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2011年10月04日

心霊イイ話 縁




942 本当にあった怖い名無し sage 2011/04/30(土) 11:18:38.63 ID:rQ5QpZpP0
スレチだったら、ごみん。

174 :本当にあった怖い名無し:2011/04/25(月) 13:20:27.32 ID:FXE7P+OE0
私の父が、結婚前に私の母の実家に泊まった時の話。

父の夢に「カズ、カズよう」と呼ばわる猫が出てきた。
頭のてっぺんと尻尾の先だけが丸く黒い特徴的な猫で、
夫の顔を覗き込んで、これは違うと言いたげに首を振って
「カズよう、カズよう」とどこかへ行く夢。

2日連続で同じ夢を見たので気味が悪くなって、母に話したら、
ご近所にそれとそっくりな猫が居ついていると言われたそうだ。
居つかれた家では迷惑そうだったので、
これも何かの縁と父が当時住んでいた実家に連れて帰ったところ、
離れに住んでいる独身の叔父(私から見て大叔父)に懐き、
死ぬまでずっと離れで暮らしたとか。

叔父の名前は「カズユキ」。
どういう縁かは知らないが、わざわざ探してたんだなあ、という話。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 19:12Comments(1)心霊ちょっとイイ話

2011年10月04日

心霊イイ話 親子喧嘩

親子喧嘩


963 こぺぺ sage 2011/05/07(土) 09:19:56.86 ID:4jw2/ZYIP
191 :本当にあった怖い名無し :sage :2011/05/07(土) 03:48:18.69 ID:7QlTRPRG0(3)
来年定年を迎える親父から聞いた話。
うちの実家は代々男たるもの・・・みたいな気風があったらしく、男児は皆何かしらの武術を嗜むのが暗黙の了解だったそうだ
親父の親父(父方の祖父)はその中でも傑出してて、空手・柔道・合気道・刀剣術・銃剣術なんでもあり。戦地も経験済で、いかつい大男だったそうな。
親父も子供の頃、祖父から空手を習ったがまるでモノにならず、よく鬼のような顔した祖父に木刀で頭や尻をひったたかれたらしい。
で、大人になった親父は家を出て働こうとしたんだけど、英才教育(?)が祟ったのか、威勢が良すぎてどこの同僚とも上手く行かずにクビ続き。
酒と女に溺れ、今で言うDQNニートになっていた。女のとこ行ってたから引きこもりではなかったらしいけど。


192 :本当にあった怖い名無し :sage :2011/05/07(土) 03:49:04.13 ID:7QlTRPRG0(3)
そんなある日、悪い仲間と酒を飲み、女を抱き、泥酔して部屋に戻って眠った親父。
すると部屋にいきなり、日本刀を抜いた祖父が怒鳴りこんできた。

「今までは若さゆえそういうこともあろうと見逃していたがもう我慢ならん。我が家の男児として恥ずかしくないのか」

親父は仰天したものの、酒に酔い、血気盛んであったので

「抜き身で現れるとは、親父こそどういう了見だ。耄碌したか、ヒヒ爺め!」と殴りかかった。

二人はしばらく争いあったが、もともと威勢だけの親父は祖父に散々にぶちのめされ、泣いて土下座した。
祖父は親父に数時間(体感時間だそうだ)説教した後、「心を入れ替えなければ何度でも来るぞ。いいな、いいな」と何度も念を押して帰っていった。




964 こぺぺ つづき sage 2011/05/07(土) 09:20:56.91 ID:4jw2/ZYIP
193 :本当にあった怖い名無し :sage :2011/05/07(土) 03:50:16.83 ID:7QlTRPRG0(3)
そこで親父ははたと目を覚ました。散々暴れたはずの部屋の中も特に乱れた様子はない。しこたま殴られ蹴られたはずの体、アザも痛みもない。
夢だったのかと首を傾げるも、あの生々しさは心に残った。
そして次の日。祖父が業病に倒れたという知らせが入り、葬式をするので戻ってこいという連絡。
祖父の顔には大きな青タン、頬は真っ赤に腫れて、まるでどこかでケンカでもしてきたかのようだったそうだ。
親父は仰天し、祖母に聞いてみると、昨日、親父が寝ているはずの部屋から人が暴れるような音が聞こえ、様子を見に行ってみるとそうなっていたとのこと。
親父は感極まって、昨日の夢の話をし、親族全員で号泣したそうだ。それから親父は心を入れ替え、会社に勤め、母と出会い、俺たちを育て、今こうして話している。
親父は「出来の悪い息子を殺すつもりで来たのだろうが、結局それが出来ず、自分だけ怪我して帰るとはまったくあの人らしいよ」と笑っていた。

長文失礼。あんまり笑えない事に気づいたが、親父は笑っていたので書き込みしました。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 19:07Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2011年05月28日

心霊イイ話 数世代ぶりの男の子

数世代ぶりの男の子


886 本当にあった怖い名無し sage 2011/04/13(水) 10:56:53.89 ID:E2o1ULIj0
笑える話ではなく、いい話だと思うので転載

950 名前: 本当にあった怖い名無し [sage] 投稿日: 2011/04/13(水) 04:11:59.38 ID:PFWzsr1+O
母方の家系が代々、女ばっかり生まれる家系。
曾祖母五人姉妹・祖母三人姉妹・母三人姉妹で、私も女だし他の従姉妹まで全て女。
曾祖母より上の人達もそうだったらしい。
だから「長女は婿養子を取れ」という決まりみたいなのがあったが、
母の世代からは別に従ってない。(名を残すべき旧家とかでもないし)

そんな中、去年従姉妹が結婚し、男の子を出産。
何世代か振りの男の子だ!と親戚中えらい騒ぎになったんだが、騒いだのは生きてる人達だけじゃなかったらしい。

従姉妹曰く
「知らない女の人や男の人が、夜に息子の周りで
『男の子だ!男の子だ!』みたいな事を言い合ってはしゃいでる。
夜泣きとか一切しなくて育児が楽なんだけど、あの人達に助けられてる気がする。
試しに『お乳の出が悪いんですが……』と願をかけてみたら、翌日から溢れんばかりに母乳出るし」
とか。
多数の先祖を守護霊みたいな感じにしたという事だろうか。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:12Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2011年05月28日

心霊イイ話 兵隊さんの意地 

兵隊さんの意地


327 本当にあった怖い名無し sage 2010/09/26(日) 23:49:20 ID:NLeXZ5n1P
なんか笑える.に投下されてた。
こっち向きかなと思ったのでコピペ

533 :本当にあった怖い名無し :sage :2010/09/26(日) 21:30:25 ID:GNrympi6O
大学時代に旅行で沖縄行って、旅行終わって帰宅した夜、部屋に日本兵が出た。
目茶苦茶怖かったが、ただ立ち尽くしてるだけで暫くしたら消えた。

痩せてたし顔色悪かったし、戦争でお腹へって亡くなったのかな~と思い、
翌日はお茶とおにぎりを用意して待った。
その日も出たが、やっぱり立ってるだけで暫くしたら消えた。

数日お茶とおにぎりを用意して観察したが、同じ事が続いた。
私も「何が気に食わないんだろう」と思いながら
おにぎり増やしたり漬物付けたり味噌汁付けたりしてた。

そんな事が一週間くらい続き、連日夜中まで起きていた私はそろそろ眠気に勝てなくなった。
そこで、もはや和食フルコース(お茶、おにぎり、味噌汁、漬物、焼き鮭、煮物、お饅頭)と化した食事を用意し、
その日は早めに就寝。

夜中に気配で目が覚めて、コッソリ見たら、日本兵ガツガツ食ってた。ちょっと泣いてた。
全て飲み食いした後に立ち上がり、私に向かってビシッと敬礼して消えた。
以後は来なかった。

朝、日本兵が食べたと思った食べ物は一応形は残ってたけど、
どれも一晩じゃ考えられないくらい水分が抜けてカラカラになっていた。
お茶と味噌汁は無くなってた。

祖父(徴兵経験は無い)に話したら
「男ってのは生きてても死んでてもそういうもんだ。変な意地がある。
若い娘に飯がっついてる所見られたくなかったんだろ」
と言っていた。
最初毎晩観察してた私が生殺しにしてたのか……と思うと少し申し訳ない。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:09Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2011年05月28日

心霊ちょっとイイ話 紫陽花

紫陽花
941 名前:1[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 23:18:17 ID:6TDAqokh0
去年の今頃、ばあちゃんが死んだ。ずっと入院生活だったし、医者からも
「いつ逝ってもおかしくない」
と言われてて心の準備はできてたはずだったが、やっぱり悲しくて、棺の中
のばあちゃんの顔を見れないまま葬式進行、出棺になった。
みんなで棺に花を入れていたら、母が
「あっ! お母さん紫陽花大好きだった!」
といきなり叫んだ。入れるために用意されていた花の中に、紫陽花は無かった。
好きだった花だし入れてあげよう! となって、私と従姉妹二人と叔父で車に
乗り、あちこちの花屋に行ったが、何故だか紫陽花はどこにも売ってない。
葬式屋(?)に出棺を待ってもらっている状態だったので、遠くの花屋まで
行く時間は無い。仕方なく帰ろうとしたら、道沿いの家の庭に沢山の紫陽花が
咲いてるのが見えた。その紫陽花の横に、初老の男性が立って何かしていた。
あの人に言えば譲ってくれるかも! と叔父が言って車を止め、全員で男性の
元へ走った。
あの、と話しかけると、男性はすっ、と、今切ったばかりのようなきれいな
紫陽花を束で叔父に手渡した。
「ほら、早く行ってあげなさい」
そう言って笑う男性に私たちは何度も頭を下げ、急いで帰り、無事にばあちゃ
んの棺に紫陽花を入れる事ができた。私も入れたが、その時初めて見たばあち
ゃんの顔は、安らかでまるで寝てるみたいだった。

942 名前:2[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 23:19:25 ID:6TDAqokh0
翌日、私たちは「お礼をしなきゃ」とお菓子を持ってその家を訪ねた。
けど、着いたら。そこ、どう見ても空き家。昨日見た時は、確かに普通の家
だったのに。
屋根瓦とかはがれてるし、壁も一目見て「腐ってる」とわかるような状態。人
の気配もしない。でも、昨日見た紫陽花は確かにそこの庭に生えてる。近所で
他に庭に紫陽花がある家は無かった。
叔父と一緒に「確かにここだったよね?」とうろうろしていたら、従姉妹が
「よそのおじいさんが、独断で譲ってくれたんかね?」
と言い出した。
そうかも……と私たちは納得しかけたが、その時改めて考えてみると、あの
男性は私たちが何も言わないうちに紫陽花を渡してくれた。
いくら私たちが喪服だったからって、そんなすぐ用件がわかるだろうか?
それに、私たちが男性に話しかけた時、男性は既に手に紫陽花の束を持ってい
たようだった。まるで、私たちが来るのがわかっていたように。

私も叔父も従姉妹も、何となく黙ってしまい、結局空き家の玄関にお菓子を
置いて帰った。誰もいない家に何度も頭を下げて。

あれから一年経ったが、いまだに不思議。
その家とばあちゃんとの縁も見えない。
けど、あの家に住んでいた人以外の「何か」が、私たちに優しくしてくれたの
かな、と思っている。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:06Comments(1)心霊ちょっとイイ話

2010年10月01日

心霊イイ話 父の匂い

父の匂い


637 本当にあった怖い名無し 2006/11/06(月) 23:00:33 ID:awEXq398O
怖い話と言うか…

俺は小学生の時父親を亡くし母一人子一人で育ったんだけど…
中学生の時、授業中に突然先生から「おい〇〇!!お母さんが職場で倒れたそうだ。すぐに××病院に行け!!」と告げられ、自転車で慌てて向かった。
病院まではかなりの距離があり途中には長い上り坂があった。
こいでもこいでも坂は続いていてなかなか上り切らない…
気ばかりが焦っているとフッとペダルが軽くなった。
まるで誰かに押されたかの様に…
俺は振り返って確かめようとしたけど出来なかった…
なぜならその時、亡くなった父親の匂いがしたから…
なんとも懐かしい匂いになぜだか涙があふれてきた…
息を切らして何とか坂を上り切った時、俺は泣きながら「ありがとう」と呟いた…

病院では母親が意識を失っていたけど何とか一命は取り止めた。

後日、意識を取り戻した母親から聞かされた。
意識を失ってる間ずっと父親の夢をみていたと…
俺は心の中で改めて父親に礼を言った。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 19:17Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月29日

心霊イイ話 真心のサービス

真心のサービス


910 真心のサービス 2009/08/25(火) 18:15:12 ID:lK4vxk860
5年ほど前、伊豆に旅行をした時の話です。

当時、子供達が10歳と7歳、妻は3年前に亡くなってました。
その1年前から、親父の跡を継いだ鉄工所がちょっとまずくて、しかも子供を二人抱えた
片親ですから、もうばたばたで、フラフラの毎日でした。
でも、鉄工所が順調に持ち直して来たので、休憩の意味で旅行をする事にした訳です。

俺は子供と『お母さんも連れてきてあげたかったねえ。もう亡くなって3年かあ』等と
話してました。それを仲居さんがちょっと聞いてたんでしょうね。
その日の夕飯時、3皿程、料理が乗ったお膳を一つ余分にもってきました。
俺「これは何ですか?」
仲居さん「これは、陰膳です。奥様との思い出を御楽しみ下さい。」
俺はこの粋で優しいサービスに、涙腺がぶわっと崩壊。人前なのに涙を流してしまいました。

その日の夜、にこにこした妻が夢の中に出てきました。ああ、妻の霊も旅行を楽しんでたんだ
なあと嬉しく思った所で目が覚めた。
俺はまた泣いてました。普段泣かない男なのにね。泣きっぱなし旅行のです。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 17:41Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月29日

心霊イイ話 最後の「三宅」

最後の「三宅」


70 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/07(月) 21:32:40 ID:5h1EXzjK0
ほんのりと怖い話スレから

420 :1/5:2009/09/07(月) 12:59:48 ID:Q1v71Dj+0
8月初旬、夜中に我が家の次男15歳がリビングでいきなり歌い出し、
私も主人も長男17歳もびっくりして飛び起きました。
主人が「コラ!夜中だぞ!!」と言い、電気を点けました。
マンション住まいなもので、深夜の騒音は大迷惑になってしまいます。
長男も次男も小学生の頃から和太鼓をやってるのですが、
そのとき次男は舞台で着る藍染の腹掛けと股引き、頭にはちゃんと
鉢巻を巻き、ご丁寧に地下足袋まで履いていました。
歌っていたのは三宅島に伝わる『木遣り歌』です。
『三宅木遣り太鼓』は三宅島のオリジナルにアレンジが加わった形で
和太鼓の曲として広く伝わるスタンダートです。
次男の所属するチームでは『三宅』を叩く前に『木遣り』を歌うことが
あるのです。

次男は、主人と長男で取り押さえようとしても構わず歌い続け、
主人が口をふさいでもまだもがもがやっています。
寝ぼけてるのかと思い、名前を呼んだり揺すったりしてもダメ。
「ダメだ、とりあえず外に出そう」と、次男にタオルで猿轡をし、
主人と長男が引きずってエレベーターに乗り、駐車場に走りました。

急いで車を出し、次男はまだ歌い続けていましたが
騒音を気にしなくてよくなったことに、とりあえずはホッとして
猿轡を解きました。
成り行き上ハンドルを握っていたのは私でした。
どファミリーなミニバンのセカンドシートに170、175、178cmの男が3人
ぎゅうぎゅうに収まって・・・。
あたふたと夜逃げのように飛び出てきてしまったので
私はパジャマ、主人と長男はTシャツにトランクス1丁。


71 70の2 sage 2009/09/07(月) 21:46:57 ID:uJRXxEOL0
421 :2/5:2009/09/07(月) 13:01:00 ID:Q1v71Dj+0
どこへ行けばいいのか、どうすればいいのか、何が原因なのか、
思いつく限りの意見を出し合った末、主人が言いました。
「病院だな・・・M(長男)、夜中もいける精神科、検索してくれ」
『精神科』という言葉にちょっとドキッとしました。
「携帯持ってこなかった・・・」「俺も・・・」「私も・・・」
「とりあえず携帯と着替えを取りに帰るぞ。俺らは下で待ってるから
 Mは家へ走って取ってこい」
主人の言葉に長男もそれしかないと観念し、
「家まで誰にも会いませんように・・・」とつぶやきました。

その時、主人がぼそっと言いました。
「こいつ、いつからこんないい声出るようになった?」
私は次男の異常な様子が心配で、ただオロオロしていましたが、
主人に言われてよく聞いてみると本当に心に染み入ってくるような声でした。
確かに次男の声なのですが、何と言うか・・・伸びだとか節回し?が
急にうまくなっている感じでした。
それからもしばらく歌い続けていましたが、ふいに次男の歌がやみました。
「R(次男)!?」名前を呼んでみましたが無反応。
きりっとした顔のまま正面を見据えています。
かと思ったら、すっと自分の手を見て握ったり開いたりし始めました。
「バチ!これから打つんだ!」
長男が叫びました。
「バチも持ってこよう!」
みんな口には出しませんでしたが、何か科学で説明できない事態が起こってると
このあたりから感じていました。
主人「M、塩も持ってこい」、長男「塩・・・どうするか知ってんの?」
主人「かけたらいいんじゃないか?」、長男「まじかよ・・・」
主人「コンビニで線香も買おう」、長男「コンビニで売ってんの?」
沈黙・・・。
ものすごい不安ではりさけそうでした。


72 70の3 sage 2009/09/07(月) 21:48:13 ID:uJRXxEOL0
422 :3/5:2009/09/07(月) 13:02:05 ID:Q1v71Dj+0
マンション前に着き、長男が意を決したようにTシャツトランクスで
走っていきました。
その後ろ姿に緊急事態の真っ只中だというのに主人がゲラゲラ笑い出し、
私もつられて笑いました。
「よく考えたらめちゃくちゃ笑えるな、これw」
Tシャツトランクスの父と長男が、ばっちり衣装の次男に猿轡をかませて引きずり、
付き添うパジャマの母。
「ものすごい怪しい家族だぜw」
笑いがとまらなくなってしまいました。
すると、それまで険しかった次男の表情が少し柔らかくなった気がしました。
主人は「大丈夫。とにかく今は深夜だし、朝になったら考えたらいい」と
何か達観したような様子でした。
もちろん不安でいっぱいでした。
このまま本来の次男が戻ってこなかったら・・・と思うと、
こちらの方がおかしくなりそうでした。
それでも一瞬和ませてくれた主人にとても感謝しました。

しばらくして長男が荷物を持って戻ってきました。
「まだバチ出すなよ。ここでやられたら殴られる」
主人がジーンズを穿きながら言いました。
私は助手席に移動し、主人の運転で再び走りだしました。
「Rの部屋に入ったら、Tシャツキレイにたたんで置いてあったよ。有り得ねぇ」
長男はそう言いながら携帯で塩の使い方を調べていた。


73 70の4 sage 2009/09/07(月) 21:49:29 ID:uJRXxEOL0
423 :4/5:2009/09/07(月) 13:02:59 ID:Q1v71Dj+0
思いがけず久しぶりに家族(+1?)でドライブとなりましたが、
ある国立公園にたどり着きました。
我が家からは30分ほど山に登ったところにあり、ちょっと名の知れた滝や
秋は紅葉目当てで観光客がやってくる自然の中です。
もちろん、そんな深夜ですから駐車場に他の車はありません。
まずは主人と私が車を降り、次男も長男が促すと降りてきました。
長男が次男に持ってきたバチを渡し、自分もバチを持ち、
滝の音がゴウゴウと遠くから聞こえる方を向いて立ちました。

まず長男が歌い出しました。
それに次男がかぶせるように追いかけます。
歌い終わると長男はすっと座り、次男は腰を低くして構えます。
『三宅』は太鼓を真横に置いて、両側から低い姿勢で打つのです。
長男の地打ち(ベース)が始まり、次男がゆっくりと振りかぶり打ち下ろす。
もちろん太鼓はありませんが、ドーンという響きを感じたような気がしました。
だんだんとペースが上がり、お互いに掛け声をかけながら、エア太鼓は続きます。
長男と次男の『三宅』を初めて見たわけではないし、
ところ構わず始める次男の素振りはそれこそしょっちゅう見ているのに、
なぜか涙がとまりませんでした。
たぶん、次男の中の人にとっては最後の『三宅』だと感じていたからだと思います。

ようやく打ち終わり、2人が立ち上がりました。
次男はまず長男に、そしてこちらを向いて深々と頭を下げました。
顔には涙がぽろぽろと落ちていました。
しばらく泣いて、やがて「兄ちゃん」と言いました。
「Rか?」と聞くと、泣きながらも頷きます。
心底ほっとしました。
塩も線香(売ってた)も出番はありませんでした。


74 70の5 sage 2009/09/07(月) 21:50:48 ID:uJRXxEOL0
424 :5/5:2009/09/07(月) 13:03:50 ID:Q1v71Dj+0
次男は部屋で着替え始めたことも、リビングで歌い出したことも
その後のことも全部覚えていました。
「でも、俺がやったんじゃない」
それはそうでしょう・・・次男もそこそこ打てるようになったとは言え、
あの美しいフォームは次男のそれとはあまりに違いましたから。
どこの誰だったのかは分からないらしいです。
ただ「最初は悲しかった。でも、打ち出したら嬉しかった・・・と思う。
怖かったけど、嫌な感じはしなかった」だそうです。

念のため、翌日私の実家に連れて行き、近所のオガミさん(たぶん拝みさん?)に
見てもらいました。
「何もない。キレイなもんよ」と言ってもらい、やっと本当に安心しました。
「満足して行ってるはずや。無念が晴れたんじゃろ」とも。
「ただし、まだR坊に大きな疲れが残っとる。命が疲れとる。
ゆっくり精神を休ませなあかんよ」と、お守りをいただきました。
それはオガミさん特製のちりめんで出来た小さな袋に勾玉のような綺麗な色の石が
入れられた物でした。

長男は「なんでRより打てる俺じゃなかったんだろ?」と言ってましたが、
オガミさんは「相性もあるし、M坊よりR坊の方が単純やしのぉ」と笑ってました。
次男は達人に貸してから体の使い方がちょっと分かったと言い、
日々、素振りに余念がありません。
何かコツをつかんだのかもしれません。

終始慌てふためいていたため、後から思うと何やらおかしいことになってますが
その時は次男を失うのではと、この上ない恐怖でした。
当の本人は今日もノンキに登校しましたが。

もし良かったら、動画サイトで『三宅木遣り太鼓』『木遣り歌』で検索してみて下さい。
いくつかアップされてると思います。
上手な人の歌や演奏は胸に響くものがありますよ。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 17:38Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月29日

心霊イイ話 懺悔

親を大事にしろよゴルァ!(`・ω・´)


_______

懺悔



31 1 sage 04/12/09 14:24:04 ID:KQOgpMNT
子供の頃、家は流行らない商店で貧乏だった。
母がパートに出て何とか生活できているよう程度の生活だ。
学校の集金のたびに母親がため息をついていたのをよく憶えている。
別段、小学校、中学校は何とも思わなかったけれど、
高校の入り、進学を考えた頃から両親と喧嘩することが多くなった。
私は大学に進みたかった。美大に行って本格的に絵を描きたかったからだ。
しかし進学するのに必要なお金など、どう考えても捻出できなかった。
毎日、昼のパート、夕方からのパートと掛け持ちで働き、くたくたになっている母親に、
「何で進学できないんだよ!子供の進学資金も出せないようじゃ親失格だぜ!」
と言ったことがある。
母親は涙ぐみ何も言わなかった。
その姿にハッと我に返ったが、ぶつけようのない悔しさが邪魔をしてそのまま謝りもしなかった。
しばらく後になって、あの時なぜ謝らなかったのだろうと猛烈に悔やむことになった。



32 2 sage 04/12/09 14:24:39 ID:KQOgpMNT
母親は事故で亡くなり、直接謝ることは出来なくなってしまったのだ。
パートの帰りの運転中の事故だった。
交差点に突っ込んでの事故で、ブレーキ痕もない、、
過労だと思う、、

葬式の後、母の部屋を整理していて日記とも家計簿とも取れるようなノートを見つけた。
食費や光熱費、、、私は家計をやりくりした事など当然ないが、
そんな私が見てもギリギリの生活だった。
母親が自分のために使ったものなど何一つなかった。
なのに、、私のための進学のための貯金があった。
ぎりぎりの生活の中で、本当に数百円の単位で毎月貯金してあった。
私が怒鳴ったあたりから、パートの時間が増えていた。
後でわかった事だが、パートの勤務時間を頼み込んで増やしていたようだ。
増えた分は全て貯金、、

私はバカだった。
自分のことだけだった。
母の笑った顔を最後に見たのはいつだったろう?
私は何一つ親孝行などしてない、
母がいなくなってから、後悔の連続だった。
苦労ばかりかけて、自分のことばかり考えていた。
何の親孝行もしていない。
なぜあんな事を言ったのか、謝らなかったのか、
謝りたい、心から母に謝りたかった。


33 3 sage 04/12/09 14:26:25 ID:KQOgpMNT
そんな時、ものすごくリアルな夢を見た。
夢の中で母親は居間で座っていた。
母を見つけた私は、泣きながら母親に詫びた。
何もしてやれないで、ひどい事を言って、ごめんと。
本当に子供のように泣いた。
母親は私の手を握って、
「謝らなくちゃいけないのはお母さんだから、、ごめんね」と言った。
それを聞いて、私はますます声をあげて泣いた。
起きた時は枕まで涙で濡れていた。
そして手にははっきりと、母の手の感覚が残っていた。

それだけならリアルな夢で終わっていたのだが、
その夢を見た朝、父が
「今朝、母さんの夢を見た。」と言うのだ。
私のことをよろしくと言ったらしい。
父が直接会いに行って話したらいいと母に言うと、
もう会ってきたからと言ったそうだ。
後悔の念が見せた夢で、偶然の事かもしれない。
でも、夢であれ母に謝ることができて良かった。


34 4 sage 04/12/09 14:27:52 ID:KQOgpMNT
結局、私は大学には行けなかった。
今は普通の会社員だ。
が、暇を見つけては絵を描いて、
描きあがった絵は仏壇の前に飾っている。
絵を好きになったのは、美大に行きたかったのは、
子供の頃「上手に描けたね」と言ってくれた母の一言がきっかけだった。
それに気づいたから。
今も、母の事を思うと自責の念で心が痛むけれど、
その母のためにもがんばって生きていきたいと思う。

長文の上、乱文で申し訳ありませんでした。
いい話とはいえない話だったと思いますが、
読んでくださった方、ありがとうございました。  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 09:14Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月29日

心霊イイ話 良い行い

良い行い


710 1/5 sage New! 2007/01/18(木) 15:19:45 ID:SUlaGoNV0
高校生の頃、暇さえあれば山辺の道を歩いていた時期があります。
三輪山の霊気は、独特で非常に強いし、あの辺りは歩いていても心が和むんです。
道のあちこちにある石仏も優しげですしね。
汗かいて、一服していたら、「今日は暑いの」と話し掛けられ「そうですね」と何気
なしに答えたら、石仏が微笑んでたなんてことはよくあります。
さて、この辺り有名な古刹が点在しています。
そのひとつにお参りしました。


711 2/5 sage New! 2007/01/18(木) 15:20:42 ID:SUlaGoNV0
山の斜面に建立されたそのお寺は山そのものが聖域です。
小さな洞窟もあり、しめ縄で入り口を塞ぎ、「立ち入り禁止」としています。
こういうのは修行場で一般人の立入禁止にしている場合と、修行場だったけどやばくなったんで立入禁止にしている場合もあります。ここの場合は後者でした。
勿論、そんなところへ入るほど愚かじゃありません。
境内を登っていくと、極太のしめ縄でそれ以上上へは上がらぬようにしてます。「立
入禁止」の標示もやたら大きくあちこちにあります。
(やばいな・・・・)
そう思ったんですが、その結界の前に猫がいました。
僕をみてます。



712 3/5 sage New! 2007/01/18(木) 15:22:13 ID:SUlaGoNV0
小猫みたいに小さいんですが、明らかに成獣です。白く美しい華奢な美人です。
(・・・・使い魔?)
こういう場所には時々出るんです。
猫は「ついておいで」と言うように顎をしゃくると結界の中へ入っていきます。何も
考えずついて行きました。松林の中を暫く行くと唐突に拓けた場所に出ました。
崩れた卒塔婆があります。
猫はそこで立ち止まり僕を見つめます。
彼女がなぜ僕を連れてきたのか分かりました。卒塔婆を直し、白い素焼きの徳利と杯があったので側の小川で水を汲んでお供えしました。
ひととおり終わったところで、猫が擦り寄ってきます。頭を撫でてやって、見るとな
にか咥えています。



713 4/5 sage New! 2007/01/18(木) 15:24:07 ID:SUlaGoNV0
錆びた銀の簪でした。赤い珊瑚で飾っています。黒ずんで汚れて見る影もありませんでしたが・・・・
猫はこの簪を渡したいようです。
受け取ると頭を下げました。
ひとり戻ると、結界の所に中年のお坊さんが私を待ってました。にこやかに微笑んでいます。私に向かって手を出しました。
僕は無意識に簪を手渡しました。
「ご苦労様でした」
お坊さんはそう言うときびすを返して戻っていきました。
その時はなんの違和感も無かったのですが、今、考えると大分奇妙な話です。



714 5/5 sage New! 2007/01/18(木) 15:24:43 ID:SUlaGoNV0
さて、後日談。
数年後、恋人だった今の妻と嵯峨野へ旅行へ行きました。
天竜寺の渡り廊下でポーズを取る妻をカメラに収めようとしたとき、庭に人影を見ました。
真紅の毛せんを敷き、ちんまりと座ったお姫様です。15、6歳の可愛い娘でした。
直感であの卒塔婆の主だと確信しました。
お姫様は僕にお辞儀をすると消えました。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 09:00Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月29日

心霊イイ話 待ち続ける猫



624 名前: コピペですマソ 04/05/06 21:07 ID:fhEH2t4C

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小学生の頃、親戚の家に遊びに行ったら痩せてガリガリの子猫が庭にいた。
両親にせがんで家に連れて帰った。思い切り可愛がった。
猫は太って元気になり、小学生の私を途中まで迎えに来てくれるようになった。
いつも一緒に帰っていたけれど、六年生の林間学校に泊りがけで行っているときに
車に轢かれて死んでしまった。もう、猫は飼わないと思った。

年月が過ぎ、私は就職して三交バスで通勤をするようになった。
仕事がうまくいかず、やめようかどうしようか迷っていた。バスを降りると
いつも我慢していた仕事の悩みが噴出して泣きながら暗い夜道を歩いていた。

そんなある日、バスをおりて歩いていると、少し先に白い猫がいた。
その猫は振り返りながら距離をとりながら私の前を歩く。坂を上がり、いくつもの
曲がり道を曲がって行く。私の家に向かって。家の前に出る最後の曲がり角を曲がると
その猫の姿はなかった。数日そうやって猫に先導されるように家に帰る毎日が過ぎた。

ある日、いつものように待っていてくれる猫を見て気が付いた。
しっぽをぱたん、ぱたんとゆっくり上げて下ろす仕草。
小学生の時に飼っていた猫と同じ。思わず猫の名を呼んだ。
振り返った猫は一声鳴いて、また家に向かって歩いた。

涙が出てしかたがなかった。心配して出てきてくれたんだね、ありがとう、ごめんね。
大丈夫だから、もう、安心しているべき所に帰ってね……。
後ろ姿に向かってつぶやいた。最後の曲がり角を曲がる前に猫は振り返った。
近づいて撫でたかったけど、近寄ったら消えてしまいそうで、もう一度つぶやいた。
ありがとうね、大丈夫だからね。 そして、猫は曲がり角をまがった。

なぜかふと、後ろが気になって振り返ると白い小さな塊がふっと消えて行く所だった。
そこは林間学校に行って帰らない私を待ち続けて猫が車に轢かれた場所だった。


625 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/05/06 21:21 ID:ViBF1J7b

>>624
ええ話や… ・゚・(ノД`)・゚・

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 08:58Comments(1)心霊ちょっとイイ話

2010年09月28日

心霊イイ話 紫陽花

紫陽花
941 名前:1[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 23:18:17 ID:6TDAqokh0
去年の今頃、ばあちゃんが死んだ。ずっと入院生活だったし、医者からも
「いつ逝ってもおかしくない」
と言われてて心の準備はできてたはずだったが、やっぱり悲しくて、棺の中
のばあちゃんの顔を見れないまま葬式進行、出棺になった。
みんなで棺に花を入れていたら、母が
「あっ! お母さん紫陽花大好きだった!」
といきなり叫んだ。入れるために用意されていた花の中に、紫陽花は無かった。
好きだった花だし入れてあげよう! となって、私と従姉妹二人と叔父で車に
乗り、あちこちの花屋に行ったが、何故だか紫陽花はどこにも売ってない。
葬式屋(?)に出棺を待ってもらっている状態だったので、遠くの花屋まで
行く時間は無い。仕方なく帰ろうとしたら、道沿いの家の庭に沢山の紫陽花が
咲いてるのが見えた。その紫陽花の横に、初老の男性が立って何かしていた。
あの人に言えば譲ってくれるかも! と叔父が言って車を止め、全員で男性の
元へ走った。
あの、と話しかけると、男性はすっ、と、今切ったばかりのようなきれいな
紫陽花を束で叔父に手渡した。
「ほら、早く行ってあげなさい」
そう言って笑う男性に私たちは何度も頭を下げ、急いで帰り、無事にばあちゃ
んの棺に紫陽花を入れる事ができた。私も入れたが、その時初めて見たばあち
ゃんの顔は、安らかでまるで寝てるみたいだった。

942 名前:2[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 23:19:25 ID:6TDAqokh0
翌日、私たちは「お礼をしなきゃ」とお菓子を持ってその家を訪ねた。
けど、着いたら。そこ、どう見ても空き家。昨日見た時は、確かに普通の家
だったのに。
屋根瓦とかはがれてるし、壁も一目見て「腐ってる」とわかるような状態。人
の気配もしない。でも、昨日見た紫陽花は確かにそこの庭に生えてる。近所で
他に庭に紫陽花がある家は無かった。
叔父と一緒に「確かにここだったよね?」とうろうろしていたら、従姉妹が
「よそのおじいさんが、独断で譲ってくれたんかね?」
と言い出した。
そうかも……と私たちは納得しかけたが、その時改めて考えてみると、あの
男性は私たちが何も言わないうちに紫陽花を渡してくれた。
いくら私たちが喪服だったからって、そんなすぐ用件がわかるだろうか?
それに、私たちが男性に話しかけた時、男性は既に手に紫陽花の束を持ってい
たようだった。まるで、私たちが来るのがわかっていたように。

私も叔父も従姉妹も、何となく黙ってしまい、結局空き家の玄関にお菓子を
置いて帰った。誰もいない家に何度も頭を下げて。

あれから一年経ったが、いまだに不思議。
その家とばあちゃんとの縁も見えない。
けど、あの家に住んでいた人以外の「何か」が、私たちに優しくしてくれたの
かな、と思っている。

  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:53Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月28日

心霊イイ話 おばあちゃんのすごろく

 スレ違い



オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。
当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。
いつしかオレはノートに、自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。
それをばあちゃんに見せては
「ここでモンスターが出るんだよ」
「ここに止まったら三回休み~」
ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。
それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。
やがてオレにも友達が出き、そんなこともせず友達と遊びまくってたころ
家の事情も解消され、自分の家に戻った。ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、
「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」と喜んでくれた。

先日、そのばあちゃんが死んだ。89歳の大往生だった。
遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。
開いてみると、そこにはばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。
モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか
妖怪も混じっていたり。「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。
最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に

「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」

人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。
ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。そしてありがとう。
  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 23:26Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月20日

心霊イイ話 男が涙を見せるとき

男が涙を見せるとき

644 名前: 愚か者 投稿日:2001/04/07(土) 00:33
誰が言ったか忘れたが、男が涙をみせていいのは、財布を落とした時と
母親が死んだ時だけだそうだ。
そんなわけで、人前ではほとんど泣いたことのない俺が
生涯で一番泣いたのはお袋が死んだ時だった。

お袋は元々ちょっとアタマが弱くて、よく家族を困らせていた。
思春期の俺は、普通とは違う母親がむかついて邪険に扱っていた。
非道いとは自分なりに認めてはいたが、生理的に許せなかった。
高校を出て家を離れた俺は、そんな母親の顔を見ないで大人になった。
その間実家に帰ったのは3年に1回程度だった。

俺も30を越え、いっぱしの家庭を持つようになったある日、
お袋が危篤だと聞き、急いで駆けつけた。
意識が朦朧として、長患いのため痩せ衰えた母親を見ても、
幼少期の悪い印象が強くあまり悲しみも感じなかった。

そんな母親が臨終の際言った。
「ダメなおかあさんでごめんね」
精神薄弱のお袋の口から出るにはあまりにも現実離れした言葉だった。
「うそだろ?いまさらそんなこといわないでくれよ!」
間もなくお袋は逝った。




645 名前: 愚か者 投稿日:2001/04/07(土) 00:34
続き

その後葬式の手配やらなんやらで不眠不休で動き回り、
お袋が逝ってから丸一日過ぎた真夜中のこと。
家族全員でお袋の私物を整理していた折、一枚の写真が出てきた。
かなり色褪せた何十年も前の家族の写真。みな笑っている。
裏には下手な字(お袋は字が下手だった)で家族の名前と当時の年齢が書いてある。
それを見た途端、なぜだか泣けてきた。それも大きな嗚咽交じりに。
30過ぎの男がおえっおえっ泣いてる姿はとても見苦しい。自制しようとした。
でも止めど無く涙が出てきた。どうしようもなく涙が出てきた。

俺は救いようがない親不孝ものだ。格好なんて気にすべきじゃなかった。
やり直せるならやり直したい。でもお袋はもういない。
後悔先に立たず、とはまさにこれのことだったんだ。

その時妹の声がした。
「お母さん、笑ってる!」
皆布団に横たわる母親に注目した。
決して安らかな死に顔ではなかったはずなのに、表情が落ち着いている。
うっすら笑みを浮かべているようにさえ見える。
「みんな悲しいってよ、お袋…。一人じゃないんだよ…」
気がつくと、そこにいた家族全員が泣いていた。

…あれから私はことあるごとに両親は大切にしろと皆に言っています。
これを読んだ皆さんも、ご健在であるならばぜひご両親を大切にして下さい。
でないと私のように親不孝の咎で地獄行き決定になってしまいますよ。  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 15:42Comments(1)心霊ちょっとイイ話

2010年09月19日

心霊イイ話 桜




730 桜 New! 2009/08/16(日) 08:11:03 ID:WZcs/2Sc0
今は亡くなった父方のじいさんから聞いた話。

じいさんは子供の頃から、花見が大好きで、庭の桜が咲くのを楽しみにしていた。
桜が咲くとお母さん(俺の曾祖母)が団子を作ってくれて、家族で花見をするんだ
けど、当時だからお団子は御馳走で、それも楽しみだったって。

じいさんが8歳くらいの頃、曾祖父が桜の木を切って、柿の木を植えようとした
事があったのだが、じいさんがとてつもなくわんわん泣いて止めるから、じゃあ、
切らずにこのままにしようと言う事になったらしい。

昭和18年の2月、じいさん24歳の時、じいさんは、あと2カ月もすれば桜が咲
くと、凄く楽しみにしていたのだが、赤紙が来て出征しなければいけなくなった。
奥さん(俺のばあさんね)にも桜が見れんのは残念だなあってしきりに言ってたんだ。



731 桜 New! 2009/08/16(日) 08:11:54 ID:WZcs/2Sc0
つづき

それが、出征の日。家から出たら、じいさんは仰天した。
2月にも関わらず、桜の花がホンの5、6個だけど咲いていたのね。

「俺のために桜が咲いてくれた。」
そう言って、じいさんは涙を流した。後にも先にもじいさんが泣いたのはこの時
だけだったから、ばあさんは凄く驚いたらしい。

そんな事があったから、戦争が終わってからも、じいさんは桜を大切にした。
もうひとつ驚いた事に、じいさんが亡くなってから2年後、桜は後を追うように
枯死したって事。

今、庭には、枯れた桜から接ぎ木した、二代目の桜が毎年花を咲かせている。
  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 08:51Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月18日

心霊イイ話 オヤジの弁当

オヤジの弁当


355 本当にあった怖い名無し sage 2009/04/14(火) 20:50:13 ID:vNW4t+B+i
小1の秋に母親が男作って家を出ていき、俺は親父の飯で育てられた。
当時は親父の下手くそな料理が嫌でたまらず、また母親が突然いなくなった寂しさもあいまって、
俺は飯のたびに癇癪をおこして大泣きしたり、喚いたり、
ひどい時には焦げた卵焼きを親父に投げつけたりなんて事もあった。
翌年、小2の春にあった遠足の弁当もやっぱり親父の手作り。
俺は嫌でたまらず、一口も食べずにちょっとずつわけてもらったおかずと、
持っていたお菓子のみで腹を満たした。
弁当の中身は道に捨ててしまった。
家に帰って、空の弁当箱を親父に渡すと、親父は俺が全部食べたんだと思い、
涙目になりながら俺の頭をぐりぐりと撫で、
「全部食ったか、えらいな!ありがとなあ!」
と本当に嬉しそうな声と顔で言った。
俺は本当の事なんて勿論言えなかった。
でも、その後の家庭訪問の時に、担任の先生が俺が遠足で弁当を捨てていた事を親父に言ったわけ。
親父は相当なショックを受けてて、でも先生が帰った後も俺に対して、怒鳴ったりはせずにただ項垂れていた。

さすがに罪悪感を覚えた俺は、気まずさもあってその夜、早々と布団にもぐりこんだ。
でも、なかなか眠れず、やっぱり親父に謝ろうと思い親父の所に戻ろうとした。
流しの所の電気がついていたので、皿でも洗ってんのかなと思って覗いたら、 
親父が読みすぎたせいか、ボロボロになった料理の本と遠足の時に持ってった弁当箱を見ながら泣いていた。
で、俺はその時ようやく自分がとんでもない事をしたんだって事を自覚した。
でも初めて見る泣いてる親父の姿にびびってしまい、謝ろうにもなかなか踏み出せない。
結局俺はまた布団に戻って、そんで心の中で親父に何回も謝りながら泣いた。
翌朝、弁当の事や今までの事を謝った俺の頭を親父は、またぐりぐりと撫でてくれて、
俺はそれ以来親父の作った飯を残す事は無くなった。

親父は去年死んだ。
病院で息を引き取る間際、悲しいのと寂しいのとで、頭が混乱しつつ涙と鼻水流しながら、
「色々ありがとな、飯もありがとな、卵焼きありがとな、ほうれん草のアレとかすげえ美味かった」
とか何とか言った俺に対し、親父はもう声も出せない状態だったものの、微かに笑いつつ頷いてくれた。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 16:37Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月18日

心霊イイ話 川岸の戦友

川岸の戦友


702 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/12(木) 18:24:48 ID:ALK/TcaW0
怖いというか怖い思いをしてきた爺ちゃんのあまり怖くない話。
俺の死んだ爺ちゃんが戦争中に体験したって話だ。

爺ちゃんは南の方で米英軍とドンパチしていたそうだが、
運悪く敵さんが多めのとこに配置されちゃってジリジリ後退しながら戦う毎日があったそうだ。

話を聞いていた当時厨房の俺には、
日本軍なんて「突撃!」とか「玉砕!」とかやっているイメージだったので、
作戦で米英軍が進んでくるところをちょいちょい襲撃して進撃を遅らせながら、
こちらの被害は抑えて後退しながら戦うなんて意外だった記憶がある。

そうやってジリジリ後退していた爺さん達だが、
ある日、とうとう敵さんに部隊の位置を補足されちゃって、
爆弾やら砲弾やらがガンガン打ち込まれる事態になったそうだ。

必死で友軍陣地を目指して逃げたので、
仲間も一人二人と生死も判らないままはぐれて行き爺ちゃんも死を覚悟しながら移動したが、
後1日も移動すれば安全圏ってところで、近くに爆弾がさく裂して吹っ飛ばされたそうだ。


703 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/12(木) 18:25:50 ID:ALK/TcaW0
気がつくと友軍陣地なのか兵士が大勢いるところだったそうで、
「助かったのか?」って思ったそうだ。

そこは川に近い広場の様なところで、見覚えはなかったが、
大勢の兵士が寝転がったり雑談したりと大分前線からは離れた様な和やかな雰囲気だった。

爺ちゃんは衛生兵に自分の隊はどうなっているのか聞いてみたら、
川岸にたむろしているのがそうじゃないかって言われたのでさっそく行ってみた。

川岸に行くと隊長の姿は見えなかったが、
退却中に別れ別れになった仲間がいて、
爺ちゃんは結構助かった仲間が多い事に嬉しくなった反面、
3分の1位は姿が見えない事に悲しくなった。

そして、特に親しくしていた仲間と雑談しながらくつろいでいると、
川の向こうに見覚えのある兵士が大声で叫んでいるのに気がついた。

その兵士は大声で爺ちゃんの名字を呼んでいるので目をこらしてみたら、
どうやら同じ隊のAって人のようだ。

爺ちゃんはAが川の向こうにいる事を仲間に教えた。


704 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/12(木) 18:26:53 ID:ALK/TcaW0
最初は皆きょとんとして川の向こうに人影を探している様子だったが、
あんなにハッキリとAが見えているのに見つけられないようだった。

そのうち誰かが「あ~そういう事か~」と言って、
皆で爺ちゃんを担ぎ上げて、
「お前はあいつのところまで行ってこい!」とか、
「しっかり泳げよ!」
と言いながら慌てる爺ちゃんを川に放り投げたそうだ。

爺ちゃんは怪我人に酷い事をするもんだと思ったが、
あの退却でAも助かったんだと思うと嬉しいので痛みをこらえて川を泳いでいった。

向かいの川岸ではAが自分の名前を呼び続けているので、
声を頼りに近づいていくと急に激痛がはしり、
しまったワニか??と思ったらしい。

激痛で意識が飛びそうだと思ったとき、今度はベッドの上で気がついた。

さっきまでいた所ともまた違うどこかの友軍の陣地。

爺ちゃんは激痛をこらえながら衛生兵に聞いてみると、自分の目指していた陣地よりも更に先の場所だった。

衛生兵に「君の隊は大変だったな、背負ってくれた仲間に感謝しろよ。」
って言われて、爺ちゃんは色々聞こうとしたが、
今は寝ていた方が良いと取り合ってはくれなかった。


705 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/12(木) 18:28:07 ID:ALK/TcaW0
次の日、爺ちゃんは痛みと疲れでぼんやりとしているところにAが訪ねてきた。

Aは開口一番「お前は隠れて何か喰ってたのか?重かったぞ。」
って笑いながら嫌味を言ってきたそうだ。

爺ちゃんはAが運んでくれたんだと思いながら、
これでも痩せたんだと言い訳をした。

言い訳をしながらも心に引っかかる言葉が言い出せずにいると、
Aの方から「ウチの隊は今の所7名だ」と言った。

爺ちゃんはあの川岸で会った何名かの名前を口にしたが、
Aは上げた名前の人は誰も来ていないと言った。

そして今この陣地に居るのは、Aに聞いたところあの川岸に居なかった人たちだったそうだ。

爺ちゃんはこの話をしたときに最後にこんな事を言っていた。

「戦場に行けば死に花咲かさなきゃいかんとか話にはなるけど、やっぱ戦友には生き残って欲しいものだよ。みんな同じ気持ちだよ。」

爺ちゃんは8年前に亡くなってしまったが、あっちでは川岸の戦友さんと仲良くやってんのかな?

終わり。怖くなくてスマン。



  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 13:25Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月17日

心霊イイ話 神降ろし

神降ろし

861 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:05:43 ID:NTfTxL700
かなり長い(9レス消費)のでウザイと思った方はお手数ですがスルーを。
可能なら支援をお願いいたします。
2年くらい前の個人的には洒落にならなかった話。

(1/9)
大学生になって初めての夏が近づいてきた金曜日頃のこと。
人生の中で最もモラトリアムを謳歌する大学生といえど障害はある。そう前期試験だ。
これを無事にやり過ごし、単位を獲得しないことにはせっかくの夏も存分に楽しめない。
大学で出来たまだ少し距離感のある友人達(AとBとする)と翌週から始まるテストに備えて俺の部屋で試験勉強に励んでいてた時A「試験勉強ウゼー。飽きた。ちょっとここらで気分転換しねぇ?」と言い出した。

B「んじゃ、どうする?ゲームでもする?」もう一人の友人が応える。
A「時期的にはちょっと早いけど肝試しとか?」
B「いやw 女もいなくて『キャー!B君コワーイ!』とかキャッキャウフフもないからメリットねーじゃん」
A「俺らまだでつるみはじめてから日が浅いだろ?ここらで友情を深めるイベントをと思ってさ」
ちょっと引き気味で
B「お前・・・まさかガチ(ホモ的な意味で)じゃねーよな?」
A「んなわけあるかwww 気分転換にはいいと思うんだけな俺は。実はこの近くでそれっぽい
  ポイントを見つけたんだ。んで実は昼間のうちに準備もしてきてたりするんだが」
俺「準備済みとか段取り良すぎだろw」

Bは最初嫌がってたが、目的地が噂の心霊スポットとかじゃなくてチャリでいける距離にある
ただの無人の神社だとわかるとしぶしぶだが了承した。
一方、俺は怪談とかは結構好きで、肝試しにも乗り気だった。
俺は全くの零感なもんで、中学生の頃に地元で仲の良かった友人達と有名心霊スポットに
行ってみても何か見たり、何かが起こったりってことは今まで一度もなかったからまぁ気楽に考えてたんだな。



862 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:06:57 ID:NTfTxL700
(2/9)
目的地の神社に到着して、A曰く
「別に心霊スポットって訳でも無いからみんなでウダウダ良いながら行って帰ってだったら、
 なんの面白みも無い。だからちょっとした準備をしてルールを決めてやろうぜ」とのこと
肝試しのやり方は
①3人でまず神前に入りお参りして神様に肝試しのお断りを(3人とも小心者だったので・・・)
②神社の裏手で火が燃え移る恐れの無い場所に風除けを立てて蝋燭(アロマキャンドルで代用)を3本設置
③神社の入り口まで戻る
④一人づつ順番に先ほどの蝋燭のところまで行き、行ってきた証拠に蝋燭に火を灯して帰ってくる
⑤全員が終ったら、全員で蝋燭の元に戻り、火を消して蝋燭と風除けを撤去
⑥最後に神前で「おさわがせしました」と御詫びして帰宅
というもの。じゃんけんでB、A、俺の順番となった。

内心で最もビビってそうに見えたBが一番最初だったので大丈夫かとか思ってたが、目に少し恐怖の色が
見えたものの、当然のことだが、何も起こらなかった様で普通に戻ってきた。
次に行ったのがAだが、さすが肝試しの発案者だけあって全く平気な様子で戻ってきた。
そして最後の俺の番となった。小さな神社であるため、鳥居をくぐるとすぐに神社の拝殿が見える。
夜の神社というだけで不気味ではあるが、この日は風もあまりなく月明かりも出ていたので、それほど恐怖感はなかった。
拝殿を通り過ぎ、本殿に沿って裏手に回る。俺達が設置した場所に二つの炎が灯った蝋燭が見える。
「やっぱり何も起きないか」と安堵とわずかな失望が入り混じった微妙な心境で最後の蝋燭に火を灯した。
その後、もと来た道を戻り友人達の元に戻った。

864 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:08:45 ID:NTfTxL700
(3/9)
3人揃った所で、「やっぱり何も起きねーかー。」「でもなんやかんやでこの雰囲気はちょっと来ねぇ?」とか
無駄口を叩きながら蝋燭の元に戻って火の始末をして回収したが、この時もやはり何も起こらなかった。
最後に、何も起きずに無事帰途につけることのお礼と「おさわがせしました」の御詫びをして拝殿を離れた。
そして、後十数歩で鳥居というところまで戻った時だった。
背筋に氷柱を入れられたような悪寒ともに肌が一気に粟立つ感覚に襲われ立ちすくむ。
決して背後を振り返らないように隣を見るとAもBも同じものを感じたらしく立ち尽くしている。
俺「まさか・・・な」
A「おいおい、やっぱ神様怒ってんじゃね?」軽口を叩いてはいるもののその顔に余裕はなさそうだった。

A「出口の自転車のところまで後ちょっとだし、土産話が出来ると思っていっせいので振り向いてみようぜ。」
B「バカいうな。こういうのは見ない方がいいって相場が決まってる。このまま振り向かずにチャリ乗って帰るべきだろ。」
そんな中、その時の俺はというと、今ままで霊体験を一度もしたことがなかったこともあり、恐怖よりも好奇心が勝っていて
俺「いやいや、コレこそが肝試しじゃね?これはいっとくべきだろ。」
そんなこんなでウダウダ言ってる間にも背後の気配は徐々に濃密になっていく。
Bも俺とAに押され、結局全員で一斉に振り向くことに。

最初にぱっと見た限りでは、月明かりに照らされた神社の境内には何も見えなかったが、
目を凝らしてみると自分達と拝殿の間あたりに黒い水溜りのようなものが見える。
「あんなところに水溜りなんてあったけ?」さっき通ってきた時には確かにそんなものはなかったはずだ。
気付くと、つい先ほどまで聞こえていた微かな葉音も止んでおり、耳が痛いほどの静寂に包まれている。

とぷんっ

小石を川面に投げ込んだような水音が微かに聴こえたような気がした。
見ると先ほどの黒い水溜りのようなものに波紋が広がっている。



865 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:10:43 ID:NTfTxL700
(4/9)
そこからゆっくりと漆黒の2本の手の様な物が水溜りから突き出され、何かが這い出そうとしているように見えた。
その時、あれは幽霊とかそんな生ぬるいものではないもっと禍々しい何かだと自分の直感が告げていた。
頭のようなものがぬるりと持ち上がってきたところで、俺達は弾かれたようにその場から逃げ出した。
自転車に飛び乗り元来た道を全力で走る。当然後ろを振り返って確認する余裕などなかった。
3人とも這々の体で、元いた俺の部屋に転がり込んた。部屋のドアにしっかりと施錠した後、まだ恐怖の余韻が残る中、
「なんだよアレ。やばいやばいやばいやばい。」
「俺、幽霊とか見たこと無いけど、アレは絶対やばいって雰囲気的に幽霊とかのレベルじゃねーよ。」
沈黙が恐ろしくて、みんな口々に意味の無い事を言い合っていた。
しかし、その後しばらくたっても神社で見た何かが追って来ている様子がなかったので、
電気を点けっぱなしにして、ミニコンポから音楽を流しっぱなしにした状態で寝ることになった。

恐怖感からか目が冴えて全然眠れなかったが、朝日がカーテンの隙間から差し込む頃にはそれまでの緊張感からうとうとし始めていた。その時に夢を見た。

その時に見た夢というのが風景も何もなく真っ暗な場所に、肝試しに使った蝋燭が3本立っており、その内の1本に炎が灯るというもの。目が覚めてから聞いて見るとAとBも同じ夢を見たらしい。
全員が同じ夢を見ていたということに気持ちの悪さを覚えながらも、その日は解散となった。
その日(土曜日)の夜、再び同じ夢を見た。暗闇に蝋燭3本が立っている。前回と違ったのは、3本の蝋燭の2本目に炎が灯ったこと。目が覚めてから何かを暗示しているようで、気味が悪かったが週明けの試験のこともあったのであまり外出もせず勉強に励んだ。

予感していたことだが、日曜日の夜にもやはり同じ夢を見た。今度は3本目の蝋燭に炎が灯された。
何か嫌なもの予感させる夢だったが、試験をサボるわけにもいかず大学に出かけた。
同じ講義と試験を受ける予定だったAとBが来ていなかった。気になりながらもその日予定されていた講義と試験を
無事に終え、とりあえずAの携帯に連絡を取ってみたところ、少し混乱をしていて要領を得なかったが、



867 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:12:49 ID:NTfTxL700
(5/9)
A曰く「2本目の蝋燭が灯った夢を見て目覚めた日に神社にいたアイツが来た。」
ソレに気を取られたからなのか、何も無い階段で足を踏み外し、足を骨折して今、病院だという。
今度はBに連絡とったところ、Bも似たような感じで自転車で事故に逢い入院中とのこと。

とりあえず、二人とも生きてはいることがわかりホッとしたものの、次は確実に自分の番ということに気付きジワジワと恐怖感がせりあがってくる。
そんなところに突然声をかけられ、座っていたキャンパス内のベンチから思わず飛び上がりそうになる。

声をかけてきたのは同じ地元出身で、幼馴染の姉である2つ年上のCさんだった。
C「なーに、しけたツラしてんの?」
俺「なんだ、Cさんですか脅かさないでくださいよ・・・」
Cさんは知り合いを探すように周りをちょっとキョロキョロしながら、
C「別に脅かすつもりはって・・・うわっ!!」
C「ちょっと、D君(俺のこと)なんてモノ連れてんの。」
俺「ちょっ・・連れてるって何の話ですか? 何か視えるんですか。ってかSさん視える人なんですか?
  そんな話今まで一言も言ってなかったじゃないですか。」
C「ちょっと、一気に質問しないでよw」

ここでSさんについての説明とCさんから聞いた話をまとめると

Cさんについて
・地元の幼馴染の姉(長女Cさん、長男Eさん(神道関連の某大学生)、次男F(幼馴染)の3姉弟)
・地元の神社の娘
・昔からいろいろと視える性質だそうだが、わざわざ人に喋ることでも無いし、
 喋ることで鬱陶しいの(そういうのが好きな人間)にまとわりつかれるのも嫌だからとのこと。

聞いた話
・何か得体の知れないものが憑いてる。(人間の霊とかで無く良くわからんらしい)
・話を聞いた限りでは物理的に害を与えるというよりも、精神に障るタイプのヤツっぽい。
・憑かれたままだと碌な目に遭わないはず、下手すりゃ死ぬかもとのこと。



868 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:15:51 ID:NTfTxL700
(6/9)
その話を聞いて今も視えるか聞いてみたら
C「ほら、あの並木のあたり見てみ?」と言ってCさんは向こうに見える並木道を指差した。
俺「講義や試験を終えた学生がぞろぞろ帰ってるのが見えるだけですが・・・」
C「じゃ、メガネ外してもう一回。歩いてる人の足元あたりに注目!」
俺「!!!!」
周りの風景や人はぼやけて見えるのに、辛うじて人の形に見える漆黒のタールのようなものの上半身が這うような姿勢のまま静止しているのがはっきり視える。

C「見えた?クロウリングケイオス(crawling chaosかな?)って感じだよねw」
俺「Cさん。実家の神社で巫女さんとかもされてましたよね?お払いとか出来ないんですか?」
C「無理無理w 自分に変なのがまとわり憑かないようにすることで精一杯。実家継ぎ損なってなけりゃ出来たかもだけどw」
C「それにしても何したの? 普通に心霊スポットとか行ったぐらいじゃあんなの拾ってこないよ普通www」
俺「マジ笑い事じゃないですよ。神社で肝試ししただけですよ。俺ら。」
C「うーん」
何か含みのある様子で軽く唸ると、急にSさんが俺の手を引いて腕を絡めて
C「ま、こんなトコで立ち話もなんだし、ちょっと飲み屋にでも行こうか?奢ったげるからさ。」
このCさん。あんまり女性っぽく無いサバサバした性格だけど、見た目は、無造作に後ろで束ねた長い黒髪の和装が似合いそうな美人さんなもので、こんな話をしてる時なのにドキドキしてたのは内緒だ。
C「私とくっついてたらとりあえずは大丈夫。あと君は結構運がいいね。弟(長男の方)が実家の用事ついでに、
  私のトコに寄る予定あるんだ。後、2時間くらいで着くはずだから安心して良いよ。」
そう言いながらグイグイ俺を引っ張っていく。結局、2人で個室のある飲み屋に入り先ほどの話の続きをすることに。

(前レスミスってるorz SさんはCさんの間違いだ・・・)


869 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:17:45 ID:NTfTxL700
(7/9)
飲み屋に腰を落ち着けて、事の経緯を説明し、いろいろ聞いた話をまとめると以下。
(聞いた時にわからなかった言葉とかは後でググッて補足しています。)

●Cさんではお払いが出来ないことについて
⇒普通、神職自体には、霊とかその他諸々を払う力は無い。祀ってる神様の力を借りないことには払えない。
 そもそも神職は巫覡に端を発しているので、霊を成仏させたりする坊主とは違う。
 神様の力を借りるには相応の舞台装置が必要。つまり神社の外では依り代とかがなければ大したことは出来ない。

●神社の境内は神域のはず、なんであんなのがいるのか?
⇒坊主の作る結界とは違い、神社は神を降ろすための舞台装置(神を降ろし易くすための場)にすぎない。
 神域とは舞台装置である神社に神が降りることによって始めて力を発揮する。神職や管理者がいたり、キチンと定期的に祀られてる神社は、神域として正しく機能しているためおかしなものは寄り付かない。
逆にそうでない神社は何か寄せるための舞台装置だけがある状態。色々とおかしなものが集まってくるので危険。

ここまで話を聞いて疑問に思った事を聞いてみた。
俺「なんでEさん(長男)が来たら安心なんです?さっきの話だと神職自体に払う力はないんでしょ?
  ましてやEさんて今まだ在学中で、正式な神職になって無いでしょ。
  それともCさんと二人で力をあわせれば何とかなるってそういう話ですか?」
C「違う違う。確かに神職自体に払う力はないってのはEに関しても当てはまるんだけどね。

  ただ、あの子は色々と特別な訳。うちの神様に守られてるんだよね。具体的な効果範囲はわからないけど、少なくともEの視認できる範囲内には、幽霊とかその他もろもろの危害を加えるものは近寄れない。」
俺「それを聞いて気付いたんですけど、もしかして、地元の心霊スポットとかで肝試しした時に何もおこらなかったのって・・・」
C「そう、いつもEいたでしょww」
俺「でも、なんでEさんだけそんな特別扱いなんです?そもそも神様が1人だけを守ったりとかあるんです?
 神社って全国各地にあって、しかも有名な神様だと分霊でしたっけ?とかされて同じ神様を祀ってる神社がいっぱいあるのに」
C「んー。ちょっと長くなるけど良い?」




871 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:20:06 ID:NTfTxL700
(8/9)
Cさんより聞いた話(特定されない程度にぼかして記載している箇所があります。)

・彼女の実家の神社(A神社とする)は、全国に同じ名前の神社がある、つまり総本社の分社。
・ただ、彼女の一族は、元々は別の神社(B神社とする)を管理してきた一族。
・B神社は今もあるが、現在その直接的な管理は、B神社がある地域の町内会がおこなっており、彼女の実家は、それをサポートする立場。
・B神社は決して大きくは無いが延喜式神名帳にも記載されていたそれなりに歴史のある 式内社(少なくとも千年以上)
・B神社は、全国的に見ても少し特殊な神社。(主祭神と建築様式の2点において)
・ある神様を祀っているが、その神様を主祭神としている神社は、全国でB神社のみ。
・B神社は、平安時代以降のある時代に戦乱だか災害だかで一度消失し、近年に再建された歴史を持つ。

・その空白期間、彼女の一族がどうしていたかというと、当代の神職を依巫として祀ってる神様を降ろして、代々引き継いできた。(満10歳になった時に、次代の神職を確定させるために神降ろしの儀式があり、その後は当代と次代の間で取り決めたタイミングでもう一度神降ろしをして世代交代を行う。

 世代交代の時期が決まってないのは儀式的なしきたりよりも確実に引き継ぐことを重視したためだと思うとの事)
・一方彼女の一族がそうまでしてその神様への信仰を守ったのは、B神社のある地域一帯に物凄く強力な力を持った何か
 (人間とって都合の悪い神様レベルのものなのかもとはCさんの推測)がいて、それを封じる役割をその神様が担っていたからとのこと。

・神社が再建されたのは表向きには、神仏分離令が出た後に、その地域にも由緒正しい神社があったことがわかり、これはぜひ再建するべきとの機運があったためとのことだが、その地域の鎮守としてB神社がなかった空白期間が 長かったため、定期的に彼女の一族が封じるための儀式を行ってきたけれでも、それでは抑えきれず、封じてた何かの
 悪影響が出るようになっていたからとのこと。

・それをあらわす証拠が再建された時の建築様式に現れており、いくら由緒正しいとは言え田舎の小さな一神社にはありえない特徴があり、その再建した時代にその神社が重要視されていたことがわかる。



872 本当にあった怖い名無し sage 2009/07/27(月) 01:22:50 ID:NTfTxL700
(9/9)
・再建後は、B神社は鎮守としてきちんと祀られ(収穫祭ではあるが秋祭りもある)、定期的にその神社で儀式を行っているため、その何かは封じられていると事。

以上のような経緯で、Eさんは神様の一部を常時降ろしているような状態で強力に守護されているため、
Eさんの周りはEさん自身の体を舞台装置(依巫)とした一種の神域のようなものになっているとのこと。
よってEさんにとっては俺に憑いている程度のものを払うのは大したことでは無いという訳だそう。

場合によってはEさんがこの飲み屋に着いただけで、憑いていたものは消滅してるかもとCさんは笑っていた。
それを実感するエピソードとしては、Cさんが小学生の頃、弟が神降ろしの儀式を行った(
弟が次代に確定した)翌日から、今まで通っていた小学校で視えていたいろんなものが、
それ以降、全く見えなくなった事を挙げていた。
Cさんが中学生になった後、一年後に弟が中学校に通いだした時にも同じことが起こり確信したという。

そんな話をしているうちにEさんが飲み屋にやってきた。
Cさんから話を聞いた後だったが、1年ぶりにあったEさんは、俺には普通の今時のイケメン兄ちゃんに見えた。
E「久しぶり。姉さんから電話で聞いたけど、なるほど、ちょっと「障られて」るね。」
そう言うとEさんは俺の頭を軽くポンっと叩いて
E「よし。これで大丈夫。」
俺「へ!? もう終わりですか? もっとこう祝詞的なものとかは必要ないんですか?」
 (寺生まれのTさんの『ハァー!!』みたいな気合的なものとかもなかった。本当に軽くポンと頭を触られただけ・・・)
E「ないないw これでOKだから」
C「うん。頭から伸びてた紐みたいなのがもう視えないから大丈夫。」

物凄く拍子抜けしたが、その後、3人で飲んだ後にうちに帰って寝たが、例の夢はもう見なかった。
(翌日、入院しているAとBについてもEさんに払ってもらった。)

AとBが怪我したものの最終的にみんな無事だったのでよかった。
得られた教訓としては無人の神社には近づくなって事。

支援頂いた方々、どうもありがとうございました。



959 861 sage 2009/07/28(火) 02:51:28 ID:f23JCiry0
超亀レスですみませんが、質問へのレスを

>>882 >で、水溜まりから出て来たヘドロ人間は一体何だったんだ?
>動物の霊とかか?


Eさんにも聞いてみたんですが、人間霊や動物霊レベルのものではないのは確からしいのですが、
人に対する影響力がそれなりに強いものであるということ以外はよくわからないとのこと。
(Eさんのお父さんが視ていたら何かわかったかもとのこと)

>>922 > その神様を主祭神としている神社は、全国でB神社のみ。

>一体、何を封じているんだろう・・・
>B神社だけってことは、あまり耳にしない神様なのかな
>みえる人がEさんを見たら、どんな神々しいものがみえるんだろ


日本書紀にもその名が記されている神様ですが、一般的に知名度のない神様であるのは確かです
なお、全く祀られている神社が無いわけではなく、あくまで主祭神としている神社が無いだけで
摂社や末社として祀られていることはあります

自分は全く視えないのでわからないのですが
Eさん曰く
「神職見習いがこういう言い方をするのもアレだけどAngel's Ladderって
 いうんだっけ?雲間から一条の光が常に降り注いでいるみたいに視えるらしい
 人によって見え方が違うのかもしれないけどね」

ちなみに、お祖母さんとお母さんを除くCさん一家(一族の直系)の人達は、
全員視える性質らしいんですが、お互いのことは何も視えないらしいです
視えない理由についてCさんは
「当代(父)と次代(Eさん)みたいに自分の周囲を神域化するほど強力じゃないけど、
 一族の直系は、多少なりとも神様の守護を受けてるから、お互いに視えたとしら
 眩しくて仕方がないからじゃないの?」
と朗らかに笑ってました





  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 01:10Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年09月17日

心霊イイ話 神社の生活

神社の生活


220 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/26(日) 23:51:51 ID:nRpiE0H90
これは五年程前からの話です。当時、私は浮浪者でした。
東京の中央公園で、縄張り争いに敗れて危うく殺されかけ。
追放されたあと、各地を転々とし。最後に近畿地方のとある山中の神社の廃墟に住まうようになりました。
ふもとに下りてはなんでもやと称して里の人の手伝いをし。
手間賃をいただいて食いつなぐ身の上でした。
その生活の中で一番恐ろしかったのは、人間です。
「何でも屋です。何が御用はございませんか」といっただけでいきなり猟銃を向けられた事も御座います。
「一度弾を込めたまま人間に向けてみたかったんだ。ほらよ」と口止め料まがいの大金(恐怖に慄いた代金は一万円でした)を渡されましたね。
付近を走る暴走族に「お前に人権はねえ」と追い回され。棒切れで叩かれた挙句足が折れたこともございます。
その時はよく手伝いにいくかわりに野菜を分けていただいてた農家の方が様子を見に来てくださり。

あやうく歩けずに餓死するところを救われ、病院にかかる代金までもっていただきました。
その農家の方からはさまざまな恩を受けました。
「手に職はあったほうがいい。うちじゃ雇ってやれないからせめて作物を育ててみて」そのように仰り、色々な苗や種を分けていただきました。
荒れた境内の砂利を少しよけて。硬い土をたがやし。近くの川からへたくそな水路をひいて引き入れ。ちょっとした農園をつくるに至りました。
ある時何度かに分けて訪れた茶髪の廃墟探検の人たちに、この農園は大量の除草剤を撒かれて全滅させられました。
私はこういう団体が来る度、暴走族の一件を思い出して隠れるようにしていたのですが。
このときほど角材でももって殺してやりたいと思った事は御座いません。
そこでの生活は、どなたかから恩を受け。それをどなたかに奪われることの繰り返しでした。


221 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/26(日) 23:52:10 ID:nRpiE0H90
こうした生活をしていると、不思議と心が澄んできます。
所詮人間は悪徳の持ち主ばかりだと悟るのです。そして、徳の高く優しい人たちにあこがれるようになります。
そういう風になってくると、別に幽霊を見ても必要以上に恐くなくなります。
実はこの神社、社務所にほんとに幽霊が出たんです。髪がぼさぼさで、白着物に朱袴の女性でした。
生活し始めの頃に気づき、以来おびえて社務所には近づかず、物置小屋で暮らしておりました。

しかし、悟ってしまった頃から頻繁に社務所に出入りするようになり。
大工の親方とも知り合い、古くなった工具を分けてもらった四年前。
仕事をおぼえてみるついでに社務所の修理をはじめました。
出て行けったたり殺すぞって具合ににらまれましたよ。何度かちびりました。
でもね、修理をして雑巾がけをしてとしていくうちに、だんだん付き合い方をおぼえました。
まず必要以上にうるさくしない。次に神さんじゃなくてその人に挨拶をしてから入り。出るときも挨拶して出る。
社務所が綺麗になる頃には、幽霊のお嬢さん出てきても穏やかな表情をするようになりました。
たまにさらさら音が聞こえたような聞こえてないような時は、決まって髪を櫛擦ってる。

二年前、前に私の足を折った暴走族がまた境内へとあがってきましてね。
私、逃げ切れずにつかまって、袋叩きにされました。
頭もなぐられてぐわんぐわんいってましてね。足なんか痙攣してて立ち上がって逃げようにもすぐ転ぶ。
深夜の話なんで、昼間よりもっと助けも望めず。こりゃあ巫女さんのお仲間になるなと思いました。
若者達はへらへらと笑っているし。私がもう命の限界に近いなんて理解もしてないようでした。

すると、驚いた事に境内をかけあがってくる足音がするじゃないですか。
暴走族たちも私を殺そうとする手を休めてそちらをみました。
するとふもとの危ない猟銃持ちのおじさんがやってきて、いきなり銃を暴走族達に向けるじゃありませんか。
しかも発砲したんですよ。わざと外したようですがね。
暴走族が慌てて逃げ出したのをみて、私意識失いました。


222 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/26(日) 23:52:21 ID:nRpiE0H90
病院で目を覚ました後見舞いにやってきたおじさん。
聞けば、巫女の幽霊に夢の中で脅かされ。
飛び起きたら目の前に血走った目をした巫女の幽霊がいた、なんて肝の縮まる思いをしたそうで。
幽霊撃つためにとった銃も銃床でなぐりつけてもそりゃすどおりだったそうですよ。
あまりの恐さに逃げ出したら、おっかけられて神社までおいたてられたと。
だから私ね、実はあの廃墟にゃ巫女の幽霊が出るんだよって切り出して。
社務所の修理と巫女の幽霊が恐くなくなったとこまで話してやったんです。
そしたらおじさん「そりゃあんた幽霊と内縁の夫婦になってるよ」と真顔で。
退院して真っ先にお礼しましたよ。
以来ちょっと生活苦しくても巫女さんのために一膳のご飯用意してね。嫁の飯も用意できないんじゃ男廃りますし。
たぶんあれはただの夢ですが。巫女さんと何度も一晩中貪りあった。
祝言もあげましたよ。神主もいない神社ですが。まあ神前結婚の気分てね。

一年前。この神社の廃墟を含む山の所有者って方がやってらっしゃいましてね。
元々はこの神社の神主の一族だって話してらっしゃいました。
この神社別に霊験あらたかでもないし、歴史的に由緒あるわけでもなし。
終戦後の神道の混乱期に神主不在となって以来荒れ放題だったとか。
ところがみすぼらしいのは同じでも、神社がすっかり生気溢れてることに感激したって泣き出しましてね。
私に神社のある山とふもとの農地ををくださったんです。
どうせ二束三文の土地なら、活用してくれる人にもっててほしいってね。
農地はよくしてくれた農家の方に安く貸し出し。私は今東京に出稼ぎにでてます。

なかなか家にはもどれんので、嫁が夢に出てくることが多いですが。
いつかこっちもくたばって、その後ずっと一緒にいれるんだから、我慢してもらわないと。
今は金をためて、私らが死後くらすあの神社をもっとちゃんと修繕し。
もういちどちゃんと神社として神主を迎えられる状態にしないといけない。



224 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/27(月) 00:05:08 ID:LCGzvCQA0
>>222
おもしろい人生ですね。無一文から山の所有者になるなんて。
せっかく巫女さんとも良い縁を貰ったんだから、出稼ぎしないで
なんとか自給自足の神主として修行したら?
他人から感謝され尊敬される人になれれば
もっと良いのだけれど。




227 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/27(月) 00:19:11 ID:j1itIqOT0
>>224
そこまで達観はできないです。人間の汚い部分随分とみてきましたから。
悟ってはいても聖人とかの悟り方じゃあない。だから、徳の高い人にあこがれるんですよ。
それに大層俗物でね。
夢か現か今でもよくわかりませんが。嫁との夜のほにゃららが楽しみでならんのです。
死んだ後なら嫁と子供つくれるんだろうかとか。本気でそんな事考えてる位の俗物です。
奇人変人の類。幽霊の嫁さんもってる自称神主にならなれても。徳の高い立派な神主は荷が重い。
だから、私は生涯かけて。神社本庁に登録された神社にしたいんですよ。
こういうとこの修繕費は軽く数億すっとんでくんで。
人間一人の夢にしちゃ、これでも大分でっかすぎます。
そのために大工やってるんですがね。お宮の仕事にも混ぜてもらって。
材料費だけそろえたら、あとは自分でなおしちゃろうと。



229 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/27(月) 00:27:11 ID:VtnONICr0
>>227
>私は生涯かけて。神社本庁に登録された神社にしたいんですよ。

十分徳のある願(情熱)だと思いますよ。

しかし自力ではなく他力を引き付けられれば実現は早いでしょう。
貴方は虐げれた。これは大事な試練でした。
捨てる神あれば拾う神ありを地で生きていらっっしゃる。
見ていないようで誰かが見ています。
まして巫女さんも神さんも憑いているじゃありませんか。



238 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/27(月) 01:42:43 ID:j1itIqOT0
>>230-231
お二人の話を総合してみると。
ひょっとしたら神社再建の為に選ばれたのかもしれないという気にもなりました。
もし魅入られたり利用されていたりしても後悔はないですけど。幸せですから。


  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 01:01Comments(0)心霊ちょっとイイ話

2010年08月18日

心霊イイ話 究極のアロマテラピー

  究極のアロマテラピー




779 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/04/15(日) 23:28
小さい頃から、寂しかったり、悲しかったり、困ったりすると
なんだかいい香りに包まれるような気がしていた。
場所や季節が違っても、大勢の中にいても一人っきりでもいつも同じ
香りだから花や香水などではないことは確かだった。

私が20才になった時、母の実家が改築することになった。
母の実家の庭には小さな蔵があり、お盆のお墓参りで寄った時に、
伯母からもうほとんど整理して何も大した物は残っていないけど、
何かいいものがあれば自由に持っていっていいと言われて久しぶりに
蔵に入った。

中に入ると祖母がお嫁にきた時に持ってきた長持ちがまだあって、
よく従兄たちとかくれんぼして中に入り込んでいた事を思い出した。
懐かしく思い出しながらその長持ちを開けた。あの頃、まだ洋服
などが詰まっていた長持ちの中もすでに整理されたのか、中はもう
空だった。長持ちは四つあって一番奥に桐のかなり立派なものがあり
小さい頃、その長持ちだけは触ってはいけないと言われていた事を
思い出した。さすがに今はいいだろうと、その長持ちを開けた途端に
私はいい香りにつつまれた。

伯母と母に聞くと、その長持ちは私が3歳の時に亡くなった私の祖母に
あたる人が嫁入り道具に持ってきた長持ちで、その中にはいい香りの
お香を焚き込んだ着物が沢山いれられていたという事だった。
祖母にとって孫は男の子ばかりだったので、私が生まれた時この着物は
大きくなったこの子にあげようと、嬉しそうに母や伯母に話していたと
その時はじめて私は聞いた。

おばあちゃんだったんだね……。
  


Posted by アマミちゃん(野崎りの)  at 00:02Comments(1)心霊ちょっとイイ話

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アマミちゃん(野崎りの)
アマミちゃん(野崎りの)
小さい頃の夢はマザーテレサとジャンヌダルクでした。
あれから20数年、今では立派なメタボとなりました。