遺産
北と統一して困るのは韓国
朝鮮民族(韓国人・朝鮮人)の行動パターンの研究
事大主義の問題
朝鮮民族の民族性は変わらない←誰かのせいにする
朝鮮民族の民族性は変わらない。日本が36年も統治しても変わらなかった
例え反日が無くなったとしても、小中華思想が無くならない限り日本人を差別するので友好関係は築けない
被害者を装う
朝鮮民族の特徴=問題を擦り返る


263 コピペ隊(コピー&林家ペー) sage 2005/09/01(木) 10:01:49 ID:7YLjKm6z0
・現在の在日韓国・朝鮮人はそのほとんどが密航してきたり、出稼ぎに来た人達である。 (強制連行はごくわずか。しかもほとんど帰郷ずみ)
・朝鮮の人達に望まれて日韓併合条約を結び、国際法上なんの問題も無く合法的に朝鮮と合併した。
・日本の敗戦時に韓国・朝鮮人が日本人に対して集団強盗、略奪、殴打暴行、レイプ、殺人、破壊、占拠監禁、人民裁判などあらゆる犯罪を犯した。
・日本は韓国と日韓基本条約を結び無償で3億ドル(約1080億円)、有償で2億ドル(720億円)、民間借款で3億ドル、韓国内の日本の財産の全てという当時としても莫大な額の賠償をしている。
・日清戦争で日本は清と命をかけて戦い、清(中国)の属国であった朝鮮の独立を認めさせた。
・我々日本人には関係無い破綻した朝鮮銀行・韓国系銀行に3兆円もの日本の税金が使われている。
・2002年日韓ワールドカップでスタジアムを作る資金が無い韓国のために7000億円もの日本の資金が使われた。
・韓国の経済危機の時にIMF経由で日本が多額の資金を出し韓国を救った。
・日本海の漁場が韓国の漁船に荒らされまくり、水産資源が激減している。
・韓国の武装スリ団、犯罪集団によって日本人が多くの被害を受けている。
・韓国の婦女暴行(レイプ)発生率は事実上世界第一位である。
・韓国の暴行発生件数は日本の100倍である。
・日本での韓国人による犯罪は国籍別検挙人員第2位、不法残留第2位である(平.15年上半期)。
・韓国人は海外で悪い事をして捕まった時などにすぐ日本人のフリをする。
・韓国人はベトナム戦争に参戦した時に、ベトナム人に対して虐殺やレイプをしまくった。
・韓国は、日本や世界の文化やモノ(剣道、サムライ、生け花、サッカー、キティーちゃん等、数え挙げたらキリがない)を自分たちが最初につくったと捏造している。
・朝鮮人による自作自演のチマチョゴリ切り裂き事件を追求していた韓国人が何者かに惨殺された。
・北朝鮮が日本の偽札を作り、麻薬を製造・密輸している。
・朝鮮総連は固定資産税を払っていない。
・日本の領土の竹島を韓国が不法占拠している。
・一部の在日韓国・朝鮮人が掛け金も払わず年金を要求している。  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:34Comments(0)特にオススメ!

2010年03月09日

コワイ話 13 死ぬほど洒落にならない民主党の実態

民主党


648 1/2 2009/06/27(土) 10:09:45 ID:1wCN+oByO
死ぬほど洒落にならない民主党の実態

・北朝鮮を崇拝する日教組が支持母体
前委員長の槙枝は北朝鮮から勲章を授与される。
・1日キータッチ5000で悪名高い社会保険庁の自治労が支持母体。
・朝鮮総連・民団が応援する政党は民主党。
・在日外国人が無条件で党員になれる。
・以下の日本人のためにならず外国人の為にしかならない政策を進めている。
外国人参政権
人権擁護法案
国籍法改正
・沖縄に中国人3000万人の受け入れる沖縄ビジョン
・IMFを通さない韓国への個別支援を目論む
・外貨準備を埋蔵金と称し取り崩そうとしている。
・成立すれば反日国家の人間でも首相になれる事を隠しながら外国人参政権推奨
・言論規制&外国人参政権が連鎖的に通る人権擁護法案推奨
・民主党山岡国対委員『若者はナチス!!』発言
・民主党小沢代表インドのシン首相との会談をドタキャンしアイドル・上原さくらと共演中の一言
『国民は政治の詳細まで知る必要はない!!』発言
小沢の韓国人女性秘書は韓国の元活動家
西松建設から迂回献金で多額の献金
取得した不動産10億以上大半に工作員らしきアジア女性が居住
・菅直人は拉致実行犯シンガンスの釈放署名活動を実施
年金問題を引き起こした時の厚労相だが責任を自民のみに押し付け




649 2/2 2009/06/27(土) 10:10:49 ID:1wCN+oByO
・民主党鳩山由紀夫在日韓国人民団に在日の地方参政権を公約!!
韓日議連で韓国を『韓国様』と発言。
『日本は日本人のものではない』と高らかに宣言
“友愛”の名の元更なる在日利権の拡大を目指す
既になくなった人名義の故人献金、払った覚えがない人からの虚人献金多数。
・日本の国家主権を他国に委譲すること唱える岡田克也。
・在日朝鮮人帰化人で元朝鮮日報の支社長白真勲。
・日教組のドン興石東他日教組・自治労出身議員が約20名
・国会休んで韓国の反日デモに参加する岡崎トミ子が副総裁。デモで日本国旗を燃やす。
・角田や近藤のように金正日が拉致問題を認めた時期に朝鮮総連から献金受け取ってる議員がいる(角田の息のかかった群馬県大田市は朝鮮総連関連の施設は非課税)
・北朝鮮への経済制裁反対
・掛け金払ってない在日コリアを救済する年金改正案
・国民に権利を戻す国民投票法案を党利党略の為、直前でごねる
・毎日新聞変態捏造報道事件を起こした矢崎公ニが長野4区から民主党推薦で出馬。

それでもアナタは民主党に投票しますか?


『民主党への投票やめますか?日本人やめますか?』





354 本当にあった怖い名無し 2009/09/29(火) 18:43:06 ID:oOfY0KY50
525 名前:仕様書無しさん[sage] 投稿日:2009/09/28(月) 21:05:45
>>521
民主党政権で2ch工作員の最低賃金も千円に上げてもらえるのか?

526 名前:仕様書無しさん[sage] 投稿日:2009/09/28(月) 21:32:15
すげえ!オレもやるかな。
どこで募集してる?

527 名前:仕様書無しさん[sage] 投稿日:2009/09/29(火) 00:30:19
>525-526
在日じゃないなら止めとけ。
民主党の選挙応援をした、一人暮らしの大学生が何人か行方不明に
なっている。何らかのやばい物を担当させられて、証拠隠滅の為に
友愛されたか、北朝鮮に拉致されて工作員と入れ替わったかのいず
れかだろう。


323 :Trader@Live! :sage :2009/09/16(水) 22:59:11 ID:3E4rQhRg
衆院選の選挙運動員の中に失踪者が何人か出ています、しかも一人暮らしの男性のみです

333 :Trader@Live! :sage :2009/09/16(水) 23:01:43 ID:tynVO7u/(20)
>>323
書き込みあったよな、確かミンスの選挙活動てつだっていた友達から連絡とれないとか・・・



412 本当にあった怖い名無し 2009/12/17(木) 20:50:52 ID:TScjNz0F0
小沢の暴走が凄まじい・・・・・
問題動画がどんどん拡散されています。
     小沢民(日本名:小沢一郎)国家主席「天皇陛下の行動は、日本政府が自由に決めることが出来ると憲法に規定されている。 」

【わが祖国】小沢民主席、韓国で売国講演PART1/5【済州島】
http://www.youtube.com/watch?v=xI9Dv8XFqto
【わが祖国】小沢民主席、韓国で売国講演PART2/5【済州島】
http://www.youtube.com/watch?v=MmG_O3QSWic
【わが祖国】小沢民主席、韓国で売国講演PART3/5【済州島】
http://www.youtube.com/watch?v=DW476hwzoDo
【わが祖国】小沢民主席、韓国で売国講演PART4/5【済州島】
http://www.youtube.com/watch?v=IE60ix-LMcU
【わが祖国】小沢民主席、韓国で売国講演PART5/5【済州島】
http://www.youtube.com/watch?v=TM1aknZwpWs
      ~小沢の問題発言・妄言・虚言・妄想の数々~
・日本は植民地支配の謝罪として在日韓国人の方々に参政権を差し上げる義務がある。
・参政権付与に反対する民主党議員は、党議拘束をかけて徹底的に弾圧するので来年の通常国会で必ず可決する。
・韓国人が日本を許してくれれば、いつでも天皇陛下を訪韓させることができる。
・韓国人が日本に移り住み、初代天皇になった。
・仁徳天皇陵を発掘したらはっきりするはずである、と著名な先生が唱えている。
・これ以上言うと日本に帰れなくなるが歴史的事実であろう。
・天皇陛下も「桓武天皇の生母は百済の王女だった」と認めている。
・日本人は自立心が足りない国民だ。
・日本のニートは全部親が悪い。子供より親の教育をしなきゃいけない。
・朝鮮半島南部の地域権力者が海を渡って来て今の奈良県に政権を樹立した。
・韓国ドラマ『チャングムの誓い』が大好きでずっと視聴していた。
・キムチがあればご飯を何杯でも食べるほどキムチが大好きだ。
・信念を曲げないのでマスコミから嫌われている。マスコミがイメージダウンを狙っているせいでは。
・日本の男は最近全然駄目。


441 本当にあった怖い名無し sage 2009/12/18(金) 11:18:44 ID:d8x/IBWY0
【特例会見問題】習副主席との会見、有識者ら小沢氏や首相官邸の対応を批判。当日は皇室「賢所御神楽」の祭祀日[12/17]
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1261042982/

205 :名無しさん@十周年:2009/12/17(木) 23:50:51 ID:g3MCf+Ma0
シナ人が来た日
あの日は賢所御神楽という大事な日だったらしい
天皇陛下は清らかにしないといけなかったから宮内庁が断った
なのに鳩山と小沢が強行し会見をやらせたらしい
地震が起きたのはそのせいじゃないのかな

「賢所御神楽」とは

>12月15日は天皇陛下の年中神事のなかでも最も大切な「賢所御神楽」が執り行われた日でした。

>この日は朝早くから天皇皇后、皇太子皇太子妃など神事参加のともどもはすべて潔斎(きよめ)を行います。
>ですからこの日に国事行為はもとより異国人との公的な引見、会見、接見、拝謁などの行事は一切入りません。
>なのに、ごり押し不敬政治介入で・・・・。

>「賢所御神楽」は例年12月15日です。「「賢所御神楽」とは天照大神(アマテラスオオミカミ)のご神霊を慰め、
>さらなるご加護を願って祈り捧げる皇室重要神事です。10時間にも及びますが、完全非公開で行われます。
>どんな神事なのか、bokuごときが知るわけにもいきませんので法学博士・所功(ところいさお)教授の著書
>『天皇のまつりごと-象徴としての祭祀と公務』(2009年5月刊・NHK出版)から一部を丸写しさせていただきます。
(以下略)
ttp://z-hiroyo.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/15-dc01.html

太陽神・天照大神の力が一番弱まる時期に、神様を慰め喜ばせるための御神楽を行うと。
ついでに賢所は明治以前には内侍所、温明殿と呼ばれ、いずれも「恐れ畏む」意味と。歴史の香りが
それにしても、太陽神に捧げる御神楽の日に太陽パクパクがらみの一派に汚されるとは・・gkbl
あと、上のサイトに週刊文春の記事がかかれていたが、本当ならなんて申し訳ないことをしてくれたんだよ

>両陛下は周囲に「昭和天皇の御代から大切にしてきた、あらゆる国のその立場にある人に公平に
>分け隔てなくお会いする、ということが簡単にないがしろにされてしまった」と漏らされたと聞いております。(宮内庁関係者)・・週刊文春・・


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 11:03Comments(0)特にオススメ!

2010年03月09日

コワイ話 かんひも

かんひも


876 866 sage 2005/10/14(金) 16:25:05 ID:c2L+VjQX0
「かんひも」について

僕の母の実家は、長野の山奥、
信州新町ってとこから奥に入ってったとこなんですけど。
僕がまだ小学校3、4年だったかな?
その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。
そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。
交通も、村営のバスが朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。
そんな何もないとこ、例年だったら行かないんですが、
その年に限って、仲のいい友達が家族旅行でいなくて、
両親について行きました。

行ってはみたものの・・・
案の定、何もありません。
デパートやお店に連れて行ってとねだっても、
一番近いスーパー(しょぼい・・)でも車で1時間近くかかるため、
父は「せっかくのんびりしに来たんだから」と
連れて行ってくれません。



877 866 sage 2005/10/14(金) 16:30:08 ID:c2L+VjQX0
唯一救いだったのは、隣の家に、
僕と同じ年くらいの男の子が遊びにきていたことでした。
あの年頃は不思議とすぐに仲良くなれるもので、
僕と、K(仮にKくんとします)は、
一緒に遊ぶようになりました。
遊ぶといっても、そんな田舎でやることは
冒険ごっこ、近所の探検くらいしかありません。

1週間の予定で行って、
確か3日目の夕方くらいだったと思います。
午後3時を過ぎて、日が落ち始めるころ。
夏とはいえ、西に山を背負っていることもあるのでしょうか。
田舎の日暮れっていうのは早いもんです。

僕とKは、今まで入ったことのない山に
入っていってみました。
はじめは、人の通るような道を登っていたのですが、
気がつくと、獣道のような細い道に入っていました。
「あれ、なんだろ?」
Kが指差す方を見ると、
石碑?が建っていました。
里で見る道祖神ののような感じで、
50センチくらいだったでしょうか。
だいぶ風雨にさらされた感じで、
苔むしていました。



879 866 sage 2005/10/14(金) 16:36:06 ID:c2L+VjQX0
僕とKは良く見ようと、
手や落ちていた枝で、苔や泥を取り除いてみました。
やはり道祖神のような感じでしたが、
何か感じが違いました。
普通の道祖神って、男女2人が仲良く
寄り添って彫ってあるものですよね?
でもその石碑は、4人の人物が、
立ったまま絡み合い、顔は苦悶の表情?
そんな感じでした。

ぼくとKは薄気味悪くなり、
「行こう!」と立ち上がりました。
あたりも大分薄暗く、僕は早く帰りたくなっていました。
「なんかある!」
僕がKの手を引いて歩き出そうとすると、
Kが石碑の足下に何かあるのを見つけました。
古びた、4センチ四方くらいの木の箱です。
半分地中に埋まって、斜め半分が出ていました。
「なんだろう?」
僕は嫌な感じがしたのですが、
Kは、かまわずに木の箱を掘り出してしまいました。



881 866 sage 2005/10/14(金) 16:39:47 ID:c2L+VjQX0
取り出した木の箱はこれまた古く、
あちこち腐ってボロボロになっていました。
表面には何か、布?のようなものを巻いた後があり、
墨か何かで文字が書いてありました。
当然、読めはしませんでしたが、
何かお経のような難しい漢字がいっぱい書いてありました。

「なんか入ってる!」
Kは箱の壊れた部分から、何かが覗いているのを見つけると、
引っ張り出してみました。

なんて言うんですかね。
ビロードっていうんでしょうか?
黒くて艶々とした縄紐みたいなので結われた、
腕輪のようなものでした。
直径10センチくらいだったかな?
輪になっていて、5ヶ所、石のような物で止められていました。
石のような物はまん丸で、そこにもわけのわからん漢字が
彫り付けてありました。

それはとても土の中に埋まっていたとは思えないほど
艶々と光っていて、気味悪いながらもとても綺麗に見えました。





884 866 sage 2005/10/14(金) 16:45:31 ID:c2L+VjQX0
「これ、俺が先に見つけたから俺んの!」
Kはそう言うと、その腕輪をなんと腕にはめようとしました。
「やめなよ!」
僕はとてもいやな感じがして、
半泣きになりながら止めたのですが、
Kはやめようとはしませんでした。
「ケーーーーー!!!」
Kが腕輪をはめた瞬間に、
奇妙な鳥?サル?
妙な鳴き声がし、山の中にこだましました。
気が付くとあたりは真っ暗で、
僕とKは気味悪くなり、慌てて飛んで帰りました。

家の近くまで来ると、
僕とKは手を振ってそれぞれの
家に入っていきました。
もうその時には、気味の悪い腕輪のことなど
忘れていてのですが・・・。



885 866 sage 2005/10/14(金) 16:49:09 ID:c2L+VjQX0
電話が鳴ったのは夜も遅くでした。
10時を過ぎても、まだだらだらと起きていて、
母に「早く寝なさい!」としかられていると。
「ジリリリーーン!」
けたたましく、昔ながらの黒電話が鳴り響きました。

「誰や、こんな夜更けに・・・」
爺ちゃんがぶつぶつ言いながら電話に出ました。
電話の相手はどおやらKの父ちゃんのようでした。
はたから見てても、晩酌で赤く染まった爺ちゃんの顔が
サアっと青ざめていくのがわかりました。

電話を切ったあと、爺ちゃんがえらい勢いで
寝転がっている僕のところに飛んできました。
僕を無理やりひき起こすと、
「A(僕の名)!!おま、今日、どこぞいきおった!!
  裏、行きおったんか!?山、登りよったんか?!」
爺ちゃんの剣幕にびっくりしながらも、
僕は今日あったことを話しました。

騒ぎを聞きつけて台所や風呂から飛んできた、
母とばあちゃんも話しを聞くと真っ青になっていました。
婆「あああ、まさか」
爺「・・・・かもしれん」
母「迷信じゃなかったの・・・?」
僕は何がなんだかわからず、ただ呆然としていました。
父も、よくわけのわからない様子でしたが、
爺、婆ちゃん、母の様子に聞くに聞けないようでした。



889 866 sage 2005/10/14(金) 16:52:27 ID:c2L+VjQX0
とりあえず、僕と爺ちゃん、婆ちゃんで、
隣のKの家に行くことになりました。
爺ちゃんは、出かける前にどこかに電話していました。
何かあってはと、父も行こうとしましたが、
母と一緒に留守番となりました。

Kの家に入ると、
今までかいだことのない嫌なにおいがしました。
埃っぽいような、すっぱいような。
今思うと、あれが死臭というやつなんでしょうか?
「おい!K!!しっかりしろ!」
奥の今からは、Kの父の怒鳴り声が聞こえていました。
爺ちゃんは、断りもせずにずかずかと
Kの家に入っていきました。
婆ちゃんと僕も続きました。

居間に入ると、さらにあの匂いが強くなりました。
そこにKが横たわっていました。
そしてその脇で、Kの父ちゃん、母ちゃん、婆ちゃんが
(Kの家は爺ちゃんがすでに亡くなって、婆ちゃんだけです)
必死に何かをしていました。

Kは意識があるのかないのか、
目は開けていましたが、焦点が定まらず、
口は半開きで、泡で白っぽいよだれを
だらだらと垂らしていました。

よくよく見ると、みんなはKの右腕から
何かを外そうとしているようでした。
それはまぎれもなく、あの腕輪でした。
が、さっき見たときとは様子が違っていました。



890 866 sage 2005/10/14(金) 16:54:36 ID:c2L+VjQX0
綺麗な紐はほどけて、
よく見ると、ほどけた1本1本が、
Kの腕に刺さっているようでした。

Kの手は腕輪から先が黒くなっていました。
その黒いのは、見ていると動いているようで、
まるで腕輪から刺さった糸が、
Kの手の中で動いているようでした。

「かんひもじゃ!」
爺ちゃんは大きな声で叫ぶと、
何を思ったかKの家の台所に走っていきました。
僕は、Kの手から目が離せません。
まるで、皮膚の下で無数の虫が
這いまわっているようでした。

すぐに爺ちゃんが戻ってきました。
なんと、手には柳葉包丁を持っていました。
「何するんですか!?」
止めようとするKの父ちゃん母ちゃんを振り払って、
爺ちゃんはKの婆ちゃんに叫びました。
「腕はもうダメじゃ!
まだ頭まではいっちょらん!!」



891 866 sage 2005/10/14(金) 16:56:19 ID:c2L+VjQX0
Kの婆ちゃんは泣きながら頷きました。
爺ちゃんは少し躊躇した後、
包丁をKの腕につきたてました!
悲鳴を上げたのはKの両親だけで、
Kはなんの反応も示しませんでした。

あの光景を僕は忘れられません。
Kの腕からは、血が一滴も出ませんでした。
代わりに、無数の髪の毛がぞわぞわと、
傷口から外にこぼれ出てきました。
もう、手の中の黒いのも動いていませんでした。

しばらくすると、
近くの寺(といってもかなり遠い)から、
坊様が駆けつけて来ました。
爺ちゃんが電話したのはこの寺のようでした。

坊様はKを寝室に移すと、
一晩中読経をあげていました。
僕もKの前に読経を上げてもらい、
その日は家に帰って、眠れない夜を過ごしました。



892 866 sage 2005/10/14(金) 17:00:31 ID:c2L+VjQX0
次の日、Kは顔も見せずに、
朝早くから両親と一緒に帰って行きました。
地元の大きな病院に行くとのことでした。

爺ちゃんが言うには、腕はもうだめだということでした。
「頭まで行かずに良かった」と何度も言っていました。
僕は「かんひも」について爺ちゃんに聞いてみましたが、
教えてはくれませんでした。

ただ、「髪被喪」と書いて「かんひも」と読むこと、
あの道祖神は「阿苦(あく)」という名前だということだけは
婆ちゃんから教えてもらいました。

古くから伝わるまじないのようなものなんでしょうか?
それ以来、爺ちゃんたちに会っても、
聞くに聞けずにいます。

誰か、似たような物をご存知の方がいらっしゃいましたら、
教えていただけるとありがたいです。
あれが頭までいっていたらどうなるのか・・・?

以上が、僕が「かんひも」について知っているすべてです。
失礼しました。






129 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/16(日) 20:55:25 ID:p7i1wmxX0
こんばんは。
前スレの「かんひも」の866です。
大勢のみなさんにお気に召していただいて、ありがとうございます。
でも、みなさん「かんひも」についてはご存知ないようですね。

僕も、書き込んでから、改めて気になり、
この土日で、母の実家まで行って、
自分なりに調べてみました。
残念ながら、爺ちゃんはすでに亡くなっているので、
文献と、婆ちゃんの話からの推測の域をでませんが・・・
この年になって、久しぶりに辞書を片手に、
頑張ってしまいました。



130 129 sage New! 2005/10/16(日) 20:57:22 ID:p7i1wmxX0
結論から言うと、
どうやら「かんひも」はまじない系のようです。
それも、あまり良くない系統の。

昔、まだ村が集落だけで生活していて、他との関わりがあまりない頃です。
僕はあまり歴史とかに明るくないので、
何時代とかはわかりませんでした。

その頃は、集落内での婚姻が主だったようで、
やはり「血が濃くなる」ということがあったようです。
良く聞くように、「血が濃くなる」と、
障害を持った子供が生まれて来ることが多くありました。
今のように科学や医学が発達していない時代。
そのような子たちは「凶子(まがご)」と呼ばれて忌まれていたようです。
そして、凶子を産んだ女性も、「凶女(まがつめ)」と呼ばれていました。



131 129 sage New! 2005/10/16(日) 20:58:32 ID:p7i1wmxX0
しかし、やはり昔のことで、凶子が生まれても、
生まれてすぐには分からずに、
ある程度成長してから、凶子と分かる例が多かったようです。
そういう子たちは、その奇行から、
やはりキツネ憑きなど、禍々しいものと考えられていました。
そして、その親子共々、
集落内に災いを呼ぶとして、殺されたそうです。
しかも、その殺され方が、
凶女に、わが子をその手で殺させ、
さらにその凶女もとてもひどい方法で殺すという、いやな内容でした。。
あまり詳しいことは分かりませんでしたが、
伝わっていないということは余程ひどい内容だったのではないでしょうか?



132 129 sage New! 2005/10/16(日) 20:59:46 ID:p7i1wmxX0
しかし、凶女は、殺された後も集落に災いを及ぼすと考えられました。
そこで、例の「かんひも」の登場です。

「かんひも」は前にも書いたように、「髪被喪」と書きます。
つまり、「髪」のまじないで「喪(良くないこと・災い)」を「被」せるという事です。
どうやら、凶女の髪の束を使い、凶子の骨で作った珠で留め、特殊なまじないにしたようです。
そしてそれを、隣村(といっても当時はかなり離れていて交流はあまり無かったようですが)の
地に埋めて、災いを他村に被せようとしたのです。
腕輪の形状をしていたものの、もともとはそういった呪詛的な意味の方が大きかったようです。
また、今回の物は腕輪でしたが、首輪などいろいろな形状があるようです。

しかし、呪いには必ず呪い返しが付き物です。
仕掛けられた「かんひも」に気がつくと、
掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。
それを防ぐために生まれたのが道祖神「阿苦」です。



133 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:00:36 ID:p7i1wmxX0
村人は、埋められた「かんひも」に気づくと、
その上に「阿苦」を置いて封じました。
「阿苦」は本来「架苦」と呼ばれており、
石碑に刻まれた人物に「苦」を「架」すことにより、
村に再び災いが舞い戻ってくるのを防ごうと考えたのではないでしょうか。

そして、その隣村への道が、
ちょうど裏山から続いていたそうです。
時の流れの中で、
「かんひも」は穢れを失って、
風化していったようですが、
例の「かんひも」はまだ効力の残っていたものなのでしょうか?

僕の調べた範囲で分かったのはこのくらいです。
また、詳しい方などいましたら、ご教授願います。



134 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:01:35 ID:p7i1wmxX0
最後に。
婆ちゃんに、気になっていたものの聞けなかったKのその後を聞きました。
Kは、あれから地元の大きな病院に連れて行かれました。
坊様の力か、そのころにはすでに髪は1本も残ってなく、
刃物の切り口と、中身がスカスカの腕の皮だけになっていたそうです。

なんとか一命は取り留めたものの、
Kは一生寝たきりとなってしまっていました。
医者の話では、
脳に細かい、「髪の細さほどの無数の穴」が開いていたと・・・。

みなさんも、「かんひも」を見つけても、
決して腕にはめたりなさいませんよう。



135 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:03:53 ID:p7i1wmxX0
長距離ドライブ及び、徹夜の調べ物で
ふらふらの上での書き込みなので、
誤字脱字、読みにくい箇所はお許しください。

とりあえず、分かったことをお知らせしたかったもので・・・。


136 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/16(日) 21:22:36 ID:F3G2bUi90
かんひもの話、非常に興味深い
が、少し気になったことが……

>>129からの説明のうち、>>132-133の部分で、

>仕掛けられた「かんひも」に気がつくと、
>掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。
>それを防ぐために生まれたのが道祖神「阿苦」です。
>
>村人は、埋められた「かんひも」に気づくと、
>その上に「阿苦」を置いて封じました。
>「阿苦」は本来「架苦」と呼ばれており、
>石碑に刻まれた人物に「苦」を「架」すことにより、
>村に再び災いが舞い戻ってくるのを防ごうと考えたのではないでしょうか。

とあるんだが、この村人ってのはどの村の村人なんだろうか
「村に再び~」というところから考えると、かんひもを作った村のほうか?
しかし>>132を読むと、かんひもは隣村に呪いを擦り付けるための物だと書いてあって、
話が上手くつながってない気がするんだよな……


137 あなたのうしろに名無しさんが sage New! 2005/10/16(日) 21:30:21 ID:qOnhfDHA0
俺もそれは感じた。
阿苦の存在意義がイマイチわからんな。
とりあえず乙>129


138 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:31:08 ID:4yudFh43O
あ、分かりづらくてすみません。
「村人」は、作った方の村人で、阿苦を設置したのは、まじない返しに遭ったときの話です。        
なぜか、急にパソコンが落ちてしまって、携帯からの書き込みなので、読みづらかったらすみません。


139 博 sage New! 2005/10/16(日) 21:34:13 ID:LJg3O2sXO
>>136
村をAとBに置き換えろよ。分かりやすくなるから。

A(かんひもを作った)
B(かんひもを仕掛けられた)
AがBに仕掛ける
Bは気づきAに仕掛け返す
Aはそれに気づき呪詛返しを防ぐため道祖神を配置

ってことだから”その村人”てのはAのこと。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 10:59Comments(0)怖い話

2010年03月09日

心霊イイ話 兵隊さんと分け合ったミロ

兵隊さんと分け合ったミロ


724 コピペ1 sage 2006/01/22(日) 17:27:35 ID:ykldhVd50
不思議な体験エニグマからコピペ

808 1/3 sage New! 2006/01/22(日) 01:18:36 ID:0xPCHD5z0
こわい思いをしていないからこのスレに。少し長いです。

子どもの頃、いつも知らない人が私を見ていた。
その人はヘルメットをかぶっていてえりあしに布がひらひらしてて、
緑色の作業服のような格好で、足にはほうたいが巻かれていた。
小学生になってわかったが、まさに兵隊の格好だった。

その兵隊さんは私が1人で遊んでいる時だけでなく、校庭で遊んでいる時や
母と買い物でスーパーに行った時、いつでも現れた。
少し離れたところで立って、私を見つめている。
自分以外には見えていないし、いつもいつの間にか消えている。
私も少しはこわがってもよさそうなものだったが、何せ物心ついた時から
そばにいるし、何よりその人から恐怖心を感じるようなことは全くなかった。
きりっとしてて優しげで、古き良き日本人の顔って感じだった。



725 コピペ2 sage 2006/01/22(日) 17:28:07 ID:ykldhVd50
809 2/3 sage New! 2006/01/22(日) 01:19:32 ID:0xPCHD5z0
やがて中学生になった。ある日いつもと違うことが起きた。
テストを控えた寒い日、夜遅くに私は台所でミロを作っていた。
ふと人の気配がしたので横を見ると、兵隊さんがいた。
けれどその日は手を伸ばせば触れるくらいそばにいた。
ぼけた私が思ったことは「意外と背低いんだな」くらいだった。
―それは何でしょうか?
体の中に声が響いたような感じだった。兵隊さんを見るとまじまじとミロの入った鍋を見ている。
ミロって言ってもわかんないよね・・・と思った私は「半分こしよう」と言って
ミロを半分にわけて、カップを兵隊さんに渡した。
―失礼します。
そう声が響いて、両手にカップを持ってふうふうしながら兵隊さんはゆっくり飲んでいた。
その時の兵隊さんの顔は、柔らかくてすごくうれしそうだった。
飲み終わって、また声が響いた。
―こんなにうまいものがあるんですね。
少なくて悪いかな、と思った私は「おかわりする?」と聞いたが、
兵隊さんはカップを私に手渡して、敬礼してふっと消えてしまった。



726 コピペ3 sage 2006/01/22(日) 17:28:48 ID:ykldhVd50
10 3/3 sage New! 2006/01/22(日) 01:20:56 ID:0xPCHD5z0
別の日に1人で家にいる時、クッキーを作っていた。
焼きあがり、冷まそうとお皿に並べていたら、人の気配がしたので窓を見ると、
庭先に兵隊さんがいた。
私はおいでよ、と手招きをしたが、兵隊さんはにこっとして首を横に振った。
あれ?と思っていたら兵隊さんは敬礼して、ふわっと消えた。
ヘルメットから出てる布がふわりとしたことを覚えてる。
それきり、兵隊さんは私の前には現れなくなった。

今でも兵隊さんのことを思い出す。
美味しいものを食べた時や料理が美味しく出来た時、
兵隊さん、どこかで美味しいもの味わえているかなあと。
  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 10:56Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年03月08日

泣ける話 21 ペットにまつわる感動話

No.489 ペットにまつわる感動話 より


12 :わんにゃん@名無しさん :04/06/05 08:45 ID:jTVnt4kr

ウチのオヤジも猫嫌いだったなー。近くへ寄って来るとしかめ面で追っ払ってた。
オヤジは晩酌が日課だったんだが家族が食事が終わってもいつも一人で台所のテーブルで
飲んで居た。
ところがいつの間にか飼ってた猫がオヤジの足元でツマミの刺身を貰うようになっていた。
猫が無言で足元に座るとオヤジもナイターを見ながら足元に刺身をちぎって落としてやる。
猫もさも当たり前のようにむしゃむしゃと食ってた。食い終わってから猫はいつも一声鳴いてから
その場を去るようになった。
しばらくして猫は病気で死んだ。
猫がお骨になって帰って来た日も仕事から帰ったオヤジはいつもと変わらず晩酌を始めた。
お袋がいつものように刺身をツマミにオヤジに出した。
オヤジが意外な事を言った。「オイ、多いぞ。食い切れん。猫に供えてやれ」と。

それから一週間オヤジは同じことをお袋に言った。
いつも一人酒に付き合ってくれた仲間へのオヤジなりの供養だったらしい。

もうオヤジも鬼籍に入って久しいがオレのオヤジの思い出の一端。



82 :わんにゃん@名無しさん :05/03/18 16:08:49 ID:qnTwmz8k

11年前の2月、何も無い湖の駐車場でガリガリの猫が寄ってきた
俺たちの前によろよろと来るとペタンと腹をつけて座った

「キタねー猫だなー」と思っただけで他に何とも思わなかった
猫を飼っていた彼女がその猫を撫でながら言った
「ここにいたら死んじゃうね」
ヤングだった俺は頭にきた
「何、病気なのか?死ぬと分かってて放っておくのは殺すのと一緒だろ!何言ってんだオメー」
そのまま膝の上に乗っけて車を運転して帰った

顔は目ヤニだらけ、鼻水で鼻はガビガビ、尻から出てきた回虫が俺のズボンの上を這っていた
コホコホ咳をして、くしゃみで車のドアはベトベト、痰でゴロゴロいっていた
「どうするの、その子?」
「治るまで俺が飼う」
「じゃあ名前は?」
「うーん…痰が詰まってるから…痰助」
「変な名前」
「うるせー」
風呂場で綺麗に洗って、シシャモとちくわを食わせた、びっくりする位食った
獣医に連れって行って虫下しと風邪の薬を貰って帰った
もともと飼い猫だったようで、トイレは最初からできた
ペットが駄目なマンションだし、治って暖かくなったら逃がすつもりだったが、1週間で方針を変えた

あっという間に倍くらいに太り、夕方になると玄関で俺の帰りを座って待つようになった
当時は分からなかったが、そうとう歳をとった猫だった
すごい食いしん坊だったが、歯が何本も抜けていて、毛も艶が無かった、一日中じっとしていた、走ることもめったになかった
ちょうど1年後、痰助は死んだ

板で小さな棺を作り、痰助に出会った湖の桜の木の下に埋めた
 
今になれば分かる
出会った日、あれは痰が詰まってたんじゃなく、嬉しかったんだと

たんすけのおかげで、俺はすっかり猫バカになった
今俺は10歳の小吉と6歳の良男と暮らしている

今日も壁に掛かったコロコロのたんすけが行儀良く座って俺を見ている

変な名前付けて悪かったな、たんすけ
でも、今うちにいるやつらもみんな変な名前だから、勘弁しろよ



105 :パパ :2005/04/07(木) 07:01:09 ID:hkIiA9/j

昭和の終わり1987年の秋頃、
父親と同じ会社に勤める人の近所で子犬が産まれた。

最初に父親が子犬の話を持ってきたとき、
「絶対に世話をしないから」と母親は猛反対。
兄弟三人は「絶対に散歩するから」、
「エサ代出すから」と母親を説得した。

犬を貰いに行くとき、当時小1の末妹を含め父親と兄弟三人で行った。
自分は雌犬、末妹は雄犬が欲しかったが、二人でジャンケンし、末妹が勝った。
その雄犬は自分の手の中で眠りながら、家に来た。



106 :パパ :2005/04/07(木) 07:02:02 ID:hkIiA9/j

最初、犬の世話は兄弟三人でやった。
犬の名前をどうしようかと悩んで、一ヶ月近く名無しだった。
犬を飼うのが嬉しくて、学校から帰る都度、
兄弟それぞれが散歩に連れていった。
でも犬が大きくなってくると、母親が結局一人でやるようになった。

それから、10年近く、

2000年春に末妹は「犬の世話をする」と獣医学科に入った。
末妹の進路に大きな影響を与えたと思う犬は2003年秋に16歳で亡くなった。
貰われてきた時と同じく、自分の手の中で息を引き取った。

ラッキー、元気かい?
おまえの正確な誕生日を聞いておかなくて本当にゴメン。
おまえが夜泣きしてるときに、叩いて叱ってゴメン。
おまえがいなくなってから、みんな寂しいよ。
これからも家族みんなを見守っててくれ。



159 :ケイ :2005/05/12(木) 15:05:10 ID:bwuq6tvZ

私が物心ついた時から家にシェパードがいた。
名前はビル。近所に事件がおこったりすると警察がビルを借りにきたりしていた優秀な犬。
茶色の目でまっすぐな優しい目でいつも私の事みていてくれた記憶がある。
ビルは本当に大きくて、ビルと一緒にいると、大人しい私が何だか自分まで強くなるようで誇らしかた。
大好きで大好きでビルの小屋で一緒に寝たいと、両親を困らせた事もあった。
夏休み友達が遊びに来た時、些細な事でケンカしてしまい友達は帰ってしまった。
(お人形を頂戴といわれ断ったのが原因)
めったに吠えないビルの声が聞こえてびっくりして外にでた。

友達がビルに石を投げていた。走っていって友達を突き飛ばしてしまった。
ビルはその間ずっとほえていた。
幸い友人の怪我はうちみ程度ですんだが、当然私は両親と相手の両親からもこっぴどく叱られた。ただ、おばあちゃんは「○○子が理由もなくそんな事はしない」と言ってくれた。友達は複雑な顔でそっぽを向いていた。
次の日の夕方ビルの散歩に行った時、小川でビルが水を飲んでいるところをボ~っと座ってみていた。
ビルが隣に来ていつも通り横に座った。暑かったけど心地よくって離れたくなかった。
ビルの目の上には石をぶつけられた時の傷があった。



161 :ケイ :2005/05/12(木) 15:19:03 ID:bwuq6tvZ

悔しくて悲しくて涙が出てきた。大声で泣いてしまった。その時ずっと私のほっぺをなめていてくれた。
その時「もう大丈夫だから泣かないで」と誰かが言った。
びっくりして後ろを向いても、どこを見ても誰もいない。
ビルの顔をみるとジッと私を見ている。
又「大好きだから泣かないで」って聞こえた。
れから家に帰って父や母にこの事を言っても笑って信じてくれなかった。
おばあちゃんだけは信じてくれた。
私が大学に入って、しばらくしてビルは死んでしまった。老衰でした。
それから動物を飼うことはなかった。
今思うと子供の想像力か、単なる幻聴か情緒不安定な時でそんな声が聞こえたのかと思う時がある。
でも幻聴でもなんでもいい。私を励まそうとした事は確かだった。

大学を卒業し、普通に就職、そして結婚した。
今年の結婚記念日に主人がプレゼントを買ってきてくれた。
首にピンクのリボンをつけたシェパードの子犬だった。
あの目、ビルの目。大泣きしてしまった。
私の泣きっぷりに主人はびっくりしてたけど理由を話したら「大事にしような」と言ってくれた。
現在私のお腹には7ヶ月の女の子がいる。
二代目ビルとお腹にいる子供が良い関係になれたらいいと思っている。



61 :わんにゃん@名無しさん :05/01/08 07:17:07 ID:QokVWUb4

昔犬を飼ってた。確か柴犬だった気がする。
当時まだちっちゃかった俺にとって柴犬でも大きく見えてちょっとビビッてたw
でも今考えるととても温厚な犬で、吠えられるどころか顔をなめられた記憶がある。

このスレみててその犬のこと思い出しちゃったよ。

俺が4~5才くらいのときに死んじゃったんだけど、まだその頃は死ぬとか良く分かってなかったな・・
俺が覚えてる最初の犬だ、今度帰ったら手を合わせてこよう。

確かあのみかんの木の下だったな。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 16:40Comments(0)泣ける話

2010年03月08日

泣ける話 20 恋人からの大きな愛情を実感した出来事

No.490 恋人からの大きな愛情を実感した事 より


1 :恋人は名無しさん :2007/01/23(火) 16:27:09 ID:8O1hfy/10● ?2BP(4658)

恋人からの大きな愛情。
「ここまでしてくれるなんて…」と感動してしまったような素晴らしい出来事。




531 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 13:43:50

俺には3年付き合った彼女がいたんだけど、2年前のある日彼女が事故に遭いました。
(俺と会う約束をしてて青信号を急いで渡ってたら右折した車にはねられた。)

すぐ病院に運ばれた彼女はなんとか一命をとりとめたんだけど、生きてるのが奇跡ってぐらいの大事故で、
下半身不随、顔面マヒ、右足切断はのがれられない状態になってしまった。

だけど俺、馬鹿なことに彼女が事故にあったなんて全く知らなくて、彼女が事故にあった日も普通に家で彼女を待ってていつまで待ってもこないし電話も繋がらないからイライラしてたり心配したりしてた。

彼女の両親に連絡したら「今は家にいて勉強してる」とか言われるし、
「俺もう無理なのかな?なにか怒らせたのかな?」とか
へこみまくる毎日を過ごしていたある日、彼女からやっと一通のメールが。

『わかれよう』

見た瞬間「あぁ、やっぱり」って思って涙が止まらなかった。
電話をしてもでないし、メール送っても返事はなかった。



534 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 14:01:02

あれだけ仲よかったのに、こんな終わり方とかどぉなんだよ!
と毎日怒りと悲しみで荒れ狂いながら友達と失恋の痛みを癒すために朝まで飲み歩いていた。

半年ほどたったある日彼女の妹と偶然近所のコンビニで会った。(彼女とは地元が一緒)
俺の姿をみてビックリする妹に俺は笑いかけながら「元気?○○(彼女の名前)も元気にしてる?」と聞いたら、妹はうつむいて何も話そうとしませんでした。

「どしたん?」言いながら妹の頭を撫でてやると意を決したように
「お姉ちゃんのことまだスキ?」と聞かれました。
「めちゃめちゃ大好きだよ~」って苦笑いした途端妹の目に涙があふれでてきて、
「お姉ちゃんも●●(俺の名前)のこと大好きなん。●●を会わしたいよ」って泣きながら言われました。

テンパる俺に妹が涙目で見つめながら
「●●はどんな姿のお姉ちゃんでも好きですか?」と聞いてきた。

そして俺はやっと勘というものが働いた。
「○○になにかあった?」
ゆっくり頷く妹をみて俺の目の前は真っ白になった。



536 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 14:19:00

聞くと半年前、俺と遊ぶ約束したあの日に彼女は事故に遭った。
『わかれよう』ってメールは彼女に頼まれて妹が打って送ったという。

「お姉ちゃんは今右足ないし、ほとんど喋れないし、オシッコも一人でできないし、字もかけないし、ケイタイも触れない。
 でも●●からのメールや電話がある度に嬉しそうにしたり悲しそうにしたりしてる」と。

俺は本当に自分が馬鹿だと思った。
悔しくて悔しくて仕方なかったし、なんで第6感が働いて彼女の危機を知れなかったのか、
もっと彼女の状態を知ろうとしなかったのか。
本当に悔しくて悲しくてその場で号泣してしまった。

彼女の妹(あ、言い忘れてたけど彼女の妹は当時小4で、俺と彼女が19歳でした。)と喫茶店で色々話をした。
彼女の今の状態、今でも俺が大好きでよく泣いてること、
「こんな状態で生きてても辛いだけ、楽しくない」って何度も自殺未遂を犯したこと。

今の彼女の姿をみて俺は普通を装えるのか?
不安になりながらも俺は彼女に会う決心をしました。



537 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 14:36:13

病室に入るとそこは無人でした。
「この時間はお姉ちゃんトレーニングの時間だからあと20分ぐらいしたら帰ってくるよ」
妹が時計を見ながら言いました。

部屋を見渡すと、ベッドには俺との写真や、二人でUSJに行った時に買ってあげたぬいぐるみが飾られ、
カレンダーには俺たちが付き合った7日の所に赤でいびつな形のハートマークが書かれていた。
動かしにくい手を動かして書いてくれたんだなぁと思いながら、色々な所に目をやる。
部屋にはかすかに彼女の匂いがするような気さえした。

椅子に座って妹と話をしながら待つことにした。1分1分が物凄く長く感じる。
そして妹が言っていた予定時刻になった途端、ノックと同時に病室の扉が開いて車椅子に乗った彼女と付き添いの看護婦さんが現われた。

彼女が俺をみた途端動きが止まる。
俺は彼女に会ったら変わり果てた姿をみて泣いたり、ひいてしまったり、
普通に接することができないんじゃないかと不安だったけど
彼女を見た途端俺は嬉しくて嬉しくて嬉しくて気付いたら彼女を抱き締めていました。



539 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 14:53:35

抱き締めた彼女は折れそうなくらい細くなっていて、髪の毛からは俺の知ってるシャンプーじゃない匂いがしました。
でもすべてが彼女で懐かしくてたまりませんでした。

「なんで言ってくれんかったん!」更に力を込めてぎゅー!と抱き締めた。
「○○・・・」彼女が一声一声をしぼりだすようにして俺の名前を呼んだ。

彼女の顔を見ると、涙があふれていて、俺もつられて泣いてしまった。
・・・カッコ悪くてごめん。
気付いたら看護婦さんも妹も病室にはいなかった。
きっと気をきかせてくれたんだろう。
彼女の顔をマジマジとみる。
口が閉まらなくなってしまったようだが、目元や口元にあるホクロは俺のよく知ってる彼女だった。

そして彼女にキスをして、
「気付いてやれんくてごめんな、ホンマ大好きやからもう一回付き合ってください」
ってまた彼女を抱き締めました。

彼女は泣きながら何か言いましたが聞き取れませんでした。
俺が聞き返そうとすると彼女は無言で何度も頷いてくれた。

「どんな姿の○○でも俺には必要な子だからね、
 ホンマに付き合ってくれてありがとう!」
って言いながら彼女の涙を何度も拭き取りました。



543 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 15:51:12

で、俺たちは晴れてまた付き合うことができました。
足がない分俺が彼女の足になって支えるし、
Hはできないけどキスできるし彼女とまたこうして隣同士でいれて幸せです。

そしてついこの間、彼女がリハビリを受けてる間に机を開けたら一冊のノートがでてきました。

こっそり中をみてみると、どうやら字を書く練習をするためのノートのようで、一冊まるまる使いきっていました。
ガタガタの歪みきった字で『1』とか『2』とかいった数字や、『りんご』『あかあお』といった簡単な単語が並んでいました。
そしてどんどんとページをめくっていくにつれ、俺の名前をたくさん練習した形跡が。
『●●に会いたい』
『●●大好き』
『●●つらいよ』
『●●にあえなくてさみしい』
といった文章がたくさんでてきました。

離れ離れの間俺のことをこんなにも必要としてくれて想ってくれてたのかと思うと涙がでてきました。
本当に彼女に出会えてよかったです!
で、今自分を振り替えるためにこの話を打ちながら婚姻届を貰ってきました!
今から彼女に渡します!










557 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 21:22:32

彼女に婚姻届け渡してきました!
彼女は泣きながら喜んでくれました。彼女を抱き上げて一緒に喜びました。
彼女のご両親にも『大学を卒業したら是非』と承諾を貰いました!(俺は今4回生なんで。)

「●●は私なんかでいいの?私こんなんだよ?もっと素敵な人いるよ?」
って彼女があんまり不安そぉだったけど、
「いやいや、俺が○○じゃないと駄目やの。俺のワガママやの」
って返したら更に泣かれました(苦笑)

ちなみに俺たちは高校時代から付き合いました。
お互い両想いなのに気付かず、目が合うだけでドキドキした1年間を過ごし、
やっと勇気をだして告白したらなんと彼女も俺と同じだったんです。笑

付き合ってから毎週月水金は必ず手作りのお弁当を作ってくれました。
俺が受験の時は手作りのお守り作ってくれたり、
とにかく常に俺の側にいて俺を暖かい愛情で包んでくれました。
お互い実家も近いため、高校時代は彼女を自転車の後ろに乗せて毎日通学して、
まわりも公認のバカップルでした。笑
二人でフランス旅行にいくためにコツコツ貯めたお金も、
3年間で30万以上貯まりました。



558 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 21:30:06

だから結婚するのは当たり前だと思ってたし、彼女以外ありえないんです。
だからみなさんが俺のことを「すごい!」っていうけれど、ある意味俺のワガママなんです。(苦笑)

彼女の愛情がないと俺は駄目になっちゃう男なんです・・・笑
彼女と付き合い直して1年半がたちました!
俺が今彼女から感じてる大きな愛情は、
毎月の記念日に時間をかけて一生懸命書いた愛情たっぷりの手紙をかかさず貰えることです!











559 :恋人は名無しさん :2006/11/06(月) 21:34:07

>>558
スレタイ通りに彼女もあなたに対して感じてると思いますよ。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 16:36Comments(0)泣ける話

2010年03月08日

泣ける話 19 嗚咽

No.491 嗚咽 その7 より


650 :威月 ◆KqZQ//HYDE :05/01/19 05:51:48 ID:l7flPOtp

9歳の時、お父さんが車を使い排ガス自殺した。
私はお父さんが遺書を書いていたところを見ていたのに、それと気付かず…

幼かった私はお父さんがうつ病だと知らずに、仕事を休んでいたのをズル休みだと言ったり、汚い言葉を吐いた。
でもお父さんは私を叱ることなく困ったように笑っていた。
「○○(名前)、お父さん体良くなったらステーキでもなんでも食べに連れていってやるぞ」
反抗期で機嫌が悪くなるとこう言って私の機嫌をなおしてくれた。

お母さんの作るレバニラ炒めが好きで、死ぬ少し前、夕飯の残りのレバニラ炒めを一人で泣きながら食べていた。
今思えば遺書といい、予兆はたくさん出ていたのに…
お父さん、ごめんね…私気付いてあげられなかった……。


今年6月、私はかなり年上の彼と結婚することになった。
お披露目もかねてお正月の挨拶に二人で実家に行った時、親戚のおばちゃんたちがくちぐちに
「利行(父)にそっくりな人だねぇ」
と。
…言われるまで気付かなかったよ…
思わずみんないるところで号泣してしまいました(´;ω;`)

お父さん、私あの人と幸せになるよ。
お父さんは私を絶対嫁に出さないって言ってたけどねf^_^;
でも、あの人は本当に私を大切にしてくれるから!
だからずっと見守っていて下さい…



695 :687 :05/01/29 02:45:44 ID:fiw2yBFJ

まず、俺の婚約に泣いて喜んでくれた友に感謝したい

11年も前になるが、俺には婚約者がいた
彼女は両親と姉を交通事故で亡くし、自身も聴覚と右腕に障害を負っていた
そんな境遇のせいか、俺と付き合っていた頃は暗くて泣いてばかりの記憶しかない
(彼女の同級生に昔の話を聞くと、明るい感じのイメージが残っているらしいが)

俺は当時、仕事がかなり忙しく、式の日取りとか決めなきゃなーと思いつつも
なかなか会えない日々が続いていた
たまにしか会えなかったが、会う度に嬉しそうな顔をする彼女が本当に愛しかった..

ある日彼女は失踪した

慌てて警察に届け出たが、対応は恐ろしく冷たかった
家族でない俺が届け出たことで、逆に疑われていたようだった
結局、今も彼女の行方は知れないままだ

失踪当初は警察への怒りで満ちていたが、時間が立つにつれ自己嫌悪にまみれていく
精神安定剤を飲んでいた事も知らなかった
いつも泣いていた彼女を支えられなかった

それからと言うもの、生活も荒み転職ばかりしていた
女性と付き合うのも怖いと感じるようになっていた
自分が許せなかったのもあるが、何よりも恋愛に傷つくのがとても恐ろしかった

あれから11年。友の叱咤激励に押され、ちょっとづつではあるが気持ちの整理がついたと思う
新しい彼女との婚約を友に報告すると、

「お前は色々苦労したからな、幸せになれ」

と泣いてくれた
なんでお前が泣いてるんだよ! と思ったが、もう涙でそいつの顔見えないや

なれと言われるまでもなく俺はもう幸せです。

あと、4年前と2年前に死んだ、お袋と親父に
「孫の顔見せられなくてごめん。でも俺なんか幸せかも」



712 :大人の名無しさん :05/02/02 18:46:14 ID:jWN7gCbd

俺が小3の時、ガンを患っていた母が亡くなった。
それから父は、俺と当時2歳だった妹の世話をすることになった。
慣れない家事と仕事の両立に父は懸命だった。
当然遊び盛りだった俺も否応なく、家の事を手伝わせられた。
なぜ母を奪ったのかと、ずっと己の不幸を呪い、この世に神様はいないと天を恨んだ。

やがて幼かった妹にも手がかからなくなり、俺は高校へ進んだ。
学費はバイトを始めることで何とかなった。

ところが妹も小学校の高学年に進み、胸が膨らみ始めた。
これまで恥を忍んで妹の下着を買って来た父も、ブラジャーなど買った
ことがあるはずもなく、途方にくれていた。
そんな時、俺にバイト先で知り合った彼女ができた。
事情を話すと、彼女は妹と一緒に下着を買いに行ったり、生理用品の事など、なにかと妹の面倒を見てくれた。


当初戸惑っていた妹も、やがて彼女を実の姉のように慕うようになった。
彼女が遊びに来て4人で食事をしていた時、母が死んで以来やめていた酒を父が久しぶりに飲んで酔っていたのをはっきり憶えている。
俺は亡くなった母が彼女と俺を引き合わせてくれたのかと、神様に深く感謝した。

母がいないことをのぞいて、やっと普通の家庭とはこんなものなのかと思える日々が訪れた。
そして社会人となった俺は彼女と結婚した。父と妹も、もちろん祝福してくれた。
父は定年退職したが、子会社のちょっとした役職で再雇用して貰えたと嬉しそうに話していた。


そんなある日、高校生になっていた妹が突然交通事故で死んだ。
葬式の数日後、父は会社に辞表を出し、俺は悲しみで何をする気力もなかった。

妻は父と俺のそんな気持ちを察してか、
妹の遺品を全て処分しようとして妹のタンスから
最初に買ってやったブラジャーを見つけて、泣き崩れた。

あの日から、俺は神も仏も信じられなくなった。



790 :大人の名無しさん :05/02/20 12:08:16 ID:GpnFoYJu

うちのかーちゃん 
おやじの酒乱で離婚 
以後3人の子を一人で育てる 

姉貴二人遠くに嫁ぐ 
俺とかーちゃん二人暮らし
かーちゃん 
酒を飲むようになる 
度を越すようになる
俺に怒られるから隠れて飲む。
友達から「電話したらお前のかーちゃんまたよぱらってたぞ」と言われ 
怒ってかーちゃんを蹴っ飛ばす 
「クソババー てめー電話出るなこの!!」
「お母さん飲んでないよ」
ろれつが回らない言葉で俺に許しを乞う 
それを聞いてまたかーちゃんの頭を思い切りひっぱたく

そんな日が続いた

結婚が決まった 
嫁と2人きりで海外で挙げた。
かーちゃんには式の写真とビデオをやっただけ 
嫁にも極力合わせないよーにしてた 

別々に暮らして半年 
ある日夜遅く保険の証書を取りに実家に帰ると真っ暗な部屋の中 
テレビのあかりだけ 
その前にかーちゃんがボーッと正座していた 
「こんな夜中に何やってんのよ
 またさけ飲んでるのかこの野郎っ」
叩こうと思ってふとテレビを見ると 
俺の挙式のビデオだった   

「叩かないで
 ごめんね
 ごめんね」
  
ろれつが回らない言葉で這いつくばって懇願するかーちゃん 
俺はぼーぜんとした

毎晩一人ぼっちでこのビデオを見てたのか・・・
ごめんねお母さん 
本当にごめん。もう叩かないから
来週嫁さんと一緒にどっかおいしいものでも食べに行こうよ。














昨日の晩 
母と嫁と食事してきました。

「嫁さんが母さんとメシ一緒に食べたいんだってさ」

って言ったら喜んでた。自分がビール飲みながら
「母さんも1杯どう?」
て言ったら
「私はいいから」

って・・無理すんなよな 
嫁に嫌われたくないのだろうか

一生懸命嫁に俺のこと頼むって 
優しい子だからって 
親バカだなー

嫁さんニコニコして頷きながら聞いてた。
母さん嬉しそうだった。



896 :大人の名無しさん :05/03/08 10:32:35 ID:B2ZTecn2

小学校入学を控えた長男のもとに、新しい学習机が届いた。
無邪気に喜ぶ長男は同じ歳で白血病になり天国に行ってしまった実弟と
同じ笑顔をしていた。

涙が止まらなかった。わあわあ声上げて泣いた。




897 :大人の名無しさん :05/03/08 12:05:52 ID:x/fgHAEW

>>896
あなたは女性(姉の立場)ということでよろしいのでしょうか。
いえ私も姉&弟の構成なので…
もし自分だったらどうだろうと我が身を重ねてしまいました。

あなたの弟さんを思う涙とお気持ちはきっと天まで届いていますよ。




898 :896 :05/03/08 17:30:04 ID:B2ZTecn2

>>897さん
レスありがとうございます。恥ずかしながら、また泣けてしまいました。
私は姉の立場になります。
といっても、6年しかねーちゃんやらせてもらえなかったんですけどね……。

弟とは年子なので1歳違ってたんです。私は弟のことが大好きでした。
入院したのは小学校入学して最初の夏休みからでした。
母からは「長い風邪だ」と聞いてたんで、すぐ治ると思ってましたが
よく考えれば母はもうその時に病状を知っていたんでしょうね。

入院中に母に買ってもらったアニメのまくらを、弟は
「これねーちゃんが好きだから、ねーちゃんにあげて」って言ったらしいんです。
まくらをもらったとき、私は弟に
「お返しに退院したら大好きな超合金のおもちゃをおこづかいで買っちゃるね」
って約束していたんです。弟はとても喜んでいました。
でもその約束は果たせませんでした。退院したらじゃなくて、すぐ買えば良かったです。
当時小学2年生の私は「入院しても必ず退院できるもの」と思ってましたから……。

来週にはランドセルが届きます。その時また泣くんでしょうね。
だって息子…… 弟にすごい顔が似てるんですもの。




899 :大人の名無しさん :05/03/08 17:34:46 ID:3RHg1b5M

>>898
ねーちゃん大好きだから生まれ変わったんだよ。
今度は楽しい思い出いっぱいいっぱい作ろうね!



900 :896 :05/03/08 17:46:01 ID:B2ZTecn2

>>899さん
ありがとうございます。勿論、息子達(2人いますが)とは
弟の分まで精一杯幸せになってほしいし、楽しい思い出を
家族で作ろうと思ってます。

あと…… 母にも一杯親孝行したいです。
今になって、看病してる母がどれだけ辛い思いでいたか分かったような気がします。
以前
「○○と××(長男と次男)に遊べるおもちゃいっぱい段ボールにしまってるけど、
なかなか開けられんのよね」

といったときの、寂しそうな表情が忘れられないんです。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 16:32Comments(0)泣ける話

2010年03月08日

泣ける話 18 家族との思い出②

No.495 思い出してホローリくる家族との思い出Part2 より


529 名前:おさかなくわえた名無しさん 投稿日:02/05/21 22:44 ID:???

高校時代、母親が嫌いでした。
嫌いというか、うざったいというか、まあそんな感じで。
特に受験期なんて「うるさい。默って。」位しか口にした覚えがないです。

そして、大学に受かって、一人暮らしを始めて2年半位。
いい加減反抗期(?)も過ぎて、どうにかコミュニケーションをとろうとしていた時期。
実家の妹からの電話で、どうも母親の調子が悪いということを聞きました。
私は、母と電話を代わって貰い「早く病院行って見てもらいなよ」と言いました。
家族らしい会話の仕方が分からなくて、凄くたどたどしい言い方だったと思います。
母は「病院に行って、もし入院でもさせられたら嫌じゃない」と言って笑っていました。
ちなみに、妹に聞いたところによると
母は「『お姉ちゃん、急に良い子になってびっくりした』って言って笑ってた」そうです。

それから何ヶ月後の年末、久しぶりに私は実家に帰りました。
出迎えてくれた母の顔がいやにこけていて、見た瞬間恐怖を感じたのを覚えています。
「まさか」とか思いつつ、その正月は父が、私と妹にお年玉を渡すのと一緒に
母にペンダントを贈ったりして、凄く「家族」というものを実感した数日でした。
父が母に何かを贈るのなんて初めて見たんです。

そしてその年の4月11日23時半くらい、父からの電話で、母が亡くなったことを知りました



530 名前:529 投稿日:02/05/21 22:45 ID:???

本当は全然急じゃ無かった筈なんですが、その時の私には急で、全然実感が湧きませんでした。
その日は遅かったので、寝て、起きて、準備して、電車に乗って、
ホントにその間、泣きもせず、喪服が無い…なんてことを考えていました。

でも、実家のある駅まであと10分位になった時、急に
「次に帰ったら、グラタンとロールキャベツ作って貰おう」
と思っていたことを思い出して、そしたら馬鹿みたいに涙が出てきました。
悲しいとか淋しいとか後悔とか、全部いっしょくたになって。

母は、その頃もう、滿足に食事をしたり、歩いたりも出来ないくらい悪かったそうです。
父は、同じ家にいた自分が助けてやれなくて、と泣きました。
私は、そんなこと、全然知らなかったんです。

あれだけ兆候はあったのに、どうしてもっと気にしてあげられなかったんだろう。
私は、ひねくれたまま家を出てそのままで、「ありがとう」の一言も言ってないです。
高校時代、ずっと酷いことしか言わなかったこと。
それでも母は一度も本当に怒ったりしなかったこと。
私が母の体を心配した時の母の言葉、手料理、小さい頃抱きしめて貰ったこと。
ふとした瞬間に思い出して、泣きたくなります。



738 名前:おさかなくわえた名無しさん 投稿日:02/06/17 22:19 ID:KNaJf8JV

高校を卒業して初めての一人暮らしへの旅立ちの日の朝。
私は前の日に原因は忘れちゃったけどささいなことでお父さんと喧嘩してた。
それでもおばあちゃんに
「お父さんに一言くらいは何か言っていきなさい!」ってうるさく言われて
ちょっと気まずいながらも洗面所で顔を洗ってた父のもとへ。
それでも意地っ張りな私は何ていっていいか分からず、一言
「・・・行って来るね。」ってぶっきらぼうにつぶやいた。

父は何も言わなかった。でも、洗った顔をタオルでごしごしこすりながら
目を真っ赤にしてるのを見たとき、初めて父が泣いてるのに気づいた。
何も言わなかったけど、お父さん実はすごく淋しいんだろうなーって思ったら
私も駅までの道で涙を抑えずにはいられなかった。



799 名前:おさかなくわえた名無しさん 投稿日:02/07/23 01:32 ID:tHmWWTGI

小さい頃から無口で無愛想でたまに喋っても何かと理屈ばかりの
いわゆる理系の人間で俺のことに関しては何も言わず無関心ぽい感じだった。

精神論て概念なんぞ何一つ持ち合わせてないロボットみたいな父親だった。
そんな父親の背中を見てきたせいか俺は友達も少なく、外にも出ないので
激しく世間知らず、と自分で言うのもなんだけどかなりのダメ人間だった。

そんな俺は18になって本格的に自分を変えようと父親に「東京の大学へ進学する」と言った時
てっきり、しっかり勉強しろよとかロクでもない事言うのだろうと思ってたら
「自分の目で都会をしっかり見て来い」と言った。
なぜか涙が止まらなかった。

あとから母に教えてもらったけど俺の大学進学費用をかなり貯めていたらしく
俺の知らない学資保険まであった。地元の大学なら余裕でおつりが出るくらい。
俺が都会の大学に進学するだろうと、父親が車も買わずにかなりつぎ込んでたらしい。

てっきり無関心かと思ってたらちゃんと俺の事を考えていてくれた事が分かって今頃感動してしまった。



916 名前:おさかなくわえた名無しさん 投稿日:02/09/16 20:51 ID:QtfVTqYI

妻と結婚する前、THE BLUE HEATSのライブを見に行った。
まだその頃はあまり有名ではなく、俺はあんまり乗り気じゃなかった。
しかし、そいつらの姿を初めて見た時はびっくりした。
そこら辺のダメ人間の集まりみたいな奴等だった。
しかし、その格好とは裏腹に心に残るなんとも言えないメロディーに俺は魅かれた。

二年後、結婚して息子が生まれ3人でまたライブを見に行った。
その時の最後に歌ったリンダリンダがとても印象的で、俺はわけも分からず涙を流した。
それから3ヶ月後、妻は交通事故で急逝した。

俺は半場ヤケにながらガムシャラに働いた。
息子が母親がいない事を馬鹿にされない為に料理も母に簡単な物を教わり寂しくない様
なるべく家にいるように心がけた。
息子も気を使ってくれ、俺に文句は一つも言わなかった。

今年息子も中学生なり、だいぶ手が離れ俺はゆとりを持てるようになってきたある日
飲んで帰ってきた時、頭にあの歌が響いてきた。

幻かと俺は思い辺りを見回した。
すると、息子が大音量で物いれから引っ張ってきたリンダリンダを聞いていた。
息子がライブの事を覚えてる訳はないのだが俺はたまらなく悲しくなってきて、家を出て近くの公園で泣いた。



881 名前:おさかなくわえた名無しさん 投稿日:02/09/06 19:01 ID:ZXug+wTu

母の余命が長くても3ヶ月と言われた頃、一週間の休みを貰って地元に帰った。
母の最期の外泊許可が出て姉の家にみんなが集まった。
母は座っているのも辛いようで、ずっと横になってばかりいた。

地元に帰る前、どうしても母の作ったおにぎりが食べたいと思っていた。
最後になるだろう母のおにぎりを味わって食べようと思っていた。
別におにぎりが好きな訳でも、思い出がある訳でもない。
ただ無性に母の作ったおにぎりが食べたかった。
でも横になってばかりいる母を見て、とても言い出せなかった。

3時頃、お腹がすいたので「なんか腹減ったなー」と独り言を
言ったら母は立ち上がり、なんとおにぎりを作り出した。
どこか痛いのか、顔をゆがめながら作ってくれた。
食べながら涙が出てきた。止まらなかった。

甥っ子が俺の方見て「からいの?」なんて聞いてきたら笑いながら号泣した。
母は作り終わった後、相変わらず横になって苦しそうにしていた。

それから2ヵ月後、母は亡くなった。
俺の子供の顔を見ることも無く。
何が言いたいのか自分で分からなくなってきた。

親孝行したい時には親はなし

親孝行したいと気付いた時にはもう遅い


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 12:19Comments(0)泣ける話

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アマミちゃん(野崎りの)
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小さい頃の夢はマザーテレサとジャンヌダルクでした。
あれから20数年、今では立派なメタボとなりました。